【投稿者:MSさん】
これは職場の元同僚の男性Aから聞いた話です。
Aが20代中盤だった頃、学生時代の仲間達とドライブに行くことになりました。
でもあいにく当日急に予定が入ってしまったので、泣く泣くその日は欠席することになりました。
翌日、ドライブはどうだったかと仲間と連絡を取ろうとしましたが、なかなか繋がりませんでした。
数日経ってからようやく仲間の一人から連絡が来ました。
実は交通事故を起こし、運転していた友人が亡くなったというのです。
Aはその知らせを聞いて愕然としました。
そして仲間は事故の状況を次のように語ったそうです。
久々の再会だったので車の中でも盛り上がっていた中、手元が狂ったのか、かなりのスピードが出ていた状態で、道の脇のオブジェに追突したそうです。
同乗していた3人は重症を負いつつも意識があったためどうにか車から脱出してから互いの状況を確認しました。
その流れで運転座席を見ると、運転手だった仲間の体はシートベルトに固定されていましたが、首がなかったそうです。
どうやらエアバックが作動せず、ハンドルに激しく体を打ち付け、首がフロントガラスを突き破ってしまったのです。
3人はなんとか動ける状態でしたので、首を探しに各々フラフラと歩き出しました。が、どこを探して良いのかわからず、夜だったこともあり、相当の時間彷徨うように歩き回ったのだとか。
救急車と警察が到着してからも、3人は半ば茫然自失の状態のまま事情を聞かれたりして夜を明かしたそうです。
運転手だった友人の首はその後見つかったそうです。
話を聞いたAは、打ちひしがれている仲間に会いに行き、それから亡くなった友人の家にも行ったそうです。
Aは、「自分は確かに事故に遭わずに済んだ。自分が行っていたからといって事故が起きなかったかどうかは勿論分からない。でも急に行けなくなってしまったことに後悔の念もある。そんな恐ろしい目に遭った友人達に、負い目を感じずには居られない」と話していました。
Aがその話をしたのは事故から2年程経っていたと思います。
今は、Aとその仲間たちが事故のトラウマから少しでも立ち直っていることを願ってやみません。