本日は、新型コロナウィルスの影響によって私たちの生活は今後どのように変わっていくのか、と言うお話をしたいと思います。
まず、皆さんに一つだけ知っておいてほしいのは、
新型コロナウィルス発生前の生活に戻ることは確率的にかなり低い
ということです。
このページでは、今後私たちの生活がどのように変わっていくかを可能性の高い3つのシナリオで考察していきます。
- 通常シナリオ編:今後全てがリモートに切り替わっていく世界(確率80%)
- 楽観シナリオ編:ベーシックインカム時代の到来(確率14%)
- 悲観シナリオ編:第三次世界大戦の勃発(確率5%)
さっそく見ていきましょう。
【通常シナリオ】全てがリモートの世界
通常シナリオ編のキーワードとなるのが「リモート」です。
現在既にリモートワークが広がりを見せていますが、例え緊急事態を脱したからと言ってもこれがもとに戻るとは考えづらいです。
なぜなら、新型コロナは収束することがないからです。
これは大多数の医療関係者や感染症対策機関が口を揃えて言っていることですが、新型コロナは今後数年にわたり世界に蔓延し続ける可能性が非常に高いとされています。
- 「外出自粛、22年まで必要」 米ハーバード大が予測
(朝日新聞 DEGITAL) - 「この冬(2021年の冬)の新型コロナ感染再拡大に備えを」米疾病対策センター
(NHK NEWS WEB) - 「これから激戦、その後は持久戦」 京大・山中教授、サイト開設 検査強化など提言」
(毎日新聞「デジタル毎日」)
新型コロナウィルスが完全に収束しない限り、元の密集生活に戻すことは我々国民の命を危険にさらすことにつながりますからね。
話をリモートに戻します。
もともと、新型コロナの問題以前から「一極集中は災害に対して脆弱」などの理由でリモートワークの必要性は叫ばれていました。
それでもリモート転換のためのコストを考えるとなかなか変われなかったわけですが、今回の新型コロナウィルスがきっかけで一気にリモートに切り替わったのは皆さんもご存知の通りです。
リモートワークが「普通」に
そしてそうなるともう、わざわざリスクを犯して昔のやり方(対面コミュニケーション)に戻す必要性は感じられません。
これからはリモートが普通になり、リモートワークが可能なのに採用しない企業は「ブラック企業」と呼ばれるようになるかもしれません。
一方で、どうしてもリモートではできない仕事もあります(接客業や運送業など)。そういう仕事に関してはハイリスクということで報酬がアップする可能性が高いです。
リモート学習も普及
職場以外で多くの人が密集している場所というと真っ先に思い浮かぶのが「学校」です。
学校の場合、「人間関係を学ぶ」場所でもあるため、これまで通りの対人コミュニケーション・もしくはそれに近しい環境を継続するため、あらゆる手段が今後政府によって検討されるはずです。
ですが、対人コミュニケーションは生命のリスクを負う行為に相当しますから、「本人が希望するならリモート学習でも全く問題ない」となる可能性は高いです。
いづれは、一箇所に集めて何でも画一的にやらせる、という教育は時代遅れのものとなるでしょう。
過密・過疎の流れが逆転
さて、仕事も教育もリモートが可能になると、東京などの大都市に集まって住む必要性も薄れます。
逆に、そういうところに集中しすぎることが感染リスクを高めるとなればなおさらです。
そうなると、日本の近代化以来続いてた「過密・過疎」の流れが逆転する可能性があります。
つまり大都市に集中する時代は終わり、これからは自分の好きな地方に分散して暮らすのが主流になるということです。
日常生活の変化
我々の日常生活は、今後大きく変わります。
冒頭でもお伝えした通り、新型コロナウィルス流行前の状態に戻る可能性は低いです。
すなわち、現在のような不安で息苦しい生活が継続されるわけですが、これが長期化してくると、少なからず変化(慣れや代替策)が生まれてくるのは間違いありません。
移動手段は自家用車、買い物のほとんどはインターネット経由になる
移動手段はこれまでの電車・バスから、密集を避けることができる自家用車に切り替わっていくでしょう。
日常の買い物はそのほとんどがインターネット経由で済ませるようになってくるはずです。
スポーツや各種ライブの生観戦は高額な娯楽へと生まれ変わる
娯楽施設や各種イベントについてはどうでしょうか。
まず、多くの人が集中しないようにするために、これまでのような「みんな一斉に同じ日に休暇を取る」という慣習が見直される可能性が高いです。
一極集中を避けることを考えれば当然に流れです。
そして、スポーツ観戦や音楽のライブなどの沢山の人を集めることが前提の娯楽については根本的に見直されるはずです。
インターネットを通じての観戦、鑑賞する方式が主流になるのはいうまでもありませんが、スタジアムやライブ会場は今後、完全個室ベースの施設になっていくことが予想されます。
そのため、今後生でスポーツ観戦や音楽ライブを鑑賞することは、非常に高額で一部のお金持ちだけが利用できる特別な娯楽になっていくかもしれません。
この普通シナリオでは、今後全てのやりとりがリモート、もしくはインターネットを介する社会が構築されるということです。
本項であげた例はあくまでも一部であり、我々の生活が根本的に覆されるということが容易に想像できるでしょう。
【楽観シナリオ編】ベーシックインカムの実現
次は楽観シナリオ編を見ていきます。
新型コロナウィルスの流行にともない、多くの国や地域で、政府から国民へ支援金の給付が行われているのはご存知の通りです。
この給付が一時的なものでは終わらないというのが楽観シナリオの骨子となる部分です。
すなわち、今後も継続して政府から国民に一律給付が行われ、ついにはその仕組み自体ができあがっていくということです。
「いやいや、さすがにそれは無理でしょ」と思われた方も多いと思います。
ですがこの考え自体、実はかなり以前より存在し、今回の新型コロナウィルス騒動をきっかけに実際に導入・検討している国もあるのです。
この考え方(政府が国民を養い続けること)はベーシックインカムと呼ばれています。
ベーシックインカムとは
ベーシックインカム(basic income)とは、最低限所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を定期的に支給するという政策のこと。
世界中で限定的なパイロットプログラムも始まっている。
wikipediaより引用
さらに一歩踏み込んだベーシックインカム
このベーシックインカム、確かに10年くらい前は一部の人が主張する「ちょっと奇抜な案」という存在でした。
しかし最近は、多くの有識者がベーシックインカムの導入を主張しています。たとえばノーベル経済学賞をとったクリストファー・ピサリデスなどが有名です。
また日本でも、国民民主党などベーシックインカムを基本政策として掲げる政党も出てきました。
そして新型コロナの問題を機に、イギリスのボリス・ジョンソン首相はベーシックインカムを検討する考えを示し、スペインでは実際にベーシックインカム導入が発表されています※
※厳密にはベーシックインカムとは少し異なる施策だと言われています。
新型コロナの登場によって、このままベーシックインカム導入の流れが加速してもまったくおかしくない状況にあるわけです。
生きたいように生きられる世の中へ
もしこのベーシックインカムが実現すれば、人々は「生活のために嫌々働く」ということがなくなり、「本当にやりたいこと」「生きがいを感じられること」を仕事としていくようになるでしょう。
そうなれば、人間のエネルギーがポジティブな方向へ最大限発揮されることになるので、世界は今以上に豊かになるかもしれません。
やりたくもない仕事を嫌々やるということはなくなるので、鬱になる人も、ストレスで病気になる人も減ることでしょう。国の医療費も節約できるかもしれません。
もちろん自殺者は激減するでしょう。
この楽観シナリオは、くしくも人類を苦しめる新型コロナウィルスの登場によって、我々にとって最良の一つと思われるシステムが回り始めるきっかけになるということです。
【悲劇シナリオ編】第三次世界大戦の勃発
最後に悲観シナリオを見ていきます。
新型コロナによる死への恐怖、そして経済的な破滅への恐怖。現在多くの人がこのような不安とストレスを抱えながら過ごしています。
そんな状況だからこそ生まれるこのシナリオ、あなたは鼻で笑うことができるでしょうか。
ヒトラーやスターリンの再来
人は極度な不安やストレスを抱えている時、それらを取り除いてくれる人を強く欲します。
抱える不安に寄り添ってくれ、それを改善してくれると思える強いリーダーシップを持った指導者です。
例えば、第一次世界大戦の末期から流行したスペイン風邪で多くの人が亡くなったドイツ。
そんな状況で国民の圧倒的支持を受け独裁者にまでなったのがヒトラーでした。
戦後賠償に加えて世界恐慌、不安と恐怖にまみれたドイツ国民にとって、彼の強いリーダーシップは救世主のように見えたのです。
スターリンも同様です。
ソビエト国内での度重なる内戦により、疲弊しきっていたロシア民衆の心を掴んだのがスターリンでした。
彼らは共に、20世紀最悪の独裁者とまで評される人物たちです。
彼らに共通するのは、うまくメディアを使いこなし、疲弊しきった国民・民衆の心を鷲掴みにした、強いリーダーシップの持ち主だったというところです。
新型コロナウィルスがはびこり人々が不安におびえる今の世界は、ヒトラーやスターリンが生まれた時代背景に近しい状況にあります。
世界のどこかの国で、彼らのような独裁者が生まれる可能性は決して低くはないのではないでしょうか。
第三次世界大戦の勃発
そんな強いリーダーシップを持った指導者が政界のTOPに立った時、その指導者は我々国民の心(死への恐怖や破滅へのストレスを抱える心)をどのようにしてつかみ続けるのでしょうか。
「お金をばら撒く?」
確かに効果的ですが、継続してばら撒き続けるには資金が足りません。
このような場合、常とう手段のひとつが「共通の敵を作り上げること」です。
例えばそう、新型コロナウィルスの発生源になったと疑われる国に向けて、国民に伝わるようにバッシングを続けるのです。
「あの国のせいで、我々はこんなに悲惨な思いをしているのだ!」と。
それと同時に、新型コロナウィルスが蔓延し続けるであろう今後数年、世界中では以下の状況におちいることが予想されています。
・世界同時恐慌
・半鎖国状態
・失業者の増加
・食糧難
中でも食糧難は深刻と言えます。
各国が私利私欲を求め、食糧を奪い合い、お互いの国をののしり合い、世界中がギクシャクし始める可能性は大いにあります。
「新型コロナウィルス発生源の国に付く側」と「その他の国々」とで大きな隔たりができるかもしれません。
そのような世界情勢の中、本当にヒトラーやスターリンのような独裁者がいたとしたら、とんでもない過ちを犯してしまう可能性は0ではないはずです。
ちなみに、万が一第三次世界大戦が起こった場合、地球が滅亡する確率はどの程度あるのでしょうか。
かの天才アインシュタインの有名な言葉を引用して、本項を終わりにしたいと思います。
「第3次世界大戦がどのように行われるかは分からない。だが、第4次世界大戦が起こるとすれば、その時に人類が用いる武器は石とこん棒だろう」
アインシュタイン
まとめ
本記事では、新型コロナウィルスによって私たちの生活が今後どう変わっていくのかを、3つのシナリオで見ていきました。
ひとつ確実なのは、新型コロナウィルスによって我々の生活は今後大きく変わらざるを得ないということです。
そして、願わくは悲劇シナリオだけは絶対に実現しないことを祈るばかりです。
皆さんはどのように感じましたか?