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【本当に体験した怖い話】隣人に住む男

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【投稿者:はらださん】

高校生のとき、ある友達の家に頻繁に遊びに行っていました。友達は兄と両親の4人で住んでいるのですが、両親は共働きなのでなかなか家にはおらず、お兄ちゃんにも会うことはありませんでした。誰かが帰宅するまで一人ということなので、私は学校帰りにその子の家によく行っていました。

しかし、一つ問題があって、その子の家は昔ながらの家屋でとても広くて、友達の部屋は居間などを通らなくてはいけなかったのです。友達の家はとても田舎なので、鍵は基本的には開けてあり、着いたら勝手に入ってきていいよと言われていたのです。

友達と一緒に家に入る時はいいのですが、一人で部屋まで行くのは私にとって苦難だったのです。というのも、私は超がつくほどの方向音痴で、人の家で迷ってしまうことがあります。

特にこの友達の家はふすま戸だらけだったので、「あれ?どのドアだっけ?」と迷うことが多々ありました。

何度も違う部屋のドアを開けてしまうこともあり、私にとって友達の家は迷路のような感覚です。そのため、できるだけトイレに一人で行ったりはしないようにしていたのですが、この日は休日で遊びに行くことになっており、勝手に上がってきてと言われていました。

またしても、どこのドアを開けたらいいんだっけと、思いながら「おじゃましまーす」と友達が返答してくれるのを待ったのですが、返答はありません。

あるドアを開けると、その部屋には見知らぬ男性が立っていました。ちょっと太めの男性で、私の顔を見て驚いた顔をしていたのです。

私はすぐに「間違えました、ごめんなさい」と言ってドアを閉めたのですが、友達のお兄ちゃんに、絶対に変な子だと思われたと赤面しながら、ようやく友達の部屋にたどり着きました。

「お兄ちゃんに変な子だと思われた!謝っておいて」と伝えたのですが、「勝手に開けたなんてばれないから大丈夫」と返されたのです。「お兄ちゃん、驚いてたよ!」と続けたところ、友達の表情が固まりました。

そして「窓から外に出るよ」と言われ、はぁ?と思っていましたが、その剣幕に負けて私は指示に従うような形で窓から外に出たのです。

すると、友達はすぐ隣の家にいき、隣の住民と話始めたのです。高齢の隣人は友達の顔なじみのようで、これまで挨拶したり、話しているのを見たことがあります。

「どうしたの?」と聞くと、友達は真っ青な顔で「私のお兄ちゃん、海外に留学しているの」と聞かされたのです。だから?っと最初は意味が分からなかったのですが、すぐにゾッとしました。それなら、あの男は誰だったのかと。隣の人は、「孫に様子を見てもらおう」と言ってくれたのですが、危険だからと友達が止めて、警察の到着を待ちました。

隣人が警察を呼んでくれたので、田舎町はちょっとした大騒ぎになりました。警察が家の中を見たときには、男はすでにいなくなっていたので、私はどんな男だったのかを詳しく聞かれることになったのですが、友達は私の口から出る風貌を聞くと、隣でカタカタと震えだしたのです。

心当たりあるのと聞かれ、友達は「はい」と答え、続けて「隣に住んでる男です」と答えたのです。そう、家のなかに潜んでいたのは、私たちが逃げ出した家の孫息子だったのです。しかも、様子を見てもらうかと離していた男。あの時、家に戻っていたのか定かではありませんが、進入していた男の家に私たちは逃げ込んでいたのです。

捕まった男は、侵入したことを自白したのですが、男の部屋には友達のことを監視しているようなノートもあり、隠し撮りと思われる写真や干しているときになくなったと思っていた友達の下着やハンカチなども見付かったようです。家族が不在で一人でいることも、隣人だから知っていたのだと思います。もしもあの時、私が遊びに行っていなかったらと思うとゾッとします。

この後の隣人がどうなったのかを聞いたときも、私はゾッとしました。隣人はこの一件で町から疎外されてしまい、農家をしていたものの、野菜が買取ってもらえなくなり、店に行っても暴言を吐かれたり、物を売ってくれないということもあり、半年も経たずに夜逃げのような形でいなくなってしまったのです。田舎だからこそ、事件はすぐに広まってしまい、変態家族のレッテルを貼られてしまったのでしょう。

夜逃げをしたときには、町の人が大喜びをしたようで、田舎の一体感もぞわっとさせられました。