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【ゾッとする話】助けてください。。(心霊体験/怖い話)

【投稿者:renさん】

とあるチェーン居酒屋でアルバイトをしていた時に起きた心霊体験です。

ある時、「A店の人手が足りないから明日ヘルプに行ってくれない?」と、店長に頼まれました。
A店は、幽霊が出るから人が入ってもすぐ辞めていくとバイト間で噂になっている店舗で、内心「そんな変な噂がある店に1日だけとはいえ行きたくない」と思っていたのです。
しかし、店長が何度も頼んでくるので、渋々引き受けてしまいました。

翌日の夕方過ぎにA店へ行くと既に満席状態で、ヘルプに来たことをとても有難がられました。
すぐ制服に着替えてお店へ出て接客をしていると、ふいに後ろから嫌な視線を感じたのです。
振り返っても、そこには壁があるだけで誰もいません。
幽霊が出るという噂を思い出して、恐怖で叫び出しそうになりましたが、何とか堪えて接客に戻りました。

接客中に視線を感じたのは、この1回だけではありません。
何度も何度も、後ろからじっと見られている感覚がありました。
振り返っても誰もいないか、お客さんが居たとしてもこちらを見ておらず、「やっぱりこの店には幽霊がいるのかな」と、不安になりながら業務をこなしていたのです。

恐ろしい体験をしたのは、あと数十分で退勤という時です。
お客さんのオーダーを取っていたら、近くから「すみません」と、店員を呼ぶ声が聞こえました。
すぐに「はい、今伺います!」と返事をして辺りを見渡しましたが、店員に用事がありそうなお客さんが見当たりません。
聞き間違いかと思っていると、また「すみません」と、声が聞こえたのです。
なので、近くの席のお客さんかと思って「先程お声がけいただきましたか?」と聞いたのですが、「呼んでない」とのことでした。

(おかしいな、確かに聞こえたのに)そう思っていたら、再び「すみません」と聞こえました。
誰か悪戯しているのかと思って半ばイライラしながら「はい!」と返事をして声が聞こえた方を見ると、壁に半身がめり込んだ、スーツを着た男の人がいたのです。
男の人は苦悶の表情を浮かべていて、私が見ているのに気づくと、「すみません、助けてください。すみません、助けてください」と、同じ言葉を繰り返しました。

目を疑う光景に思わず後ずさると、男の人は壁から出ている方の腕を妖怪のろくろ首のように、にゅ〜っと長く伸ばし、私の手首を掴んできたのです。
そして、「助けてください、助けてください」と言いながら、抗い難い強さで壁の方へと引っ張りました。
ぐいぐい引っ張られ、とうとう私の手首の先が壁の中にめり込んだ瞬間、私は力を振り絞って男の人の手から逃げました。
すると、男の人は恨めしそうな声で「後もうちょっとだったのに…」と言い残し、壁から出ていた半身がスーッと消えたのです。

男の人の半身がめり込んでいた壁を呆然と見つめていると、A店の店長から「○○さん、お疲れさま。忙しいのも落ち着いたし、もう上がっていいよ」と声をかけられました。
ハッとして店長を見つめ、さっき見たことを伝えようとしたのですが、パクパクと口を動かすだけで言葉が出てきません。
私の様子を見て事情を察したらしい店長は、「…ああ、見たんだね。まぁ、今日見たことは忘れた方がいいよ」と慰めの言葉をかけて厨房へ行ってしまいました。

すぐタイムカードを押して、従業員用の休憩室に戻って着替え、急いで店を出て家に帰りました。
寝ようとしても、壁にめり込んだ男の人の苦しそうな表情と恨むような声色を思い出して眠れなかったです。

翌日は、いつもの勤務先への出勤だったので早めに行って、A店へのヘルプに何度も行ったことがある先輩に、昨日あったことを話しました。
すると、先輩もあの男の人の幽霊を見たことがあるようなのです。
壁から出ている片方の手で手首を掴まれそうになったので身をひるがえして逃げると、男の人は舌打ちした後、消えてしまったのだそうです。

店長や他のバイトの人達にも、あの男の人について聞きましたが、結局誰も、どうしてあんな幽霊が出るのか知らないようでした。
何度も感じた嫌な視線はきっと、あの男の人のものだったのでしょう。
店の従業員には声が聞こえたり姿が見えるのに、お客さんには一切それがないというのも不思議でした。

そんなことがあったので、そのバイト自体が嫌になり、それから1ヶ月後に辞めてしまいました。
A店は今もまだ同じ場所にあるようですが、未だにあの男の人の幽霊が現れ、助けを求めているのでしょうか。
あのまま壁の中に引っ張り込まれていたら…、どうなっていたのでしょう。