全世界で拡大を続け、感染者、死者ともに増加する一方の新型コロナウイルス。
感染者の咳やくしゃみによって感染する「飛沫感染」、感染者が触れたものに新型コロナウイルスが付着し、そこに新たに触れることによって感染する「接触感染」の2つが感染経路です。
空気中を漂っている新型コロナウイルスを吸ってしまうことによる「空気感染」は起こらないとされ、感染力自体も通常のインフルエンザウイルスと同程度、とそこまで強いものではないと言われています。
それなのになぜ、ここまで新型コロナウイルスに感染する人が増えてしまったのでしょうか。
その理由は新型コロナウイルスに感染しても症状がほとんど出ない「無症状感染者」が原因だったのです。
このページでは無症状感染者について考察するとともに、やがてそこから生み出されるであろう一つの都市伝説についても言及していきます。
新型コロナ感染者は発表される数より多い!恐怖の「無症状感染者」とは?
新型コロナウイルスに感染しても症状が出ない無症状感染者。
「感染しても症状が出ないなら、ラッキーじゃないか」なんて考えている人はいませんか?
感染した本人にとってはラッキーかもしれませんが、周囲の人間にとってはラッキーだなんてとても言えない状況を引き起こす可能性があるのです!
無症状感染者によって新型コロナウイルスがばら撒かれる可能性
重症化すると一気に死にまで至ってしまう新型コロナウイルス。
症状としては高熱、関節の痛みなど一般的な風邪にも見られるものから、下痢や肺炎、嗅覚や味覚の障害などといったものが挙げられます。
しかし新型コロナウイルスに感染してもこれらの症状がまったくでない人、それが無症状感染者です。
この無症状感染者の恐ろしいところは、自分が新型コロナウイルスの感染者だと気付くことなく、普段通りの生活を送ってしまうところ。
つまり自覚なく、新型コロナウイルスを周囲にばら撒いてしまう、ということになるのです。
いえ、自覚なくでしたらまだマシかもしれません。
もしかしたら「少し体調が悪いな、ひょっとしたら新型コロナかも……」なんて思いつつ、検査も受けずにそのまま生活をしている、半ば確信犯的な人もいないとは限らないのです。
新型コロナウイルスの無症状感染者は想像よりも多い!
それでは、この新型コロナウイルスの無症状感染者はどの程度いるのでしょうか。
まだ研究中のため正確な数字はわかりませんが、厚生労働省によると無症状感染者は全感染者の9%程度、と推測されています。
感染者約10人に1人、こう聞くとそれほど多くないと思うかもしれませんが、感染者が1万人なら約1000人は無症状感染者がいる、ということになります。
日本でも新型コロナウイルスの感染者が1万人を超えた現在、さすがにこの数字は、決して「少ない」とは言えないのではないでしょうか?
現在、新たに新型コロナウィルスに感染する人の過半数は「経路不明」と言われています。つまり「いつ、どこで」感染したかの見当が全くつかないということです。
新型コロナウィルスは、すでに非常に身近な存在になっています。
「コロナの世界へようこそ」都市伝説が現実化する日も近い
いつどこで新型コロナウイルスの無症状感染者と遭遇するかわからない状況である現在。
にも関わらず、自分には関係ないと言わんばかりに普段通りの生活を送り、ナンパや合コンを楽しむ人や、中には国会議員の身にも関わらずセクキャバや風俗へ、なんて話も……。
そんな話を聞くと、思い出す都市伝説があります。
それが「エイズの世界へようこそ」と呼ばれる都市伝説です。
都市伝説「エイズの世界へようこそ」とは?
「ある男性が夜、バーで一人で飲んでいる時、同じく一人で飲んでいる女性をナンパした。
ナンパは見事成功し、男性と女性は2人でお酒を楽しんだ後、ホテルへ入って大人の時間を過ごすことに……。
翌朝、男性が目覚めると女性はすでにいなくなっていた。
先に帰ってしまったのだろう、そう思った男性が顔を洗うために洗面所に入ると……。
『エイズの世界へようこそ』
洗面所の鏡には、口紅で大きく書かれていた」
これが都市伝説「エイズの世界へようこそ」のストーリーです。
気付かないうちに新型コロナウイルスに感染!新たな都市伝説が誕生する日も近い
都市伝説「エイズの世界にようこそ」を解説しますと、女性がHIV感染者で、それと知らずにナンパした男性と性交渉を行うことで男性もHIVに感染してしまった、という話です。
男女の立場を逆転させたパターンの話もありますが、共通して言えることは明らかに悪意を持って相手に病気を感染させようとしている、という点が挙げられるでしょう。
この「思いがけない悪意によって絶望を味わうことになる」という部分が、この都市伝説「エイズの世界にようこそ」の恐ろしい部分なのです。
新型コロナウイルスの無症状感染者の場合は、自分も感染者であることに気付いていないわけですから「明確な悪意」とは言えないかもしれませんが、この「エイズの世界にようこそ」と同じ状況が起こっても不思議ではありません。
もしかすると今後「あいつ、ナンパした相手が新型コロナウイルス感染者で、病気をうつされちゃったんだってさ」なんて噂話が発生し、新たな都市伝説となるかもしれないのです。
過去に実在した無症状感染者「腸チフスのメアリ―」とは
先ほど紹介した都市伝説「エイズの世界にようこそ」ですが、別名「エイズ・メアリー」という名前で呼ばれることもあります。
なぜ「メアリ―」なのかと言うと、そこには明確にモデルとなったと思われる女性が存在するのです。
それが1900年代初頭、アメリカで暮らしていたメアリ―・マローンと言う女性です。
死に至る病「腸チフス」の保菌者ながら本人はいたって健康体という恐怖
メアリ―・マローンは料理人として生計を立てており、ある金持ちの別荘に雇われたのですがその直後から別荘に滞在していた人間に腸チフス患者が連続して発生します。
調査の結果、メアリ―・マローンが原因ということが判明。
彼女は世界で初めて発見された、腸チフスの無症状感染者だったのです。
メアリ―自身は無症状感染者ですから元気いっぱいですが、彼女の体には腸チフス菌が宿っているわけですから、他の人間はたまったものではありません。
メアリ―が調理した食べ物を通して次々と腸チフスに感染してしまった、というわけです。
そういった逸話からメアリー・マローンは「腸チフスのメアリ―」と呼ばれるようになるわけですが、その後名前を変えて別の場所で料理人として働き、再び腸チフスの集団感染を起こしています。
本人は健康なので無自覚の行動だったのかもしれませんが、それで死者まで出てしまっているのですから「悪気はなかった」だけでは済まされません。
結局「腸チフスのメアリ―」はその後病院に隔離され、死ぬまでそこから出ることなく過ごしたそうです。
まとめ
新型コロナウイルスの新規感染者のうち、なぜ自分が感染したのかわからない「感染経路不明者」が数多くいます。
「注意して生活しているにもかかわらず」です。
これらの感染源はやはり、感染していることに気づいていない無症状感染者から多くを占めている可能性は否定できないのではないでしょうか。
無症状感染者は、マスクもつけず、普段通りの生活を送っています。(感染に気付いていない訳ですから当然です)
もしそうだとすれば、新型コロナウイルスの流行が収束するのは、残念ながらまだまだ先の話になるかもしれません。
そして願わくば、このページご紹介したような都市伝説が生まれないことを祈るばかりです。
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