【投稿者:showheiさん】
私は某大学を卒業し、現在は病院勤務をしている者ですが、大学生時代に起こった恐怖体験をお伝えします。
ある秋の夜のことです。友人たちとハロウィーンの時期で仮装をして出かけよう。と言うことになりました。
私は医療系の大学に進学しておりましたので(医学部ではありません・・・笑)、授業などで長白衣(いわゆるお医者さんが来ている長い白衣)を使う時があり、家にも1着保管していました。
せっかくハロウィンなので全員で長白衣を着てメイクをして肝試しをしながら道ゆく人を驚かせよう。と大学生ならではのまとまりのない話をして、出かけることになりました。
さて、出かける先ですが、長白衣=医者=死者=ハロウィン=お墓。という思考回路になり、近所のお墓に出かけることにしました。
5人で車に乗り込み、アパートから5分程度車を走らせ目指していたお墓につきました。
そのお墓は道路に面しており山の斜面に作られた卒塔婆が立っているような、昔ながらのお墓です。横の道はカーブを描いておりその先にはトンネルがあるような立地です。
肝試しも兼ねていたので、車を駐車場に止めて、1人ずつお墓を回ってくる。ただ回ってくるだけでは面白くないので
・最初の人がお墓の敷地内のどこかにアパートから持ってきた人形を隠す。
・次の人は別の人形を持って、前の人が隠した人形を探す+持っていった人形を新たに隠す。
・見つけた人形は車まで持って帰ってきて次の人に渡す。(以下、繰り返し)
というゲームをすることにしました。
最初に始めた友人(A君)は人形を隠す事だけしか行っていないので、5人目のE
君が隠した人形をA君が探しだして終わりにする予定でした。
順調に全員が人形を探し、隠しを繰り返し、最後にA君が探す番になりました。
長い時間、探していたのですが「人形が見つからない!」と車に戻ってきました。
しょうがない。と言う事でE君がヒントを出して再度A君は人形を探し車から離れていきました。
また長い時間探したようですがやはり人形は見つからない。とA君が戻ってきました。
E君が嘘のヒントを言う訳がありませんし、なぜ見つからないのか少し気になった私たちは、Aに付き添うかたちで、人形を隠した張本人のE君と私の3人で一緒に探しに行くことにしました。
ところが、E君が隠した場所に人形はありませんでした。
隠した当事者であるE君もここに隠した。と言い張っていたため、にわかに3人に動揺が走ります。
そのことを報告しに車に戻り、残りの2人ともう一度敷地内をしっかりとみて歩くことにしました。
みんなで横に並んで見れば見落としもないだろう。と山の斜面の上から下りながら見ることとしました。
最後まで見つからず下の方まで下ってきた時に、、人形があったのです。
原因は分かりませんが、何かの拍子に転げ落ちたのかも、、しれません。
(ただ、そう考えるには位置的にちょっと無理があるような気もしました)
すこし不穏な雰囲気になりつつも、無事に人形を見つけたA君は少し安心したのか、手を上にあげ、ガッツポーズをするようなかっこで人形を掲げました。
その時です。
今まで1台も横の道を車が通らなかったのですが、車が1台走ってきました。そしてその車は「ギギィーーーーーーー」と急ブレーキを踏みながらカーブに差し掛かっているガードレールにぶつかったのです。
「ガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!」
ガードレールと車のボディーがすれる音があたりに大きく響き渡りました。
私たちはすぐ横でその光景を目撃していた訳ですが、『自分たちがこんな格好をしてお墓に立っていたから、運転手がたまたま私たちを目撃してしまい、驚き、事故を起こしてしまったのではないか』
瞬時にそう思ったのです。
悪い事をした、という思いと乗車していた方の安否も気になっため、私たちは白衣を脱ぎ棄て、すぐに車の状態を見に行くことにしたのです。
車のすぐそばまで近づいたのですが、車の中から人が下りてくる気配がありません。
周りが暗いので車の中ははっきりとは見えなかったのですが、二つの人影が車中で動いていたため、ひとまず私たちは安心しました。
ただその二つの人影は、近づいていく私たちの方を見ている感じではありませんでした。
むしろ進行方向であるトンネルの方を見ているような気がしたのです。
その直後です。
車は猛烈に急発進して一気にUターン。
トンネルには向かわず、来た道を戻っていってしまったのです。
「えっ!?」
唖然と見ていた私たちですが、あのトンネルに何かあったのかと、とても気になりました。
ですが、見渡してみても何もありません。
何か釈然としないような、とても奇妙な体験でした。私たちはその後、気はなりつつも大きく話題には出さない感じで、言葉少なめに家路に着くことに。
アパートに帰り、やはり事故の事がどうしても気になりました。
そのトンネルを調べてみることにしました。
すると、インターネットにはこう書いてありました。
昔、そのトンネル内で焼身自殺をした人がいたということ。そして、そのトンネルは女性の霊らしき目撃談が絶えない、かなり有名な心霊スポットである、ということ。
お墓には白衣を着ている謎の集団。そしてトンネルには、、、。
今となっては、あの時運転手が何を見たのかは分かりませんが、何かとてつもないものを見てしまったのでは、、、と思うのです。
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