未来の出来事が書かれた予言書。1999年の7月に恐怖の大王がやって来て人類は滅亡する…というフレーズの「ノストラダムスの予言」が話題になったこともありました。
まだ見ぬ未来はどうなっているのか、いつの時代も気になるものです。実は日本にも、とある奇妙な予言書が存在します。
その名は「日月神示(ひつきしんじ)」。昭和時代に、神の啓示を受けて記された予言書だと伝えられています。なんと、第二次世界大戦の敗北といった予言を見事に的中させているのだそうです。
そして、近年注目されているのが、日月神示に書かれている予言の1つ「大峠(おおとうげ)」。
地震や噴火といった未曽有の大災害に見舞われるという予言であり、書かれた内容から、近い時代に起こるのではないか…と噂されています。
今後の未来がどのように描かれているのか…とても気になりますよね。今回は、日月神示に書かれている予言と未来に起こるとされる「大峠」について探っていきたいと思います。
謎の予言書・日月神示とは?
神からの啓示を受けて書かれた予言書
日月神示(ひつきしんじ)とは、昭和19年(1944年)から昭和36年(1961年)の間に画家・神道家である岡本天明(おかもとてんめい)が自動書記によって記した予言書のことです。自動書記…日常の中でほぼ耳にすることが無い言葉だと思います。オカルトやスピリチュアルに関係する話ですが、霊や神といった何か人間以外の存在に憑依されて、無意識的に文章等を記すことを指します。
日月神示の場合は、国常立尊(くにのとこたちのみこと)という神からのお告げを、岡本天明が書き記したと言われています。神が憑依して、そのお告げを書いた…という訳ですが、本当にそんなことができるの?と思ってしまいますよね。
なお、国常立尊は日本神話に登場する神であり、歴史書である「日本書紀」では最初に生じた神として登場します。大地を神格化した存在であり、国土を守護する神様なのだそうです。
日月神示の概要
日月神示は全52巻であり、うち13巻は現在も非公開になっています。岡本天明が自動筆記により記した文章は、漢数字や独特の記号、若干のかな文字の混じった文体で構成されており、抽象的な絵のみで書記されている部分もあり、そのまま読むことは非常に難解です。この原文は、神道の研究者や霊能者らによって解読され、それらは「一二三(ひふみ)神示」と呼ばれております。
ちなみに、日月神示の原文はかなり特徴的です。
「二二八八れ十二ほん八れ ㋹の九二のま九十の㋹のちからをあら八す四十七れる」
漢数字と記号が混じって何が書かれているのかわかり辛いですよね。これを解読すると、次のようになります。
「富士は晴れたり日本晴れ 神の国のまことの神の力を現す世となれる」
漢数字はひらがなに直して漢字に変換しています。そして、記号㋹は神という言葉に変換して読むことができる文章になりました。
第二次世界大戦中に行われた神降ろし
日月神示の自動書記が始まったのは昭和19年(1944年)。これは、第二次世界大戦中の真っ最中ですよね。実は、戦況を占うという試みから、この自動書記が行われたという背景があります。
昭和19年4月に軍部が戦況を占うことを目的に扶乩(フーチ)実験が行われました。扶乩(フーチ)とは中国に昔から伝わる神霊の御神意をうかがう占いのことで、二人が一組になって行う自動書記のことです。参加者は、岡本天明を含む日本の古代史を研究していた修史協翼会のメンバーや陸軍少将等でした。
この実験の結果、示されたのは「天ひつく」という文字だったそうです。当時、その時に降りた神の正体については分からず、天明自身も狐狸妖怪(こりようかい)の仕業ではないかと疑っていたそうです。後日になって、千葉県印旛郡公津村台方(いんばぐんこうづむらだいかた)【現・成田市台方】の麻賀多神社(まかたじんじゃ)の境内に「天之日津久神社(あめのひつくじんじゃ)」が存在することが判明します。「天ひつく」=「天之日津久神社」という意味だったのでしょうか。
その後、昭和19年の6月に岡本天明はこの神社を参拝しました。その際に、右手に急に痛みが走り、直感的に自動書記現象の始まりだと勘付いたそうです。元々、岡本天明自身が幼い頃から霊能力を持っていたため、自動書記の前触れだと瞬間的に気付いたのだと言われています。そして、このことをきっかけに、日月神示が書かれ始めました。
日月神示には、戦争に関する内容の他に、今後の未来のことや神や人間のことについて等、多岐に渡る物事が記されました。詳細は後述しますが、特に的中した敗戦についての予言と、今後起こる大災害についての予言に注目が集まっています。
大災害の予言は、その予兆や発生時期も記述されています。異常気象が前触れとして起こる、子の年の前後10年が大災害の正念場であり、人々は多くの苦難にさらされるといったものです。
近年、日本だけではなく世界各地で大雨や大雪といった気象の異変が観測されていますよね。これらは日月神示が記す予兆なのではないかという話があります。また、子の年である2008年、2020年、2032年の前後10年間が「正念場」の期間に当てはまり、近い将来、大災害が起こるのではないかと噂されています。
第二次世界大戦の敗北を的中させた
日月神示が的中させたという第二次世界大戦での日本の敗北。
次のように、日月神示には書かれています。
ドイツもイタリアもあてにならぬ、世界中一つになりて㋹の国に寄せて来るぞ。それなのに今のやり方でよいと思うてゐるのか。
wikipediaより引用
日本の国は一度つぶれた様になるのざぞ。一度は神も仏もないものと皆が思う世が来るのぞ。
東京も元の土に一ときはかえるから、その積りでゐて呉れよ。神の申したこと違はんぞ。
江戸が元のすすき原になる日近づいたぞ。
第二次世界大戦が終結するのは、昭和20年(1945年)。これらの予言が岡本天明の手によって書記されたのは、その前年の昭和19年です。
なお、文中に出て来る㋹は、日月神示の中でよく登場する記号です。これは、神や光といった意味があり、㋹の国は日本を指していると言われています。これらの文章は、日本が敗戦し、首都東京が空襲によって焼け野原になった様子を示しているそうです。
また、第二次世界大戦終結の2か月前には次のような文章が書記されます。
偉い人皆俘虜(とりこ)となるぞ。夜明け近くなったぞ。夜明けたらなにもかもはっきりするぞ。夜明前は闇より暗いぞ慌てるでないぞ。
wikipediaより引用
第二次世界大戦後には、政治家高官や軍事関係者が逮捕されますが、そのことを「偉い人皆俘虜(とりこ)となるぞ。」という文章で表しているそうです。
日本は戦争に負けてしまう…という、何とも苦い予言を日月神示は残しました。しかし、日本は敗戦ののちに復興するという内容も書かれていたそうです。そもそも日月神示が書かれるようになったきっかけは、軍による戦況の占いでした。そのため、「敗戦する」といった予言は、戦争中に陸軍将校らの間ですでに広まっていたそうです。
ショッキングな内容であったともに、敗戦後に日本は復興するということを知り、敗戦後に自決を思いとどまった人達もいたと言われています。
日月神示に書かれた「大峠」の予言とは?
未曽有の大災害が起こる!?
日月神示では、たびたび「大峠」と呼ぶ大災害に関することが予言されています。未来において、日本だけではなく世界全体が未曽有の大災害に見舞われるのだそうです。
今度は世界中、神神様も畜生も悪魔も餓鬼も外道も三千世界の大洗濯ざから、そんなチヨロコイ事ではないのざぞ。
wikipediaより引用
ぶち壊し出来ても建直し分かるまいがな。日本ばかりでないぞ、世界中はおろか三千世界の大洗濯と申してあろうがな、神にすがりて神の申す通りにするより外には道ないぞ。
大地震、ヒ(火)の雨降らしての大洗濯であるから、一人のがれ(逃れ)ようとて、神でものがれることは出来んぞ、天地まぜまぜとなるのぞ、ひっくり返るのぞ。
このように、日月神示では大峠について書かれています。地震、雷、火の雨、神でも逃れることができない…聞いただけでも、かなり大規模な災害のように感じますよね。
火の雨は、噴火のことでしょうか。元々、日本は地震大国と言われる程、地震が起こりやすい国ですよね。また、日本各地に火山も存在します。近年では大雨や大雪といった気象災害も毎年のように起こっていますよね。
これらのような今まで経験した災害よりもはるかに強いレベルの大災害が大峠なのだと考えられています。そんなことが実際に起こってしまったら…国全体が崩壊してしまいますし、世界は大混乱になるでしょう。
そして、大災害の危険因子として日月神示に予言されているのが「富士山」。
日本で一番高く、美しい山として知られていますが、いつ噴火してもおかしくはない活火山でもあります。日月神示にはたびたび富士山が登場しますが、噴火について書かれた箇所があります。
富士山は晴れたり日本晴れ、てんし様が富士から世界中に御稜威(みいづ)される時近づいたぞ。 富士は火の山、火の本の山で、汚してならん御山座から、臣民登れんやうになるぞ。
「江戸は何うしても火の海ぞ」当たりすぎる予言書『日月神示』が示す、2018年日本崩壊説!!」より引用
これは、富士山の噴火について書かれていると言われています。日月神示によると、富士山は汚してはいけない神聖な山なのだそうです。
平成23年(2011年)、富士山は世界遺産に登録されましたが、登山客の増加によるゴミ問題等で環境が破壊されているといった話も耳にします。神聖な富士山が汚されてしまった時、てんし様の御稜威=噴火が起こり清められ、人々は登れないようになることを、この文章で示しているのではないかと言われています。
なお、神の山である富士山の噴火は、日月神示が言う「大峠」のクライマックスであるとされており、次のような記述もあります。
富士の山動くまではどんなことにも耐えねばならんぞ。上辛いぞ。どんなことあっても死に急ぐでないぞ。
「江戸は何うしても火の海ぞ」当たりすぎる予言書『日月神示』が示す、2018年日本崩壊説!!」より引用
このように、富士山の噴火が起こるまでには辛い苦難が訪れると書かれています。その苦難とは、先程話に出たような地震等の自然災害かもしれませんし、疫病といったそれ以外の脅威かもしれません。
また、日月神示では日本が他国から攻められるととれる記述も存在するため、戦争である可能性もあると噂されています。
大峠の予兆
実は、日月神示には大峠の予兆に関しての記述も存在します。それらが起こり始めた時、いよいよ危険だということですね。
日月神示によると、まず太陽が複数個見られる様になるそうです。太陽の色は黒く、月は赤くなり、空も赤く染まるのだといいます。太陽が複数個見られるとは想像がつきにくい事態ですが、超新星爆発により太陽並みに明るい星が表れることではないかとも言われています。こういった天空の異変には十分に気を付けるようにと、日月神示では注意書きがされているそうです。
また、北から攻めて来る時がこの世の終わりの始まりになるとも書かれており、これは軍事的な攻撃のことではないかと考察されています。
その他には、気象の異変も挙げられています。夏に雪が降ったり冬に桜が咲いたり、寒いところが暖かく暑いところが涼しくなる…といった気象やそれによる生態系の異変等も予兆なのだそうです。
近年、日本だけではなく世界各国で異常気象が起こっていますよね。寒いことで知られる南極で18度という過去最高気温が観測され、暑い地域であるサハラ砂漠では雪が降りました。日本では数十年や数百年に一度といった強いレベルの大雨や大雪が毎年のように発生し、夏場は気温が40度近くになることも珍しくなくなりましたよね。一説には、地球温暖化の影響や氷河期の前触れではないかといった噂もあるようです。果たして、この気象の異変は日月神示にある大峠の前兆なのでしょうか…
また、以下のような記述もあります。
世界の片端、浜辺からいよいよが起って来たぞ、夜明け近づいたぞ。
世界の片八四(片端)浜辺からいよいよが始まると知らしてあること近うなりたぞ、くどい様なれどさっぱりと洗濯してくれよ。
この世始ってないことが出てくるのぢゃ、世界の片はし(片端)八まべ(浜辺)からぞ。
wikipediaより引用
一体何のことだ?と思う方もいると思います。「浜辺」という言葉が何回も出てきていますね。これらの記述は2011年に日本で発生した東日本大震災や、2004年にインドネシアで発生したスマトラ沖大地震といった大災害を指しているという説もあります。
浜辺からの災いは地震によって引き起こされた巨大な津波や水害を指しているという訳です。
子の年の前後10年が正念場
大峠と呼ばれる大災害がいつごろ起こるのか、気になるところですよね。時期に関して、日月神示には「子の年、真中にして前後十年が正念場。世の立て替えは水と火。」といった記述があります。子の年とはねずみ年のことですが、それにあたるのが2008年、2020年、2032年のどれかではないかと言われています。それらの年の前後10年が大峠の正念場とする解釈が広がっているようです。
2008年にはリーマン・ショックという経済危機が発生し、2011年には東日本大震災が起こりました。また、それ以外にも日本各地で地震や大雨、噴火といった自然災害に見舞われています。2020年には、ウイルスによる感染症が世界各国で広がり、多くの人々の生活に影響を与えました。また、災害ではありませんが年号が平成から令和に変わるという大きな変化もありましたね。
日月神示が示す子の年がどの年なのかははっきりしていませんが、2008年と2020年という説が濃厚です。確かに、それらの年の周辺では大きな事件がたくさん起こっていますよね。
また、日月神示の「世の立て替えは水と火」という記述は、水と火の災害のことを指し、津波と原発事故が発生した2011年の東日本大震災を意味するという考えもあります。
そして、日月神示には、大災害により何もかもが三分の一になると書かれています。これは、世界の人口が三分の一になるという解釈が一般的です。現在で言えば、世界人口は70億人ですので、その内46億人が亡くなって24億人が生き残るということですね。
かなり大規模な災害だと思われますが、どうすることもできないのでしょうか?日月神示には、この大災害の時代を生き抜くには魂を磨いておかないといけないと書かれています。高い精神性が必要という訳です。かなりの苦労を味わう時代、並大抵の心では乗り越えられないということを伝えているのかもしれません。
さいごに
神の啓示を受けて、それを自動書記する形でできあがった予言書・日月神示。特に注目されているのは大峠と呼ばれる大災害の予言です。太陽や月等の天体の異変や、気候変動といった予兆を経て、地震や富士山の噴火といった未曽有の大災害が起こるとのことです。
近年、日本のみならず世界中で異常気象が観測され、地震といった災害も頻発していますよね。それらは日月神示の予兆の内容と重なっており、近い内に大峠が本当にやって来るのではないかと噂されています。
実際、南海トラフ地震を危険視する声や、地震によって富士山の噴火が誘発されるといった話も耳にするようになりました。そういった大規模な災害のことを、日月神示は予言しているのかもしれません。また、大峠は災害だけではなく、疫病や戦争といった可能性もあると言われています。
どれをとっても、現在の情勢を思えば十分起こり得ることです。あくまでも予言ですが、大峠がいつか来るかもしれないと心構えをしておいた方が良いのかもしれませんね。