アメリカ合衆国内で現在話題が再燃しているキーワードに、ディープステートが挙げられます。
ディープステートそのものは昔から存在する単語で、ネット上で闇の支配者としてその存在が噂される程度でしたが、最近ではBBCのような大手放送ネットワークまで特集を組むほど注目が高まっています。
多くのアメリカ人がその存在に改めて注目している、ディープステートとは何なのでしょう?ディープステートの目的とは何なのでしょう?
ディープステートとは?
ディープステート(Deep State)とは直訳すれば「闇の政府」という意味ですが、一般的には「国家内に存在するもう1つの国家」「正規の政府を闇で操る影の政府」という意味で使われます。
以前はネット上の一種のスラングのような扱いの単語でしたが、噂が噂を呼び共感が共感を呼んだ事で、現在では先述のようにBBCのような放送局でも特集が組まれるだけでなく、トランプ大統領自身も公の場でその存在を示唆する発言をするほど、アメリカ国民にとっても無視できない存在として注目を集めています。
ディープステートとトランプ大統領
ディープステートが国家内国家を意味する以上、アメリカ大統領であるトランプ氏との関連は密接です。
就任時から既存の官僚システムの打破を大目標に掲げるトランプ政権にとって、改革にあたり自分たちの利権を死守しようとする官僚集団は目の上のタンコブのような存在で、言い換えれば邪魔者そのものとも言えます。
そんな「自分たちの利権を死守しようとする集団(=エスタブリッシュメント)」をディープステートとして批判する事で、トランプ大統領自身が自らの支持率を上昇させようとの意図が見え隠れします。
ディープステートを実際に排除したトランプ大統領
トランプ大統領は自分と意見が合わない人間を躊躇なく排除する事でよく知られますが、2020年に政府要職にある人物を次々に解雇した際に、その理由をディープステート対策である事を示唆しており、ディープステートの存在が現実問題として脅威であると主張しています。
ディープステートの側から見たトランプ政権
アメリカ合衆国内において、官僚システムに代表される利権集団(エスタブリッシュメント)は、確かに存在します。
改革を志向するトランプ大統領の側からすると、ディープステートの打破はそのまま自らのイメージ上昇に繋がりますが、エスタブリッシュメントの側からすると、トランプ大統領の存在は邪魔者でしかありません。
邪魔者どころか自分たちの利権を侵害する、危険人物と認識をしていてもおかしくないと推測されます。
このような推測がディープステートの存在に信憑性を与え、その結果ディープステートの存在を信じ、ディープステートを民衆の利益を奪う社会悪として敵視する集団、Qアノンが生まれたのです。
Qアノンとは?
アメリカ合衆国においてトランプ大統領を信奉・礼賛し、ディープステートの存在を確信・敵視する極右集団が存在します。Qアノン(Q-Anon)です。
Q-AnonとはQ-Anonymousの略語と考えられています。Qは最初にこの話題について4chan(アメリカ国内の掲示板、日本でいう5ちゃんねるに相当)に投稿した人物のハンドル名で、Anonymousは「匿名」という意味です。
そのまま直訳をすれば「匿名者Q」といった意味合いになりますが、多少の意訳を加えれば、「匿名で真実を暴露するQ」といったニュアンスを含んでおり、ディープステートによる陰謀論を主張しています。
Qアノンの主張とは?
Qアノンの主張は大きく2つに代表されます。
1・アメリカ合衆国の正規政府は、ディープステートにより政権運営を妨害されている。
2.ディープステートに属する人間は、国家機密にアクセスし管理する権限を秘密裏に所有している(重大な権力を所有している)。
つまり、ディープステートに属する人間は、民主的な方法で選出されていないにも関わらず陰で政府を操り、結果として一般のアメリカ人の利益を奪い私腹を肥やしているというのが、その主張のメインとなっています。
勢力を拡大するQアノン
最初の内こそQアノンの主張は、突拍子もない陰謀論の一種としてまともに相手にされませんでしたが、コロナの影響により米国内が混乱するにつれその主張が受け入れられ、現在進行形でその勢力を拡大しています。
Qアノンはディープステートを構成するとされる、著名な政府高官・政治家・俳優をエスタブリッシュメントとして攻撃の標的としていますが、こういった人物を人身売買やクーデターの首謀者として名指しでやり玉に挙げる事で、エスタブリッシュメントを敵視する人間を、次々にQアノンの側に取り込んでいるのです。
ディープステートを敵視し、Qアノンを信奉するアメリカ人の特徴
このようにディープステートを敵視して、Qアノンを信奉するアメリカ人は日に日に増しているのですが、彼ら・彼女らにはトランプ大統領を熱烈に信奉しているという共通点が認められます。
トランプ大統領は反エスタブリッシュメントを明確にする政権なので、トランプ大統領を支持する人間の多くは、エスタブリッシュメントを敵視していると考えられます。
なぜエスタブリッシュメントを敵視するのかと言えば、エスタブリッシュメントに自分たちの利益を不当に吸い上げられていると考えているからです。
つまりトランプ大統領を信奉しているのは概ね、低賃金で働かされるといった具合に、アメリカ国内において現在苦汁を味わっている人間と考えられます。
満足度の低い労働環境に身を費やさざるを得ない理由は人それぞれでしょうが、いずれにしても現状の生活に強い不満を持っている人々が、ディープステートを敵視し、Qアノンを信奉していると考えられます。
ディープステートの目的とは?
Qアノンの主張によれば、ディープステートはアメリカ国内においてトランプ政権を打倒し、自分たちの利権を死守しようと企むエスタブリッシュメント(≒保守集団)で構成されているとされますが、そもそもディープステートの目的とは何なのでしょうか。
ディープステートの目的①:政権奪還
ディープステートが反トランプ集団である以上、トランプ政権で権力を失っている状況の転換、つまり政権を奪還し以前から持っている利権を死守するのがその目的と考えられます。
昔からの利権を守る事で、自らの地位や収入を回復・安定させるのが目的と考えられます。
ディープステートの目的②:アメリカ国内を混乱させる
ディープステートは陰の政府なので、表立って行動する事無く裏から手を回す手法を得意としています。
このような手法は誰の言っている事が本当で、誰の言っている事が嘘なのか分かりづらくさせるので、人々の心に疑心暗鬼をもたらします。
一般的に疑心暗鬼は、世の中に混乱をもたらします。世の中が混乱すればするほど、予期せぬ金儲けのチャンスが巡って来るビジネスが存在するのは、これまでの人類の歴史が証明する通りです。
それは武器商人と金融屋です。
ディープステートの目的③:国家を混乱させ大儲けを企図する
アメリカは銃の保有が合法なので、国内の治安が乱れるとその分、銃器の売り上げは上がります。
銃器を大量に製造するには設備投資を向上させる必要があるため、銀行などの金融機関から借金をしなければなりません。
つまりアメリカ国内が混乱すればするほど、武器商人や金融屋は儲かるのです。
また、国内の治安が乱れ民衆の不満が溜まれば溜まるほど、不満をそらすため民衆の目を国外に向ける必要が出ます。
そのため今後、戦争で儲かる人間にも利益を上げるチャンスが回ってくるかもしれません。
いずれにしても国家が混乱すればするほど、巨大なビジネスチャンスを掴む人間は確かに存在します。
そして、軍需産業も含めた武器商人や金融屋は、政治家にとって多額の寄付をしてくれる最大のお得意様でもあります。
まとめますと、国家が混乱すればするほど、政治家・武器商人・金融屋にとっては都合が良い側面があるというのが現実なのです。
ディープステートと日本の関係
ディープステートがエスタブリッシュメントであり強固な利権集団である以上、その構成員は古くから専ら権力者であり、日本と強いつながりのある人物も少なくないと噂されています。
プライバシーの問題もあるので実名の公表は控えますが、歴代内閣の主要な役職を務める人物や経済界の重鎮の中には、その子息にディープステートの構成員と婚姻関係があるとされる人物も少なくありません。
つまり、ディープステートの存在・思想・政策等はアメリカ国内に留まらず、日本にも強い影響力を行使していると推測する事が出来るのです。
ディープステートの真の目的は、世界を混乱させ大儲けする事では?
このように現在のアメリカにおいて、ディープステートの存在は単なる陰謀論では済まされない話題になっており、現実問題としてアメリカという国家を混乱に導いています。
ディープステートはアメリカ国内において、貧しい人々の不満を利用して社会的混乱を助長しているとも言えます。
いずれにしても、アメリカが混乱すればするほど、ディープステート側の人間にとっては大儲けのチャンスが巡って来るので好都合なのですが、アメリカの混乱はアメリカのみに留まらず、全世界に波及する事が容易に予想されます。
私たち日本人も対岸の火事と思っていると、気付かぬ内にディープステートに利用される可能性があります。
ディープステートの思惑に流されないよう、気付かぬ内に大儲けの道具にされないよう、常に注目し警戒しておく必要があるのかもしれません。
コメントを残す