【投稿者:あきおさん】
私が子供の頃、実家の前にプレハブ小屋がありました。
その小屋は作られてからかなりの年月が経っている様子で、鉄の部分はひどく錆び付いており、庭の部分は雑草が伸び放題の状態で、当然、人の出入りもされている気配はありません。
母親に「あの家、誰が住んでたの?」と聞くと「昔、お金持ちの息子さんが受験勉強の為に使ってたと聞いた事はあるけど。」との事。
興味本位で、ドアの郵便受けの部分から中の様子を覗いた時に、壁にロックバンドのポスターが貼っているのが見えたので「お母さんが言うように、確かに若い人が住んでいたんだな。」と謎があっさり解決したような感じで、その時は少しガッカリした事を覚えています。
そんなある夏の夜。
夜中の2時ごろにふっと目が覚め、何気無しにベランダに出ました。
今にして思えば何故、あんな時間に目が覚め、そしてベランダに出てしまったのかも謎なのですが、出た瞬間にプレハブ小屋に薄っすら灯りがついている事に気付きました。
私は怖さよりも好奇心の方が勝ってしまい、パジャマのまま外に出て小屋の様子を見てみる事にしました。
しばらく外の様子を観察していましたが、人が動いているような気配はなく、ロウソク程度の灯りだけがいつまでもついているだけ。
「もしかしたら火事なのかも!?」と考え、私は郵便受けから部屋の中を覗いてみる事にしました。
そこで見えてしまったのは、横たわっている人の足の部分で、ロウソクの灯りだけでも分かってしまうくらい、血が一滴も通っていないような真っ青な色をしていました。
ヤバイ状況だと瞬間的に判断し、慌てて家の中に逃げ込みましたが、それからしばらく「殺人鬼に家がバレたのでは!?」と気が気でない状態でした。
それから数ヶ月後にプレハブ小屋は突如解体され、月極の駐車場になってしまいました。
近所の人は「こんな所に駐車場なんて作って誰が借りるんかね。」と不思議そうにしていましたが、私は「死体を埋めてその上にコンクリートをかぶせて駐車場にしちゃったんだ。」と考えています。
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