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【都市伝説】この話知ってますか?トイレの花子さんにまつわるちょっと怖い話

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【投稿者:片目の子猫さん】

学校は怪談の宝庫。
その中でもトイレの花子さんが有名ですよね。
ここでは、私が聞いたトイレの花子さんを紹介します。

私は、現在はアプリを開発する会社に勤めています。
日本各地にいる契約プログラマと連絡しあい、新しいアプリを作っているのです。
新規採用の初心者の指導もしています。
教える、ということが好きなので、これは性にあっています。
そもそもは教員志望で、教職課程をとりました。
その教育実習で行った小学校で聞いた話なのです。

教育実習は、大学の都合で、足立区にあるP小学校ですることになりました。
その学校の校庭の右の隅に、古ぼけたトイレがありました。
そのトイレにまつわる話なのです。

今から振り返って30年前。
つまり、教育実習で話を聞いたときから20年前のことです。
その学校にAという名前の男の子が在籍していました。
Aくんは、背が低く、身体もひ弱でした。
その上、勉強もできませんでした。
絵を描くのは抜群に上手いのですが、算数や国語などは全然できないのです。
現在ならばアスペルガー症候群ということで説明できます。
でも、当時は、そういう用語はありません。
単に、知能遅れのバカ、ということになっていたのです。
そして、同級生にいじめられていました。

ある日のこと。
体育の時間で、校庭でサッカーをしていました。
Aくんは、お腹の調子が悪くなりました。
トイレに行きたい……。
何とか我慢をしているうち、ようやく休憩時間になりました。
サッカーをしていたのは、校庭の右の方でした。
そこにあるトイレは女子用なのです。
男子用トイレは、校庭の左の隅にありました。
校庭を横切って男子用トイレまで、とても持たない……。
Aくんは、女子用トイレに駆け込みました。
そして用を足して、外に出ました。
ちょうどそこに居合わせたのが、女の子のBでした。

とくに女の子に多いと思うのですが、妙に正義感を振り回す子供がいますよね。
正しいことをしなければならない——。
自分は正しいんだ——。
もし行動が止められたら、ヒステリーを起こす——。
自分の行動が認められるまで泣きわめく——。
Bが、こういう性格を持つ生徒でした。

Bは、Aくんが女子用トイレから出てきたのを目撃したのです。
男の子のくせに女子用トイレを使った——。
何というけしからんことをするんだ——。
というわけです。
Bは、担任の先生のところに行き、声高に「Aくんが女子用トイレから出て来ました」と報告したのです。
担任の先生は、だいたい事情が分かります。
ですから、「まあ、仕方ないんじゃない」と柔らかく応答しました。
でも、Bは納得しません。
いけないことは、いけないんだ——。
周囲の生徒たちに、Aくんの行動を告げ回りました。

これを聞いて、喜んだのが女の子のCです。
背が高く、美人でもあったCは学校のボス的存在でした。
Cは、尾ひれをつけて話を広めました。
Aは女子トイレに隠れていた——。
女の子が用を足すのを、よろこんで見ていた——。
Aは、いつも、女の子のスカートをのぞき込んでいた——。
彼は生まれつきの痴漢で変態だ——。

Aは痴漢で変態である、という噂が学校中に広まりました。
このことで、Aは学校へ行けなくなりました。
担任の先生は、何とか噂を消そうとしましたが、どうにもなりません。
校長は、何にも手を打ちません。
なにしろ、あと一年で定年なのです。
なにをする気力もないのです。

この事件を解決したのが教頭先生でした。

教頭先生は、先ず、Aくんの家に行きました。
Aくんに言いました。
「きみは、ウンチをするためにトイレに入ったんだよね?」
「……」
「心配ないよ。先生には分かっている」
「でも……、誰も信じてくれない……」
「先生は信じる。というより、きちんと聞いたんだよ」
「え?」
「あのトイレには花子さんがいる。花子さんから、聞いたんだ」
「そうですか……」
「ほら、テレビの警察モノにあるだろう。あれと同じさ。目撃者がいたんだよ」
「よかった。でも……、僕、あの学校へ、もう行きたくない」
「行かなくていいさ」
教頭先生は、Aくんの母親に言いました。
「彼を転校させましょう」

小学校は義務教育ですから、住んでいる場所によって、通学する学校が決まっています。
原則的には転校できません。
でも、教頭先生は高度の政治力を発揮して、Q小学校へ転校させたのです。
転校先の校長には、圧力をかけて、Aくんを保護するようにしました。
また、Q小学校のPTAにも根回しをしました。
Aくんは、絵画に関して天才的な能力を持っている、と告げたのです。
これで、PTAは、Aくんに一目置くようになりました。

こうした処理の後で、教頭先生はBを呼び出しました。
「君が、Aくんが女子トイレから出て来たのを見たんだね」
「そうですよ」
「しかし、それをわざわざ大声で言うことはないんじゃないかな?」
「そんなことありません。間違ったことは、きちんと言う必要があります」
「間違ったこと?」
「男の子が女子トイレから出て来るのは間違っています」
「しかし、事情があったんじゃないのかな?」
「間違いは間違いです」
「そうだな。しかし、君に、それを言う資格があるかな?」
「は?」
「社会科で習っただろう? 資格ということ」
「はい……」
「君、社会科の点数はいくつだ?」
「そのう……、10点です」
「100点満点で10点じゃぁ、最悪だな」
「……」
「勉強ができない生徒には人のことを言う資格はない」

次にCを呼び出しました。
「君は美人だねぇ」
「ありがとうございます」
「背も高い」
「はい」
「将来は、俳優になるのかな」
「その前にモデルになります。そして、俳優をやりながら、歌でヒットを出して……」
「そりゃぁ、すごいや。がんばりたまえ」
「ありがとうございます」
Cは、ニコニコしながら教頭室を出ました。
この処理だけを見ても、教頭先生の凄さが分かりますよね。

それから2か月ほど後のことです。
Bが、真っ青な顔をして教頭先生のところに来ました。
ガタガタ震えて、泣きじゃくるのです。

Bは、次のようなことを話しました。
放課後、家に帰る前にすっきりしよう、と思いトイレに入りました。
しゃがんでいると、後ろに、何かの気配がするのです。
別に、トイレの戸が開いたわけではありません。
カギはかかったままです。
ですから、誰かが入ってきたのではありません。
でも、誰かが後ろにいるようだ……。
後ろから声がしました。
「どうしてAくんが女子トイレに入ったか、知っている?」
この声を聞いて、Bは凍りつきました。
「我慢できなくなって、仕方なく女子トイレに入ったのよ」
「……」
「誰でも、我慢できなくなることってあるわよね」
「……」
「Aくんがそうだった。アタシが証人になるわ」
「……」
「痴漢なんかじゃないわ」
この後、後ろの気配は消えていったのです。
Bは、そのまま教頭室へ駆け込んだのです。
教頭先生は、優しく言いました。
「よく知らせてくれたね。ありがとう」
「先生……」
「はい?」
「アタシ、どうしたらいいんでしょう?」
「いつか、Aくんに会ったら謝りなさい」
「はい……」
「ああ、そうだ」
「え?」
「勉強をしなさい。とくに社会科」

それから3日後のことです。
夜、Cが塾から帰る途中のことです。

なお、Cは、ハイレベルな熟に通っていました。
東大を目指していたのです。
東大卒という箔をつけてモデルになる——。
それを足掛かりにして女優になる——。
と、こういう人生設計図を描いていたのです。

それはともかく、Cは自転車に乗って自宅へ向かいました。
そして……。
急に、自転車が重くなりました。
まるで、誰かが後ろに乗っているように……。
Cは、ドキリとしました。
後ろから息が聞こえます……。
Cは凍りつきました。
自転車を止めればいいのかもしれません。
でも、止めて後ろを振り返る勇気がないのです。
やみくもに自転車のペダルをこぎました。
耳に息がかかりました……。
低い声が聞こえました……。
「Aくんが可哀想……」
「うわぁぁぁ」
Cは、たまらずに悲鳴を上げ、そのとたん、車と正面衝突してしまいました。

Cは、全治5か月の大けがをしました。
結局、右足を切断しなければならなくなりました。
顔には、大きな傷跡が残りました。

こうしたことで、P小学校では、トイレの花子さんは実在する、ということになったのです。

なお、Aくんは、その後、ニューヨークへ行きました。
アートのメッカですし、人と違うことを尊重してくれる街です。
Aくんは、存分に才能を伸ばすことができたのです。
現在スペインで活躍しているAが、あのAくんじゃないか、と思っています。

余談ですが、5年ほど前、ウチの会社で、栃木に住む女性と仕事の契約を結びました。
プログラム技術を教えたのが私だったのですが、かなり頭のキレる人でした。
最初にメールでやりとりをしたとき、彼女は次のようなメールを寄こしました。
片足がなくて松葉づえを使っているので、東京まで行けない。
事情があるので、スカイプなど、顔を出すのは遠慮したい。
ついては、ネットのメールだけでやりとりをしたい。
こういうことでした。
私は、次のように応答しました。
仕事をキチンとしてくれるなら、それ以外のことは問題ではない。
そして今日まで、メールだけで応答しています。
この人が、あのCである、というのは考えすぎでしょうか?

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