【投稿者:芝猫さん】
大学4年生の夏、来年から社会人ということで比較的自由な時間があるうちに「最後にみんなで夏っぽいことしようよ!」って話になりました。
まぁ普通であればここで花火や祭りと考えるのが妥当なのかもしれませんが、なぜかそのときの私たちは「真夜中の海に行ってみよう!」と言う意味不明な好奇心にかられたのです。
目的地は…そう、心霊スポットとしても有名な「太東崎灯台(たいとうさきとうだい)」に決まりました。
今回は、そんな太東埼灯台で起きた心底恐怖に震えた心霊体験をお話ししたいと思います。
いよいよ出発当日の日
皆で綿密な計画を事前に立て、いよいよ出発当日の日がやってきました。
大学の講義が終わってからのスタートだったので既に夕方です。
友人7名、駅前で借りたレンタカー2台での旅となります。
1台目は私の運転で計3名、2台目には友達の運転で計4名乗車していました。
車を走らせること3時間余り。ゴールに近づいたとはいえ、目的地の太東埼灯台(たいとうさきとうだい)まではまだ少し距離があります。
お腹が空いたので現地のファミレスで空腹を満たしつつ目的地である太東崎灯台へ向かいます。(ただ、このファミレスへの寄り道が後々のよからぬ出来事に繋がるとはこの時は誰も知る由もありませんでした)
そしていよいよ到着の時。
少しというかかなり寄り道をしたせいか、太東崎灯台近くに到着する頃には時刻が23時をまわっていました。
太東埼灯台への道はカーナビを使えば直線上なのですが、実際には田んぼのあぜ道を通ったりぬかるんだ斜面を登ったりで、なかなかに難易度の高い場所だったように記憶しています。
いよいよ太東崎灯台に到着。現地の状況はこんな感じ
ここで現地の様子をまとめてみたいと思います。
- 太東崎灯台への道は広大な田んぼの先。街灯のない薄暗い公道を車のライトで照らしながら進む必要あり。
- 田んぼを越えると肉眼ではっきり分かるほどの山が表れる。その山の頂上に目的地の太東崎灯台が位置する。
- 入り口付近にはズタズタに風化したラブホテルの廃墟が点在、この時点で普段は人が寄り付かないポイントであることを察する。
- 山の入り口付近に赤く塗られた看板を発見。観察すると殴り書きで「くるな!!」の文字。誰かのイタズラだろう。
- 太東崎灯台は人のいない無人灯台。この時間帯は現地民でも足を踏み入れないような暗い小道(車1台分)しかない。
正直④の赤く塗られた看板を見たときは心が折れそうになりました。
進行方向右側に唐突に表れたものですから、来てはいけない所に来てしまったのではないかと……。
ただネットで調べた限りは太東埼灯台の前に広めの駐車場があると言うことなので、内心「まぁ平気だろう。」と考えたのです。
少し気がかりだったのは同じ車内にいたB君(岐阜出身のちょっと変わってるけど気の良い奴)の様子です。
なぜか後部座席から後ろの様子をずっと伺っているのです。
その時の私は「きっとB君は後続車の様子が気になっているんだな。」と軽い気持ちで考えていました。
目的地の太東崎灯台は真っ暗闇で何も見えず
目的地の太東埼灯台に到着しましたが、肝心の景色は何も見えません。
モヤがかった海の向こうに太東埼灯台の灯りがスポットライトのように照らすだけです。
海面が見えない恐怖と耳に伝わる海が崖に当たる音……。
スポットライトの先が底知れぬ海であることに不気味さを感じます。
後ろの車を運転していたS君が
「もう行かない?何もないし。」
と提案してきました。
全員異論はありません。
とりあえずこの場所から早く離れたかったので車に乗りこみます。
帰りは山道を下ることになるのですが、順番はさっきとは逆に友達が運転する車が先頭、私が運転する車がそれについていく形(Uターンの都合上)で来た道を戻ることにします。
気味が悪くなり太東埼灯台をあとにすることに…
下り始めると早々に、さっきまで気がつかなかった門が左側にあることを確認します。
おそらく太東崎灯台につながる通路がある門ではないでしょうか。
深夜とは言っても万が一人がいたら危険なので、確認しながら進みます。
すると突然、B君が狂ったように叫び始めました。
B君「早く進んでっ!早く!!」
私「落ち着きなよ。」
B君「早く!来るっ!くるなっ!!!」
私「進みたいけど前の車がスタックしてるみたいでなかなか進まないんだ……あれ、B君?」
B君は頭を抱え込んだまま車の床にうずくまっています。
ただ事ではない何かを感じたのですが、ようやく前の車が泥道から抜け出したみたいなので動き始めました。
3分ほど走ると右手に例の赤い看板があったのでなんとか出口に到達ですね。
前の車がどこに向かっているのか分からないまま追従することにし、ついたのは太東崎灯台から2キロほど離れたコンビニでした。
到着した途端、前を走っていた友達の車からS君が飛び足すように出て来て私の車に向かってきました。
S君「おい!何か見たか!?」
私「えっ?別に……ただB君が。」
B君もさっきよりは落ち着きを取り戻しています。
さっそくB君に一体何があったのかを聞いてみると……
- B君は山に入ったあたりから耳鳴りが聞こえるようになる。
- 駐車場につくも、気持ち悪くて車内で待機。
- 帰り道に門の当たりで人影を発見。特徴は全身が白く、身長は140cmくらい。髪型はおさげで90度直角に下を向きながらえぐれたような口(イメージするなら三日月)で笑っている。
- 後ろから這いずりながらついてくる黒い人影を発見。あまりの恐怖に「早く進んで!!」と叫ぶ。
- 黒い人影が後ろの窓に触ったので怖くなってうずくまる。
私も門のあたりはよく見ていましたが、全身が白い人影は発見できませんでした。
半信半疑で聞いていると、S君から驚きの話を聞かされます。
S君「実はこっちの車のK(友達)も同じ現象に遭遇したみたいなんだよ。」
「!?」
確かに車の中に座っているK君の顔がいつもより青ざめて見えました。
異なる車で同じ現象を見たとなると、いささか信憑性は高まります。
そしてその信憑性が恐怖に変わっていくのです。
実は私が見ていた先行車のスタックと思っていた現象……K君の話によるとちょうどそのタイミングで、K君たちの車にしがみついて引っ張ろうとする異様な人影が数体いたそうなのです。
つまりは泥沼にはまったのではなく、異様な何かによって、車が後ろに引っ張られて前に進まなかったことを意味します。
この話をK君から聞いたときは心底ゾッとしました。
まさか自分の車の目の前で、こんな恐ろしいことが起きていたなんて……。
実はこの恐怖体験はこれだけではありません。
みなさんはこの記事を読んでいてお気づきになったでしょうか?
さきほど登場した赤い看板です。
この看板は山を上がる際も下りる際も右側にありました。
本来なら山を下りる際は進行方向が逆になりますから…………。
ひゃ〜〜www
終わり方が最高笑。
ちなみに今回の舞台は千葉県いすみ市の「太東崎灯台」。ここ調べてみるとかなりのいわくつきのスポットのようで、あるわあるわ怖い系のネタ。
こういうところってなんとなく自殺者が多いイメージだけど、ここも例外ではないらしく自殺者が後を絶たないみたいです。
自ら火をつけて飛び降りたなんてちょっとサイコな出来事もあったみたい。
一方では夜景スポットとしても人気があるみたいで一粒で二度楽しめる的な(例えが悪い)
皆さんも機会があれば是非訪れてみてください。
(Appendix)太東埼灯台の基本情報
太東埼灯台の概要
太東埼灯台(たいとうさきとうだい)は、千葉県の太東崎に立つ白亜塔形(円形)の中型灯台。周辺は、南房総国定公園に指定され、太平洋や九十九里浜を望むことができる。現在の灯台は2代目で、初代は海沿いに建てられたが、海岸浸食で倒壊の恐れが出たために、100m後方の現在地に移築された。当初は有人灯台であったが、現在は無人化されている。海抜58mの高台に高さ16mの白亜の塔は、21海里先まで照らし、海の安全を守っている。
wikipediaより引用
太東埼灯台へのアクセス
所在地:千葉県いすみ市岬町和泉3508
- JR外房線太東駅下車、約4キロ。徒歩約45分。
- 駐車場:10台程度、国道128号線より灯台へ向かう道は狭路で、灯台手前は坂もきつく、乗用車のすれ違いも難しくなる。中型車以上は通行不可能。