殿堂入り都市伝説はこちら!

【怖い話】こっくりさんが原因でとある小学校が廃校になった話|都市伝説

FM都市伝説

【投稿者:片目の子猫さん】

コックリさんをご存知でしょうか?
“コックリ”を“狐狗狸”と書くこともあります。
つまり、キツネ、イヌ、タヌキということです。
どれも霊能力の強い動物です。
これらの動物のように、霊を呼び出す秘術がコックリさんなのです。

秘術とはいっても、かなり簡単に出来るものです。
どういうふうにやるのか、と言いますと。
紙に、“はい、いいえ、男、女、0から9までの数字、あいうえおの五十音表、鳥居”を書きます。
これを机の上に置き、紙の上に硬貨を置いて、参加者全員の人差し指で硬貨を押さえます。
精神を集中して全員で「コックリさん、コックリさん、お出で下さい」と言います。
コックリさんが出ると硬貨が動きます。
みんなが押さえているのに、硬貨が動いてしまうのです。
この後、占いたいことを聞くと、自動的に硬貨が動いて答えを教えてくれるのです。

例えば、「明日の英語の試験で出るのは何ページですか」と質問したとします。
そうすると、みんなが押さえているにもかかわらず、硬貨が紙の3の字のところへ動くのです。
これで「3ページから出る」と分かるわけです。
最後に、「コックリさん、コックリさん、お戻り下さい」と言うと、硬貨は鳥居に移動し、これでコックリさんは帰るのです。

ちなみに、最後にきちんと「お戻り下さい」と言って帰さないと大変なことになるとのことです。
紙は和紙がよく、字は墨で書き、鳥居だけは血で書くのが正式とされています。
また、硬貨は銀貨でないと効果がないとのことです。

コックリさんの起源は15世紀ころのヨーロッパだといわれています。
元々はドルイド教の霊を呼び出す儀式だったそうです。
日本には19世紀に入ってきました。
日本独自の宗教文化の影響を受けて“狐狗狸”となったのです。
それから今日まで、コックリさんが行われています。
とくに、1970年代に小学校や中学校で大流行したとのことです。
社会問題にまでなったとのことですが、私の生まれる前のことなので、よくは分かりません。
ただ、私が学生時代に、教育実習したときに次のような話を聞きました。

東京に隣接するある市に、市立の“〇〇北中学校”と“〇〇南中学校”という2つの中学校がありました。
あるとき、南中学校が廃止され、北中学校に統合することになりました。
その市に住んでいる人なら誰でも知っていることがありました。
この統合が実現すると、実力者の市会議員Aに多大なメリットがあるのです。
市会議員Aが私利私欲のために統合を計画した……、とはすぐに思いつくことでした。
でも、統合について野党から反対は出ませんでした。
ジャーナリズムにしても、市会議員Aの黒い疑惑、のような新聞記事は出ませんでした。
なによりも、南中学校が廃止になれば不便になる生徒や父母からの反対がなかったのです。
誰もが反対せず、すんなりと南中学校は廃止になったのです。
なぜでしょうか?
統合にはコックリさんが関係している、と分かっていたので誰も反対しなかったのです。
市会議員Aが私腹を肥やすための統合ではなかったのです。

話は、統合の1年半前にさかのぼります。
南中学校の科学準備室でのことでした。
科学準備室は、校舎の隅にあり、普段は使っていない部屋です。
それだけに、先生方はこの部屋を注意していました。
不純異性行為にでも使われたら大変だ、ということです。

その日——。
放課後に、先生が校舎を見回っていて、科学準備室へ来ました。
耳をすませると、部屋の中でブツブツ言う声が聞こえます。
先生が、「まさか?」と思って扉を開きました。
うすぐらい部屋の中では、4人の生徒たちがコックリさんをやっていたのです。
このとき、紙は普通のノートの紙でしたが、硬貨は古い百円銀貨を使っていたとのことです。
それはともかく、コックリさんの遊びは生徒に悪影響を与える、という通達が来ています。
先生は大声を出しました。
「おまえたち、それは駄目だ、やめろ」
生徒たちは、じっと下を見たままです。
先生は生徒の肩を押しました。
「やめるんだ」
生徒は低い声で言いました。
「分かりました……」
でも、下を見たままです。
「おい、どうした?」
「コックリさんがおいでになったままですから……」
「何だ?」
「コックリさんを帰さないと……」
「バカなことを言うな」
先生は、鳥居などが書いてある紙をひったくりました。
「あっ、先生、駄目ですよ」
「うるさい」
先生は紙をビリビリに破きました。
「そんなことしたら……」
「さっ、準備室を出ろ。家へ帰るんだ」

その夜から、コックリさんに参加した生徒たちに異変が起きました。
夜中に飛び起きて、「コックリさんが来た」と言うのです。
あるいは、一晩中うなされていることもありました。
夜寝るのが怖い、という生徒もいました。
昼間の授業中、「あっ、あそこにコックリさんがいる」と叫ぶこともあります。

こうして、コックリさんに参加した生徒たちは明らかに異常になりました。
そして、半年後には、ほとんど痴呆の状態になりました。
もちろん医者に診せたのですが、医学的な原因は見つかりませんでした。
医者は、受験勉強のプレッシャーのせいだろう、としか思わなかったのです。

彼らだけではありませんでした。
コックリさんをやっていた紙を先生が破った。
だからコックリさんはまだ学校にいる。
こういう噂が学校中に広まりました。
そして……、とうとう、生徒たちがコックリさんを見るようになったのです。
廊下の先——。
トイレの入り口——。
教室の黒板の横——。
後ろにいるのが友達だと思って呼びかけたら——。
などなどです。
この学校にはコックリさんが棲んでいる、と生徒たちは怖がりました。

もちろん、学校としても黙っていたわけではありません。
コックリさんを見た、というのは光の加減での見間違えだ。
友達を怖がらせるような噂話をしてはいけない。
などなど、をことあるごとに指導しました。
しかし、生徒の間の動揺は収まりません。
「先生、私、白い影を見たんです。嘘じゃありません」
「先生、トイレが怖い。誰かが潜んでいますよ」

父母の間にも動揺が広がりました。
コックリさんに半信半疑の者もいましたが、生徒たちが怖がっている、というのは捨てておけません。
なによりも痴呆になった生徒が現実にいるのですから……。
これ以上痴呆の生徒が出たら大変だ……。

そうこうするうちに、コックリさんを見つけた先生が退職しました。
表面上は、手のかかる生徒たちを相手にしたことによる精神的疲労、ということなのですが……。
最後のトドメは校長でした。
校長室で執務中、机の向こうに白い影が立ったのです。
当たり前ですが、校長は一人前の大人で、しかも管理職にある常識人です。
コックリさんの存在など、一瞬たりとも信じませんでした。
でも、目の前に白い影があるのです。
そしてそれは、机を素通りして自分の前に来て、そのまま素通りして窓の外へ消えました。

校長は、廃校を計画しました。
市会議員Aに相談し、北中学校へ統合することになったのです。
でも、まさかコックリさんのために統合する、とは言えません。
市の予算の関係で、というような理屈を付けたのです。
市の与野党議員は、本当の事情を知らされていましたので誰も反対せず、満場一致で統廃合が決定しました。
ジャーナリズム関係者も、痴呆になった生徒たちもいるし、仕方がないな、と思ったのです。

これ、埼玉県で実際に起きた出来事です。
現在でも、南中学校の建物は廃墟となって残されています。
そして、いまでもコックリさんが棲んでいる、という噂が流れています。

信じる信じないは、あなたにお任せ致します。

Amazon電子書籍 好評販売中!

Kindle Unlimited会員は無料でお読み頂けます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です