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【怖い話】夜の理科室で

FM都市伝説

【投稿者:ラムちゃんさん】

私が中学生の頃。苦手な教室がありました。

それは、理科室です。あちらこちらに、ホルマリン漬けが置かれていたり、訳のわからない標本があったりして、いつもビクビクしていました。

特に、教室の隅でジッと佇んでいる人体模型は、私にとってまさに恐怖の対象でした。だって、内蔵の模型もリアルですし、今にも動き出しそうな気がするんですもの。

友人のH美は、私の怖がりな性格をよくからかってきたんです。

おまけに、理科室の人体模型がこっちを見ているとか、夜には骸骨の模型が踊り出すとか言って、私を怖がらせるんです。

そんなあるとき、H美と帰りにファストフードで試験勉強をしていたら、私はあるものがないことに気がつきました。

それは、大切にしていたシャープペンです。

きっと、教室に忘れてきたのだと思い、H美についてきてと言いました。時刻は既に夕方の6時を回っていて、一人で行くのはかなり抵抗がありました。

学校に行くと、まだ部活の子が残っているので、正門から中に入り、教室がある2階へと向かいました。

「あれ?」

ところが、教室のどこを探してもシャープペンは見つからないんです。変だなと思っていたら、H美が理科室じゃない?と、言うのです。

確かに、移動教室で行ったのは理科室だけです。

行くのを躊躇っていると、H美は怖がりなんだからと呆れたように言って、先に立って歩き出しました。彼女の後ろを、私はビクビクしながらついていきました。

だって、昼間でも怖いのに、こんな時間に行ったら、もっと怖いに決まっています。

「電気つけるんだから、大丈夫よ」

H美は、そう言いながらも、理科室がある3階に上がる途中で、学校に昔から伝わるという七不思議を話だし、私をますます怖がらせようとするのです。

「やめてってばっ」

と、私が言ってもH美は、こんなの嘘に決まってるじゃないと笑うばかりです。

理科室について電気をつけると、なんだか普段とは違う光景が広がっていて、私はできるだけ周囲は見ないようにして、自分が座っていたところを探しました。

ふと、人体模型が見えて、ビクッとしたのですが、壁の方を向いているため、さほど怖くは感じませんでした。

「あった!」

床に転がっていたシャープペンを見つけて、私は大きな声を上げました。
H美に、おっちょこちょいなんだからと文句を言われながら、教室を後にしようとしたら、H美が大声を出したんです。

また、驚かそうとしてと思って、彼女を見ると、真っ青な顔をして指を指すんです。なんだろうと思って、指差す方を見ると、私は言葉も出ませんでした。

人体模型が、こちらを見ているのです。確かに、壁の方を見ていたのに、なぜかドアの方を見ているのです。

私も、H美もなんとか理科室を出ると、すぐに走ってその場を後にしました。

翌日。この話を周囲にしても、誰も信じてはくれませんでした。

ですが、そに日を境にH美は怖がりの私をからかうようなことは、言わなくなりました。