【投稿者:skrさん】
地元には使われなくなってから長い事放置されている廃病院がありました。
産婦人科の個人病院なのですが、そこでは夜になると赤ん坊の泣き声が聞こえてきたり、女性の泣き叫ぶような金切り声がすると言う噂が流れていました。
その声は赤ん坊を死産してしまった母親の悲しみの声だとか、死んだ赤ん坊の泣き声だとか言われて居たのですが、分娩は行われていなかったらしいので誰かが適当に作った話だろうって感じではありました。
しかしながら、当時高校生だった自分と友人含めて6人は噂が真実なのかどうか興味本位で確かめに肝試しに行こうと言う話になりました。
山奥とまでは言いませんが少しだけ奥まった緑深い場所にあるので病院までの道のりも案外怖く、キャッキャ言いながら病院へと向かい。
廃病院に辿りつくと石か何かで割られている窓から中へと侵入。
6人で病院に乗り込みます。
玄関から直ぐが待合室、右手に受付、左手に倉庫やらベットの置かれた赤ちゃんルームやらトイレやらがあり、突き当たりには診察室があります。
誇りっぽく汚れた待合室には無数の注射器が落ちており、少し不気味な感じ。
まずはベットのある部屋を探索するも何も無く、そのまま倉庫へ入ろうとしたのですが鍵が閉められており入れませんでした。
部屋を出て、トイレと受付を軽く一望するも何も無く、ラストは診察所へと向かいました。
診察所も椅子やベットは置かれていますがそれ以外には何も無く、床に注射器が数本落ちている程度でした。
そこまで大きな病院では無かったので肝試しは僅か10分程度で終了。
ドキドキもワクワクもトラブルも無いまま、行きと同じ道を通って帰りました。
それから数日が経ち、自分たちが肝試しに病院へ向かった事を知っている母が血相を変えた表情で、肝試しの最中に誰かに会わなかったかと聞いて来ました。
特に誰にも会っていないと告げると母から、あの廃病院はコカインやら大麻やらの保管場所として使われていた事が発覚して数名の逮捕者が出たと聞かされました。
そして、その麻薬の保管に関係している人達が通報者は誰なのかを探して回っていると告げられ、廃病院に立ち寄った事がばれると危ないから誰にも言わないようにしろと言われ恐怖しました。
コメントを残す