【投稿者:峠の体験者さん】
今回は、『黒い死神』のお話をさせて頂きたく、筆をとさせて頂きました。
この話は20代の中頃に体験した話になります。
その日は、丁度実家に集まる用事があり、車で実家に帰る途中でした。
今ではきれいに整備され見晴らしの良い峠になっている、鹿児島県のあ◯ん峠で実際に体験した話になります。
幼い頃から両親に、「あの峠はいわくつきの場所だから気をつけるように」と聞かされていましたが、当時の私はそんな話は全く信じることなく、適当に聞き流していました。
話は戻ります。
いつも通りなれた、その峠をいつも通り車で走り、ちょうど頂上付近に差し掛かった時です。
かなり前方の右歩道付近に、なにか黒い人?のような物が見えました。
その時は昼間で、遠目で見た感じでは普通の黒い服を着た人に見えました。
私は特に気にもせず「人家もないこんな峠をよく歩いてるなあ」と何気なくそんな事を考えながら車を進めます。
徐々に近づいてくるその黒い人影。
私は、その人影が急に飛び出してきたりしないか、念の為速度を緩めて黒い人の横を通過します。
「こんな山道を歩いてるのってどんな人なんだろう?」
なんとなく気になりサイドミラーとルームミラーでその黒い人影のほうに目をやりました。
すると、いない?!
ミラーに映っていない?!「えっ?」
思わずブレーキを踏み車を停車させ、座席上から振り返って後ろを確認しました。
すると・・・・いたんです。
へ?!いる?
ですが、再びミラーを見ると、、うつってない?!
なに?!これ?!
一瞬恐怖を感じた瞬間、その黒い人影がこちらに顔を向け、そのままゆっくりと向かってきました。
私は半ばパニック状態になり、ミラーをみたり、目視したり、意味が分からずその黒い人影から目が離せなくなりました。
それは、徐々にゆっくりと、でも確実に、近づいてくるのです。
気が動転しつつも我に返った私は急いで車を急発進させ、峠を駆け抜けました。
その後は何事もなく、どうにか実家に無事帰ることが出来ました。
後日談ですが、母にその話をした所、
「あ◯ん峠は今でこそ綺麗に整備されているけど、一昔前までは木々がうっそうと生い茂っており、車が谷底に落ちる事故が多発する不気味な峠だったからね。昔からいわくのある峠だから充分気をつけなさい」
と言われました。
以前から『白い女性の目撃例』はあったらしいのですが、今回の私が見た『黒い人影』のような目撃例は両親も聞いたことがないと言っていました。
結局、あれがなんだったのかは未だに分からずじまいです。
私はあれを『死神』と呼んでいるのですが、鏡には映らないのに肉眼では見えるという衝撃的な体験で、その時の恐怖は未だに脳裏に焼き付いています。
この様な恐怖体験をする前までは、私は幽霊の類はまったく信じていませんでした。
正直小馬鹿にしておりました。
しかし、自ら体験すると、信じるしかないという状況になってしまいます。(今でもうまく整理はできていないのですが。。)
長々と失礼致しました。
これが私が、20代の中旬に体験した話になります。