殿堂入り都市伝説はこちら!

【怖い話】患者様がお亡くなりになる前に見る『黒い物』

FM都市伝説

【投稿者:峠の体験者さん】

今回は、前回お話させて頂きました病院を退職後、別の病院へ入職したのですが、その時のお話をさせて頂きたく思います。

その病院は非常に古めかしい病院で、院内は独特の昔ながらの薬品の立ち込める病院でした。

まるで、お化け屋敷の様な病院でした。

怖い体験をさんざんしてきた私が、なぜそこに入職する事になったとか申しますと、とある知人からの紹介でした。

丁度就職活動中でもあり、知人の紹介という事もあり、トントン拍子に話が進み入職する事を決めた次第で御座います。

規模は、古いながらも中堅規模の病院でして、職員は100名を超えていたと記憶しております。

2度目の就職でもあり業務も変わらないので、その病院のやり方を覚えてしまえばそこまで苦労は御座いませんでした。

平凡に業務をこなし、徐々に患者さまにも職員にも慣れてきた頃のお話です。

ある日のこと、いつもの様に業務をしてますと4人部屋からナースコールが鳴り、いつもの様に『どうしましたか?』とインターホン越しにお声かけを致しました。

すると、患者様(以後Aさん)が『助けてー!!!』と大声で騒いでおりました。

まだ昼間で職員も多くおりましたが、病院と言う物は分単位でスケジュールが組まれている為、コール対応をした私が何事かと慌てて病室へ・・。

Aさんは

『そこに黒いのがいる!』
『棒を頂戴!』
『こいつはいつもくるんだよ!』
『早く叩かないと!!』

等と、非常に興奮されておりました。

普段は穏やかなAさん・・。必然的に、私もベッドの下や周りを目視しましたが何もおらず、

私『Aさん、何もいませんよ?』

Aさん『あなたには見えないの?! そこにいるがね?!』

と興奮がおさまりません。

こういう事もまれにはあるものだというのは、病院経験者ならお分かりになると思いますが、まずはAさんの言い分を傾聴し、さすがに棒を渡すのは危ないのでAさんを車椅子に載せてホールまでお連れしました。

ようやくAさんも落ち着きを取り戻してきたころ、Aさん曰く『最近、よく出るのよ』『あの黒いのが』とのこと。

4人部屋でしたので、他の患者様にもそれとなく聞いてみましたが、そんなものは見た事ないとの事・・。

とりあえずは、その日は落ち着かれたのでホールで日中を見守りをし、夕方になり勤務時間も終了しましたので夜勤者へ申し送りだけは行い帰宅致しました。

翌日・・・・。あまり話したくはないのですが・・・Aさんが夜間急変した様で、お亡くなりになったとの事でした・・・。

Aさんにはもしかしたら、本当に何かが、見えていたのかもしれません。

例の黒い話を聞いていた私は、お祓いでもなんでも良いので『なにかしら、してあげれることがあったんじゃないか・・・』と思うと悔やむばかりです・・・。

数日後・・・・。恐怖は続きます・・・。

今度は、その隣の個室の患者さま(以後Fさん)が同じような事を言い始めたのです・・・。

Fさんも普段は非常に穏やかな人で、『黒い物が度々最近でるんだ』との事。

口調は穏やかではありましたが、顔は非常に強張っているのを今でも覚えております・・・。

さすがに不気味なのと、もしかしたら・・・・という変な直感もあり、私は師長へ連絡をし、師長とFさんがお話をし、結果、病院全体をお祓いをしてもらう事になりました。

それ以降はFさんも『黒い物』の話はしなくなりました。

私自身も、黒い影の様な物は何度か見たことは御座いますが、Aさんが見たと言っていた黒い影は未だに謎のままで・・・・

病院と言う物はご存じの通り、人の生死が交差する場所でもあります。

さらには、私の勤務していた病院は前職と同じ、療養型病床という、比較的ご高齢の方が入院していた病院でしたでの、人の死が近くにある病院でした。

お亡くなりになる方も多く、もしかしたら目には見えない何者かを、Aさん、Fさんは、見たのかもしれません・・・。

あとから、同僚から噂で聞いたのですが、その病院ではよく不可思議な事がある様で、エレベーターの扉の見えない隙間にお札が貼ってあったり、当直時は非常階段は通らない様に、等という変なルールがありました。

長々となりましたが、これが、私が病院で体験した不気味な、そして悲しいお話です。

最後まで、ご拝読頂き、誠に有難う御座います。