【投稿者:Joeさん】
私は幼い頃剣道を習っていて、毎年夏合宿に行っていました。小学生から中学生までの20名ほどの生徒と、保護者10名ほどです。
午前午後と稽古を行い、夜はBBQなどをし、とても辛かったけれど楽しいこともたくさんの合宿でした。
そんな合宿の宿泊先は、先生の知り合いのお寺でした。そこは広大なお寺の敷地内にコテージがあり、女性はコテージ、男性は本堂に宿泊するといった形を取っていました。
もちろんお寺なので墓地があり、コテージや本堂からも見える形で、小さい子供達はそれはこわがっていました。
お寺だから出るかもよ、なんて始めの年に言われましたが、幽霊が出ることもなく毎年をすごしていました。
あれは中学一年生の夏の合宿。おかしな現象が起きたのです。
あれは中学一年生の年です。毎年恒例の夏合宿初日、本堂に寝泊まりした男の子が、夜、墓地から泣き声が聞こえたと言い出したのです。
しかし、他に誰も聞いた人はおらず、気のせいだろうという話になりました。が、翌日にはコテージで寝ていた女の子が、夜に窓をコンコンと何度も叩かれて怖くて眠れなかった、と言い出したのです。
毎年行っているのに今年に限って、何故。
それを聞いた先生は、面白がって肝試しをしようと言い出しました。もちろん、子供達は全力で拒否。
結局、半ば引きずられる形で、女性の私と一つ上の学年の男子生徒二人の計三人が先生と一緒に行くことになりました。
場所は、お寺から少し離れたところにある短いトンネルです。そこは見通しが良い一本道ではありますが、狭く、車一台が通れるほどのトンネルでした。何でも、昔、車の事故があり、時折幽霊が出る、と噂されているのだとか。
先生に強引に連れてこられた肝試し。そこで事件が起きました。
夜八時、皆に送り出され、夜道を歩く私たち。田舎で車通りもそんなに多くないため、電灯の数は少なく、薄暗かったのをよく覚えています。
そうしてトンネルまであとわずか、というところで、私達を驚かせようとしたのでしょう、突然わーっと大声をあげて走り出したのです。そのままトンネルの中へと消えてしまいました。呆気にとられ、その後は苦笑しながら、私たちもゆっくりと後を追いました。
そうしてトンネルを三人で並んで進んでいたところ、後方から車のエンジン音が聞こえてきました。
私達は端により、縦一列となって歩きました。横を通り過ぎて行ったのは、田舎では珍しい、真っ赤な車でした。それも結構なスピードです。ブーンという音を立てて、車は通り過ぎて行きました。
トンネルをくぐり終えると、そこには先生が待っていました。
ふと道の先を見ると、真っ暗で、車のライトが見えません。先述した通り、真っ直ぐな一本道で、奥の方までよく見えるはずです。さっきの車も、まだここから見えるはずです。
おそらく同じことを思ったのでしょう、男子生徒の一人が先生に、赤い車の中通りましたよね?と聞きました。しかし先生は笑って、いやいや通ってないよ、と答えます。
私達は先生が驚かせようと思っているのだと思ったのですが、なんども話すと、本当に車は通過していないというのです。
実は昼頃まで雨が降り、足元はぬかるんでいたのですが、たしかにタイヤが通った跡が見当たりません。
ゾッとして、そのまま道を引き返しお寺に戻りました。
翌日住職さんに話をすると、実は1ヶ月前、赤い車が事故を起こし、乗っていた人が亡くなったのだという話を聞きました。
この年以降は奇怪現象は起こりませんでしたが、あの夏の夜のことは今でも忘れられません。
来ましたねこれは。ガチなやつが。
私も幼い頃少年野球をしてたんだけど、毎年恐怖の肝試しさせられてたな〜って思い出しました。
近くの墓地でやってたんだけどさ、今思えばだけど、あれ大人は面白半分なんだろうけど、子供は冗談抜きで引いてるから。
ほんとやめたほうが良いよね絶対。よく聞くじゃないですか、霊に乗り移られてシャレならない状況になるってやつ。
でもまあ怖面白いってほんと好奇心が勝っちゃうからやめられないのはもちろん分かります。
じゃないとこんなサイト運営してないからね笑
今日の話は星4。すごい面白かった。
Joeさん次の投稿も期待してますよ。
編集長満足度:星4★★★★