【投稿者:心霊サラリーマンさん】
今思い出すと、「本当に馬鹿なことをしていた」と後悔で胸がいっぱいになりますが、中学生の一時期、私と友達は心霊スポットで写真を撮ることにはまっていました。
当時は携帯電話もデジカメも持っていなかったので、使っていたのは撮りっきりのレンズ付きフィルムカメラです。
私も友達も怖い話が好きで、「心霊スポットで写真を撮ったら幽霊が写るかもしれない」という安易な気持ちから、そういったことをしていました。
通っている中学校付近だったり、隣町だったり、数ヶ所の心霊スポットに写真を撮りに行きましたが、心霊写真が撮れたことは一度もありませんでした。
何度撮っても幽霊なんて全く写らないし、カメラ代やフィルム現像代でお小遣いが無くなってしまうのもあり、友達と「ここで撮れなかったら諦めよう」と話し合って、最後に、とある墓地へ行くことになりました。
その墓地は私の家の近くにあるのですが、前を通りかかる度に鳥肌が立つくらい怖い雰囲気がする場所なので、ここなら何か写るかもしれないと期待していたのです。
墓地についたのは昼間で、普段から人気のない場所ですが、その日はとくに閑散としていて私と友達しかいませんでした。
友達は墓地の異様な雰囲気に怯えていて、いつもだったら冗談をたくさん言う子なのに、その時は「何かここ怖い。1、2枚撮ってすぐ帰ろう」と言ったきり、黙ってしまいました。
私も墓地に入ったのはその日が初めてでしたが、得体の知れない怖さがあり、何も喋らないまま数枚撮影して終わりにしたのです。
次の日も学校が休みだったので、友達とフィルム現像店に行き、2台分のカメラの現像をお願いしました。
昨日の怖さをまだ引きずっていて、現像が終わるのを待つ間、私も友達も全く口を開きませんでした。
30分程待って現像が終わり、プリントした写真を受け取った時に店員さんが青ざめた顔をしていたので、「もしかして本当に幽霊が写っていたのかも」と思い、正直怖くて見たくなかったです。
でも、せっかく現像したんだから見ないともったいないので、「いっせーので」で友達と同時に袋から写真を取り出しました。
24枚撮りの撮りっきりカメラを使って、私は3枚、友達は2枚、墓地で写真を撮っていました。
友達の方の写真は、おどろおどろしい雰囲気があるものの、普通の墓地の景色が写っているだけでした。
しかし、私の撮った3枚中1枚に、おかしなものが写っていたのです。
そこに写っていたのは、首から上がない人でした。
黒いスーツにネクタイという服装だったので、男性でしょう。
墓地の一番奥にあった、表面に苔の生えたお墓を撮ったのですが、そのお墓に寄り添うように立っている様子が写っていたのです。
写真を撮った時、お墓のところに誰もいなかったはずですし、この写真を見る限り、生きている人のようには思えません。
まさか本当に心霊写真が撮れるとは思っておらず、しかも割とはっきり写っていたのが恐ろしくて、「見なかったことにしよう」と、近くにあったゴミ箱にプリントした写真もネガも捨ててしまいました。
心霊写真が撮れてから数日は、「あの写真に写っていた、首から上がない幽霊が目の前に現れるんじゃないか。取り憑かれるんじゃないか」と、怖かったです。
写真も、あれ以来何が写るか分からない恐怖から、全く撮らなくなりました。
ずっと不安の中過ごしていたのですが、心配していたようなことは何も起こらなかった為、そのうち写真のことは忘れてしまったのです。
恐ろしいことが起こりだしたのは、それから2ヶ月後です。
中学で運動会があり、両親が競技中の私の写真を撮ってくれたのですが、殆どの写真に、私に寄り添うように立っている首から上がないスーツ姿の幽霊が写っていたのです。
私は勿論ですが両親も驚いていて、しつこく事情を聞かれましたが、墓地で写真を撮ったことを怒られるのが怖くて何も言えませんでした。
恐怖はそれだけで終わりませんでした。
学校の行事で撮った写真にも、親戚の集まりで撮った写真にも、同じ幽霊が写るようになってしまったのです。
私が写っている写真に必ず首から上がないスーツ姿の幽霊が写り込むようになってから半年が経ち、私もとうとう限界がきました。
墓地でふざけて写真を撮ったことを両親に白状して、人伝手に聞いた心霊写真のお焚き上げが出来るお寺に行き、両親が捨てずに残していた心霊写真を供養してもらいました。
しっかり供養してもらったからか、それ以来、首から上がないスーツ姿の幽霊が写真に写り込むことはありません。
私のように安易な気持ちで墓地や心霊スポットで写真を撮ると、とんでもない目に遭ってしまうので、心霊写真をわざと撮ろうと考えているなら止めておいた方が良いです。