【投稿者:JINCHANさん】
製薬会社に研究員として勤めています。
大手の会社であり、名前を言えばみんな知っている会社です。
その分、古い設備、古い建物が多く、私はその古いビルの2階の実験室で試験を繰り返していました。
その建物は築50年以上たっていて、設備も相当古くて、その為に実験の途中で機械が止まったり、場合によってはガスが漏れだしたりで人が二人ほど死んでしまったということもありました。
その為にその建物では昼夜関係なしでおかしなことが起きることがよくあるらしく、霊感の強いと言われる人は、頭が痛くなることがありました。
私は霊感が全くないので、そんなことは気にならなくてその日も深夜まで、居残りで実験をしていました。
11時をまわり、いよいよ居残り実験しているのは私だけになりました。
実験の終盤になり11時半になった時に、電力を様々な機械を使っていて過負荷になり、ブレーカーが落ちてしまい、突然真っ暗になってしまいました。
よくそのことは起きるのですが、いつも昼間なので落ちてしまったブレーカーを起こしに行くのも大変でした。
仕方なく。
真っ暗な中、壁伝いに進んでいると、居残って実験をしていて、停電に遭遇した人がいるらしく、ろうそくをかざしてこちらにきてくれました。
「落ちちゃいましたね、よくこれ落ちるのよね」と明るい声でその人は話しかけて来ました。
長い黒髪がろうそくのかすかな光で見えましたが、私の知らない人でした。
ちょっと嫌な感がありました。
そのビルで働いている人は8人しかおらず、全ての人のことを私は知っています。
よく見ると、来ている制服が見慣れない制服でした。
会社名が印字されていますが、それは今社名ではなくて、15年前の社名がくっきりと印字されていました。
少し震えが来ていましたが、一緒にブレーカーの所までたどり着きました。
復電して、それぞれ自室に戻りました。
私も自室の部屋の照明を元に戻して、あと少しのところで中断した実験を終わらせて、そくさと帰路につきました。
翌朝、出社して、1階の実験室に昨日の礼を古い作業委を着ていた女性に伝えようと訪問しました。
「また出ましたか・・・鈴木さんですね。
実験の最中に死んでしまった女性です。
自分が死んだのがわかっていないらしく、時々出てくるのです。
悪気が全くないから・・」と1階の実験室スタッフに言われて、しばらく私は震えが止まりませんでした。
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