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【心霊体験】葬儀に参列したら霊に取り憑かれた話

【投稿者:りんごさん】

親戚が亡くなった為、両親とともに葬儀に参列しました。

亡くなった親戚(以降Aさん)は、父方の祖母の従兄弟の…と、辿るのも大変なくらい縁遠いので、私も両親もAさんと会ったことがありません。
遺影には30代くらいの女性が写っていて、葬儀に集まった親戚達は、「Aさんはまだ若いのに事故で可哀想に…」と、ひそひそ話していました。

会ったことがない相手ですが、亡くなられたのはとても悲しいことです。
なので、心の中で「安らかな旅立ちでありますように」と思いながら葬儀に参列していると、急に体が重くなり、そこから意識が無くなりました。

意識が戻ったのは、数十分後です。
いつの間に移動したのか、葬儀会場まで乗ってきた、父の車の後部座席にいました。
高熱が出た時のような体のだる重さを感じながら起き上がると、私の母が車のドアを開けて入ってきました。
そして開口一番「あんた、さっきはどうしたの?何だか別人のようだったけれど」と、言ったのです。

母が言うには、私は葬儀の途中から、明らかに別人のような振る舞いをしていたようです。
「椅子からいきなり立ち上がって祭壇まで走って行ったかと思ったら『私は、まだ死んでない!どうして私の遺影が飾ってるの!?」』って叫び出したのよ。Aさんのご両親の傍まで近寄って、『お父さんお母さん!』って叫んで2人に抱き着くし…」
「葬儀会社の方があんたを引きはがそうとしても、どこからそんな力が出ているのか、全然離れないし大変だったんだから」と言われましたが、そんなこと全く記憶にありません。
私がこんな様子だから葬儀は一時中断されたようで、私は落ち着くまで車に入れられていたそうです。

母に「再開するみたいだけど、もう平気?葬儀に出れそう?」と聞かれ、気だるさを感じるものの意識は正常なので再び葬儀に出ることになったのですが、葬儀が再開された途端、また体が重くなりました。
誰かが後ろからのしかかっているような感覚があり、「何これ!?」と驚いていると、うなじのあたりから何かが体内に入り込んできました。
もしかして霊ではないかと思い、「これは私の体なんだから勝手に操らないで!」と、心の中で必死に抵抗していると、耳元で「チッ」という舌打ちが聞こえて、何かが体の中に入ってくる感覚が消えたのです。

また霊に体を乗っ取られるところだった、間一髪で防げて良かったとホッとしていると、前列から「お姉ちゃん!どうしたの!?」という慌てたような声が聞こえてきました。
そちらを見ると、Aさんの従姉であるBさんが祭壇にしがみついて、「私は死んでない!死んでない!死んでない!」と、叫んでいます。
Bさんは、「お父さん!お母さん!私だよ!Aは死んでないよ!ねぇ!ねぇ!死んでない!」と叫びながらAさんのご両親の元へと走り寄っていきましたが、スタッフの方に止められてしまいました。

こんなことが2度も起きてしまっては、これ以上、葬儀を続ける訳にはいきません。
結局その日の葬儀は、取りやめになってしまったのです。

日を改めて葬儀が行われるのかと思っていましたが、母から「Aさんの葬儀を行おうとするとBさんが暴れるから、葬儀はしないことになったみたい。こっそり火葬だけしたんだって」と、聞かされました。
Bさんの中には未だにAさんが居て、Bさんは、生前のAさんのように振る舞っているのだそうです。
Bさん(Aさん)にバレるとどうなるか分からない為、Aさんのお墓も仏壇もありません。

今、Bさんは、Aさんのご両親と暮らしています。
Aさんのご両親は、「Aが帰ってきた」と喜んでいるようですが、反対にBさんのご両親はBさんの変わり様にショックを受け、精神を病んでしまいました。
2回目に取り憑かれそうになった時に抵抗していなければ、今頃、私がBさんのようになっていたでしょう。

今世に未練がある霊は、「可哀想」と同情した人に憑いてくると聞きます。
同情すると霊との波長が合い、霊が取り憑きやすくなるからだそうです。
葬儀に参列する時は、故人を思って悲しむことはあっても、同情し過ぎないように気を付けなければなりません。