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【怖い話】墓地の隣にある友人のマンション

【投稿者:りんごさん】

心理的瑕疵物件、いわゆる事故物件についてご存知の方は多いのではないでしょうか。
殺人事件が起きたり、自殺や孤独死、病死などが起きた部屋のことです。
法律で、その物件に心理的瑕疵の表記が義務付けられています。

ですが、事故物件は一度住民が住むと、心理的瑕疵の表記義務が無くなり、通常の部屋と同様に扱うことができます。

つまり、事故物件が事故物件ではなくなるのです。

最近、全国の事故物件をまとめたサイトが有名になりました。ご存知の方も多いでしょう。

また、あえて事故物件に住み続ける芸能人が話題になりました。その芸能人の体験談は書籍化され、映画化もされました。

わたしの現在の住まいは、何事も起きず平和に暮らしています。
しかし、わたしの友人の部屋が、どうにも「何か」があるような気がしてならないのです。

これは、実際にわたしと友人、その他の友人で体験した話です。

友人は、独身者向けマンションの最上階に住んでいます。
間取りは一般的な1Kで、部屋は南向きで陽当たりも良好です。
駅からも徒歩5分程の好立地です。

家賃は、部屋にもよりますが、その土地の相場より2万円ほど安く、築年数が古いのを加味しても「破格」と呼べるでしょう。

そのマンションは、南向きの部屋と北向きの部屋があります。
通常、陽当たりの良い南向きの部屋は、北向きの部屋より家賃が高くなることがあります。

しかし、友人のマンションは逆なのです。
南側の部屋だけ、家賃が安いのです。
しかも、北側の部屋と1〜2万円ほど差があるのです。

しかしそれには明確な理由があります。
墓地です。
友人のマンションの南側にはお寺があり、その奥にある墓地がベランダから丸見えなのです。
それが理由で南側なのに家賃が安いのです。

そのマンションには、調べても事故物件、過去に自殺や他殺はありません。

しかし、なぜか人が居付かない、入居してもすぐに退去してしまう部屋があるそうです。

その部屋は4階の角部屋の401号室で、ちょうど友人が住んでいる部屋の真下にあります。

友人は内覧の時、どちらの部屋も紹介されたそうですが、「最上階の方がいい」と今の部屋に決めたそうです。
バカと煙は高いところが好き、と笑い飛ばしていました。
今では友人がバカでよかったと思っています。
4階で起きた、とある現象を聞いてから、切にそう思いました。

ある休みの日に、友人はネットショッピングで購入した物品を受け取れるように部屋にいました。

しかし、午前中指定した荷物は15時になっても届かず、オートロックのマンションなので玄関まで降りてポストを確認すると、不在票が入っていたそうです。
インターホンが、故障していたのです。

次の休みの日に、マンションの管理会社から修理業者の方が来て、部屋のインターホンを取り替えてもらったそうです。
しかし、そのインターホンでも不調は直りませんでした。

修理業者が原因を調べると、原因は、401号室あたりからの配線の腐食でした。
4階から上の全ての階の1号室が、インターホンが繋がらない状態になっていたそうです。

故障だけなら、まだ配線を直してもらって済む話です。
しかし、友人曰く、この故障はおかしいとのことなのです。

腐食は、401号室の給湯器からの漏水が影響している、と友人は説明を受けたそうです。
しかし、この時401号室に人は住んでいません。

友人のマンションは、入居手続きをしないと、水道が出ません。
また、オール電化のため給湯器がありますが、電気も通っていないのに給湯器が動くはずがありません。
沸かす水も、沸かす電気もありません。
なのに、漏水は給湯器からだったのです。

漏水したこと自体、にわかには信じられない状況なのです。
実際に作業員の方も不思議がっていました。

友人も気味悪がっていましたが、「まあ別の階だからもう関係ないし!インターホン直ったからいいや!」と数日後には開き直っていました。

しかし、友人のマンションの奇怪な現象は、友人の住む部屋でも起こりました。

とある日、わたしとその友人、そしてわたしたちの同期の友人たちで飲み会をしました。

もちろん、新型コロナウイルスが猛威を奮っていたため、各自の家でリモート飲み会です。

旧友との久しぶりの再会に、画面越しではありますが近況報告や仕事の愚痴で大いに盛り上がりました。

この飲み会の時に、401号室の件を友人から聞きました。

その飲み会に参加していたみんなで「夜に怖い話やめろ!」「独身一人暮らしが8割の飲み会でその話はやめて、寝られない」とブーイングの嵐です。もちろんわたしもブーイングに参加しました。
もちろん、友人のマンションが墓地の隣ということは全員知っています。

時間が進み、そろそろお開きという頃合いで1人が言いました。
「誰か洗濯回してる?ゴンゴンという音がしている」と。
全員、心当たりがありませんでした。
しかし、全員が口を閉じると確かに「ゴン、ゴン」と物音がします。

zoomやLINEで会話機能を使ったことがある方はご存知とは思いますが、リモートで飲み会や会議をすると、発言した(音を出した)人が誰かわかるようになっています。

物音がしているのは、友人の部屋でした。
もちろん、洗濯機などは回していません。

「確かに音がする」と友人は言います。
音の正体を確かめるために友人は席を立ち、様子を見に行きました。
友人は部屋のドアを開け、廊下に出てドアを後ろ手で閉めました。

そのまま玄関の方に確認しに行ったのでしょう。
しかし、わたしたちは見てしまいました。
友人が閉めたドアが、ガチャン、と音を立てて開いたのです。

奥では、玄関あたりを確認している友人の姿がはっきり見えました。
友人が見えるまで、全開になるまで、ドアがひとりでに開いたのです。

わたしたちは酔いもさめる程恐怖しました。

後ろを振り向いた友人だけが「あれっ?閉め忘れた?」とけろりと言いました。

戻ってきた友人にドアの件を伝えたところ、「風圧で開いたんじゃないの?多分」と気にしていないようでした。
よくあることだから、と言って笑っていました。

笑った瞬間、「ドン、ドン」とひときわ大きく音がしました。

さすがに全員が凍りつきました。

友人は「お隣さんが壁ドンしてるのかもしれないね」と言っていました。
しかし、友人のマンションの部屋に遊びに行ったことがありますが、こんなに大きくドンドン鳴らすのは無理だと思うのです。

友人のマンションはRC造、鉄筋コンクリート造と呼ばれる造りです。
建築について詳しい方なら分かると思いますが、木造や鉄骨造と比べて、遮音性が高い造りです。
あんなに大きな音がするまで叩くとなると、鈍器か何かで叩かないと無理です。
隣の部屋は間違いなく壁ごと壊れます。
正直、現実的ではありません。

また、友人の部屋のドアですが、遊びに行った時に開け閉めをしましたが、風圧だけで開くほどドアノブは緩くありませんでした。

しっかり「ガチャン」と音がするまで閉めたら、そう簡単に開くはずないのです。
ふたたび「ガチャン」と、開けるまでは。

みな不気味に思いながらも、それでもそろそろお開きの時間ということで飲み会は解散しました。

皆で通話終了のボタンをタップし、終了したはずでした。

しかし、1人だけ、会話が続いているのです。
友人です。
友人の通話だけが終わっていないのです。
「通話、切り忘れてるよ!ひとりで通話してるの?」と聞くと、友人は言いました。
「通話終了を押したのに、終わらない。不具合かな?」と。

5分後、友人の通話終了通知が来ました。
本当に、不具合だったのでしょうか。

霊感のあるわたしの母は「その子は、たぶん霊感は無いけれど、色んな意味で強すぎて霊も手を出せない」と言いました。

霊は、恐怖を抱いた人間に対して強くなるそうです。
しかし、逆に、恐怖を全く感じていない人には何もできないそうです。

友人はいままで語ってきた通り、心臓に毛が生えたかのような人間です。
確かに、この友人には、霊は太刀打ち出来ないでしょう。

そして、母によると、友人は裏のお寺に護られているそうです。

墓場と聞くと、ホラースポットのように感じてしまいます。
しかし、実は逆で、お墓によってきちんと供養されているので、お墓に霊はほとんどいないそうです。
いたとしても、その霊は、きちんと供養され、その上で今生きている人を守ってくれるありがたい存在だそうです。

友人が最初、墓場の隣のマンションに住むよ!と言った時に「でも、お墓って言っても寺があれば墓場があるのは不思議じゃないし、お寺が隣にあるって清められてる気するじゃん?家賃も安いし、ありがたい。」と冗談混じりに話していたことを思い出しました。

友人は、お墓があることを恐れていません。
むしろ、お寺と、その墓に敬意を払っています。
おそらく無自覚です。
しかし、そんな友人に、霊は手を出せないのでしょう。

401号室は、今も住民はいないそうです。