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【ゾッとする話】いじめらっ子の友達

【投稿者:ユキさん】

コロナウィルスでお盆の帰省が叶わず、地元の男友達数名とでオンライン飲み会をしていた時の事です。(ちなみに私は女です)

その飲み会の最中に、ある友人の口から、懐かしい名前が出てきました。中学時代のクラスメイトの名前です。

そのクラスメイトに関する話を聞いた私は、昔を懐かしく思い出すといった心境にはならず、ただただ複雑な心境でした。

中学2年の時、私は友人の1人と一緒にいじめにあっていました。男子でありながら男らしさのかけらもなく、クラスでも目立たない存在であった私は、同じクラスの不良グループから格好のおもちゃとされてしまったのです。

最初こそ、容姿をからかわれたり、私の口調を滑稽な感じでモノマネする程度だったのですが、次第にいじめはエスカレートしていきました。ボクシングのサウンドバック代わりされたり、また高額でこそないものの、「借金」という名目でお金をせびられたりしました。

大人に相談するというような発想は、当時の私にはありませんでした。妙なプライドが邪魔をしていたのか、あるいは、大人に対する不信感があったのか、多分その両方だと思います。また私の通っていた中学はそれなりの進学校であったため、不良グループとは言っても内申点を下げる様なマネはしていませんでした。要するに、いじめの証拠になる様なヘマはしていなかったのです。

私にとっては本当に辛い日々でした。ですが、そのいじめよりもより気になる事がありました。一緒にいじめを受けていた友人のKの事です。Kは私よりも内向的な男子でしたが、だからこそストレスの発散が上手く出来なかったのだと思います。いじめられる日々が続く中で、Kの様子が次第におかしくなっていきました。

例えばある日の放課後、Kと一緒に二人で下校していると、Kは「あいつら(いじめっ子達)は○○な最期がふさわしい」とか、「あいつらがどういう死に方をすれば自分達が一番スッキリするか」、という話を始めるのです。

私はあえておどけた調子で笑いつつ話を合わせていましたが、Kは全く笑っていませんでした。私は、Kの精神状態が限界に近づいているのではないかと不安になりました。

特にKのSに対する怒りは相当なものの様でした。Sとは、不良グループのリーダー格の男子で、1番金をせびっていたのもそいつでした。Kの家庭がクラスでもかなり裕福な方であることを知っていたSは、「富の再分配」などとおどけながら、Kにお金を無心していました。上記の「どんな死に方が良いか」という話をしていた際、Sの死に様は他のいじめっ子達にまして残酷なものでした。

中学2年の3学期、Kが学校を休みました。いじめられていても休む事は珍しかったので、私がKにLINEで連絡をとると、Kからの返事は「サボり」という短いものでした。詳しいことを説明する気がないようだったので、私もそれ以上は尋ねませんでした。

翌日、Kは普段通り登校してきました。そして、いつも通り不良グループに絡まれていました。ただ、そこにSの姿はありませんでしたが。

それから2週間位経った後、放課後のHRの際に、担任の教師から話がありました。2週間経っても登校して来ないSについてです。Sの自室に書き置きが残されており、その内容から考えてどうも家出らしいのだが、一向に消息が掴めないため、心配したSの両親が学校や警察へ申し出たらしいのです。何か事情を知っている者は担任まで申し出る様に、との事でした。

私は内心、複雑な気持ちでした。Sの行方が分からなくなっているという事についての驚きや、このままSが学校からいなくなってくれれば…という不謹慎ながらも切実な願いなど、様々な思いが錯綜していました。

放課後、Kと一緒に下校した際、Sの話題を切り出しました。Kも私と同様の心境だろうと思ったからです。ところがKは、噴き出す様に笑い始めました。そのKの笑い方があまりに異様で気味が悪く、私はそれ以上何も言えなくなってしまいました。

中学3年になると、Kや不良グループとはクラスが分かれました。さらに高校進学もあいまって、その後Kとの交流は途絶えました。

大学進学に伴い上京し、東京で就職した私がKの名前を久しぶりに聞いたのが、そのオンライン飲み会でした。Kの名前を出した友人は、中学は別だったのですが、大学でKと同じゼミだったそうです。

その友人のKに対する評価は「ヤバい奴」でした。なぜヤバいのかというと、Kは「闇サイト」についてやたらと詳しく、良く「気に入らない教員をどうやって秘密裏に拉致し、葬り去るか」という話ばかりをしていた、と言うのです。

「ユキちゃんはKと知り合いなんだっけ?Kに連絡取ろうか?」とその友人に尋ねられましたが、私はキッパリと断りました。もうKとは関わりたくないと思ったからです。

ですがそのオンライン飲み会の後、その友人が私についてSNSを通じ、Kに話したらしいのです。その飲み会から2週間位経った後、KからSNSで私にメッセージが送られてきました。そのメッセージには新聞記事のファイルが添付されていました。その内容は、私の地元の山中で身元不明の遺体が発見されたというものでした。年齢は10代位の男性のものである、とのことでした。

Kからのメッセージは下記の様な短いものでした。
「いじめっ子の末路」