【投稿者:ふゅちゃ丸さん】
これは私がまだ大学2回生だった頃の話です。
当時、私は通っていた大学の近くで塾講師のアルバイトをしていました。
その時仲良くしていたのは、Rという女の子でした。Rと私はカラオケが大好きなのでシフト終わりに駅前のカラオケへ行くことにしました。
その日案内されたのは420号室です。
私たちは特に何事もなく楽しみながらその日はカラオケを終えました。
2週間後、私たちはもう1度同じカラオケへ行く事にしました。
その時案内されたのは419号室です。私たちがいつも通り歌っていると、突然リモコンが動かなくなりました。
店員は色々試しましたが全く動きませんでした。
「完全に機械かリモコンのどちらかが壊れているのだろう」と判断し「同じ機種のお部屋に部屋替えをさせて頂きます」と別の部屋に案内されました。
そこは420号室でした。
「前もここに来たね」なんて談笑しながらカラオケを再開しました。
その日、Rは時々周りを見渡したりふと振り返ったりしていましたが、そういう事が多い子なので私は気にしていませんでした。
また3日後、今度はRと同じ大学のYと一緒に3人でシフト終わりにカラオケへ行く事にしました。
そしてまた案内されたのは例の420号室でした。
私は「この時間はここしか空いてないの?」なんて笑いながら部屋に入りましたが、Rだけはその時、引きつった笑いをしていました。
そしてカラオケを楽しみ始めて1時間ほどすると、Yが「この部屋に入ってから右肩が痛い」と言うのです。
そしてRは「やっぱりいるよね?」と返しました。
霊感のない私には全く気付いていませんでしたが、2人はとても霊感が強いらしいのです。
話を聞くと、Rの家は代々強い守神のような霊がいるので、悪い霊を払う事ができるのだとか。
Yは逆に霊を引き寄せるタイプで常に払わないと取り憑かれやすいというのです。
その後、何事もなく2人はカラオケを楽しむので忘れようと思いました。
しかし数分後、何とカラオケの画面が急に暗転したり乱れたりし始めました。
それだけなら接続の問題かと思うのですが、携帯の電波もなくなり、そしてスピーカーからは爪を弾くような「パチパチ」という音が聞こえ始めました。
私は怖くなり、泣き出しました。
Yもかなり苦しそうで、「ゔゔ…」と唸っていました。
すると、Rは何かをぶつぶつとよくわからない部屋の隅の上の方を見ながら呟き始めました。
そして最後にYの右肩を力いっぱい叩いたのです。
Yは一瞬、痛そうでしたが、すぐに楽な表情になりました。
そしてテレビの乱れやスピーカーのノイズは消え、携帯も使用できるようになりました。
Rが追い払ってくれたと言うのです。
それ以降、私は420号室に行くのが怖かったのでそのカラオケにはこの日以来行かなくなりました。
でも一昨日、久々に仕事の関係で大学の方面へ行く予定ができた、そのカラオケに行きました。
案内されたのは420号室。まだ、そこに導かれるのです。
コメントを残す