この世界には重力の法則という絶対的な法則が存在しています。
我々の生活はおろか、宇宙そのものがその重力の法則によって縛られており、それを考慮することがなければ何も出来ないのです。
巨大ロボットを作ろうにも、重力による自重を支えきれずに自壊して、立ち上がることも出来ません。
空を飛ぼうにも、重力の法則を乗り越えなければ待っているのは無残な死だけです。
宇宙に飛び出してもなお、人は重力の法則によって縛られており、それを考慮しなければ宇宙で活動することはおろか、地球へと帰還することすら出来ないのです。
ありとあらゆる創作物や人間の空想、もっと言えば夢と言われるそれは常に重力の法則によって阻まれてきました。
しかし、重力の法則が有るからこそ、我々は地球上でこうして暮らしていけてもいるのです。
重力がなければ顔を洗うときすら命がけです。
と、このように人間にとって最大の宿敵であり、同時に恩人でもあると言える重力の法則ですが、本来絶対的である筈のそれが通用しないとされている場所が存在しています。
それこそがオレゴンの渦と言われる場所です。
オレゴンの渦とは
名前の通りアメリカ合衆国オレゴン州に存在しているのですが、その成り立ちからして異常です。
周囲は深い森に覆われているのですが、その森を構成する木々は全て中心を向けて傾いて伸びていっているのです。
アメリカは元々ネイティブアメリカンが暮らしていた国なのですが、彼らはそのオレゴンの渦を悪魔が住まう場所であるとおそれて、けして近づかなかったそうです。
しかし、アメリカがゴールドラッシュに沸く1890年台になって、金を求めた開拓者たちがオレゴンの渦に侵入、そこに一軒の家を建てたことから、オレゴンの渦は有名になっていきます。
建てられた小屋自体は何の変哲も無かったはずですのに、どんどんとそれが歪み傾き始めたそうなのです。
実際小屋は外観のみならず、その内部を支える柱ごと無残に傾いてしまっています。
本来ならば傾きすぎた小屋は重力の法則によって、その自重を支えきれずに自壊してしまいます。
しかし、オレゴンの渦の小屋は崩れることなく100年以上にもわたって存在し続けているのです。
それはすなわち、オレゴンの渦においては重力の法則が通用していないことを意味しています。
その場所では手に置いたほうきが倒れることなく立ち続けていたり、大きく傾いた状態で人間が立ち続けることが出来るのです。
その他に類を見ない特異な作りによって、オレゴンの渦は観光地として多くの人が訪れているのです。
それどころか、世界中に知られているミステリーハウスという類いのアトラクションは、このオレゴンの渦から始まったとされています。
恐るべき場所ではあるのですが、観光地として盛んになっているのですし、案外行ってみれば楽しいかもしれませんね。
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