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【本当にあった怖い話】入ってはいけない山

FM都市伝説

【投稿者:峠の体験者さん】

今回は、鹿児島県指宿市にある私の実家の目の前にある、地元民の一部しかおそらく知らないであろう、『入ったらいけない山』のお話をさせて頂きたいと思います。

このお話は、私が中学生の時の話になります。

登場人物は、友達のM、そしてその弟のT、そして私の三人です。

この三人でよくつるんで遊んでおりました。

実家は、田舎の中の田舎で、山と畑と田んぼしかないような、へんぴな場所にあり、昔ながらの伝承といいますか、言い伝えの様な物が多少残っている地区です。

時期は夏休みでした。

普段は、川に泳ぎに行ったり魚釣りをしたりをして過ごして居たのですが、1か月以上もある夏休み・・・

いいかげん飽きてきまして、暑いから私の実家の斜め向かいにある例の山に行ってみようという話になりました。

その時は、その例の山の”いわく”などは3人とも知らず、かなり急な絶壁を、生えている木などに掴まり、どうにか全員登りきりました。

山は予想以上に涼しく、木々で覆われている為薄暗い、そんな印象でした。

当初は、絶壁の少し奥に腰を掛け談笑をしておりましたが、友人のMが『もっと登ってみようぜ、何かあるかも?』などと、言い出したので、正直、私は乗り気ではありませんでしたがMの弟のTも快諾した為、私も嫌々ながらついて行く事になりました。

山にはもちろんですが道らしい道は無く、木々の隙間を縫う様に登って行くと、先頭にいたMが

『おい!なんかあったぞ?!』

と同時に、その弟のTも

『なにこれ?』

と騒いでいたので自分も慌てて向かいました。

そこには、古めかしい石碑と、お供え物に使ったであろう、古いお椀がありました。

文字が何か掘ってあるようでしたが、あまりの古さに解読はできず、

『これなんだんだろう・・』

と私は少し興味がありましたが、友達の兄弟は興味がない様子。

そしてMが

『とりあえず疲れたから、ここで、休もうぜ』

と言い出したことからしばらくその場に座って談笑をしておりました。

気づくと夕方になっておりましたので急いで下山し、その日は特に何もなく解散しました。

私が自宅に帰ると、近所のおばさんと両親が玄関で話をしておりました。

私が、『どうしたの?』と言い切る前に、食い気味で父が『お前、あの山に入ったな?』とすごい剣幕で言ってくるのです。

中学の血気盛んな時期だった為、『入ったけど?何か文句でもあるの?』と返しました。

すると、両親、近所のおばさんが、急に冷静になり、

『あの山はね、入ったらいけない山と昔からいわれているんだよ』

『なんで?』

私は聞き返しました。

するとおばさんが

『理由はおばさんも聞いてはないけど、ただ、あそこの山に入ったり、木を切ったりしたら、必ず人が亡くなったり、大怪我をするんだよ』

おばさんは続けます。

『おばさんが知ってるだけでも10回くらいはその様な事があって、あの山は誰も入ったらいけない山として、大人たちは近づかないんだよ』

との事でした。

私は

『へー。でも何も起きてないし、今ぴんぴんしてるよ?』

と返すと、おばさんが

『1週間は気を付けなさい』

と厳しい口調で注意をされました。が、私はあまり気にはしておりませんでした。

翌日、また三人で川に泳ぎに行った帰りの話です。

自転車に3人乗りという無謀な乗り方をして帰る途中の出来事でした。

この際の状況をお話しますと、運転は私、後ろに弟T、前に兄M、という状況で自転車を3人乗りしていて、そのな状況の中にそれは起きました。

突然前輪が外れ、前に数回転し、自転車ごとアスファルトの地面に3人とも叩きつけられました。

一瞬何が起きたのか変わらず、その後強烈な激痛が両手、両足に走ります。

後ろに乗っていた弟Tは軽い擦り傷程度で大丈夫そうでした。

ただ兄Mは・・・・・。

アニメで眼球が飛び出るシーンありますよね? まさに、あのリアルバージョンで、眼球があり得ないくらい、飛び出て、ふらふらと歩いて何も言いません。 話しかけても無言です・・・。

さすがにやばい!と感じた私は、弟Tに『Mをみといてくれ!大人呼んでくる!』と言い急いで母を呼び、救急車で病院へ・・・。

そこで、例のおばさん、両親が、

『ほら・・・。なったでしょ』

『あの山に関わると、こうなるのよ』

『死なないでよかった』

母と例のおばさんは泣いていました。

よくよく思い返してみると、Mは例の祠に備えてある、古めかしいお椀などをいじって遊んでいたのを思い出し、もしかしたら・・・・と考えたりもしました・・。

田舎の風習、伝承など、今の現代社会ではあまり信憑性はないですし、山と事故との因果関係は分かりません。

ですが、自転車の前輪が外れる事なんて産まれて今までその時の、ただの一度きりです。

今回は、幽霊とかの話では、なく、田舎の伝承の様なお話でした・・・。

最後まで、ご拝読、誠に有難うございます。