インターネット、そこにはありとあらゆるものがあると言えるでしょう。
いわく、異世界に行ってきた、いわく前世の記憶を持っている、いわく宇宙からやってきた、そういった夢物語としか思えない話がインターネットの中にはあふれかえっています。
それらのほとんどは、根も葉もない話であるかもしれません。
それでも、高いリアリティと説得力を持つ話は、多くの人間たちの間に伝わっていって、やがては世界中に知られるようになっていくのです。
ジョン・タイター、2000年にアメリカのインターネットに登場した彼も、そうやって世界中に知られるようになっていきました。
タイムトラベラー「ジョン・タイター」とは?
彼は世界一有名なタイムトラベラーだと言われています。
タイムトラベラーを自称する人間は、インターネットに複数存在していますが、そのほとんどは信じられていません。
しかし、ジョン・タイターと彼に関わる話はその圧倒的な説得力とリアリティ、そして世界そのものを巻き込むほどの、話のスケールの大きさから、数多くのファンを生み出しました。
いわく、彼は2036年の未来から、2000年のアメリカへとやってきたタイムトラベラーだそうなのです。
しかし、そんな彼から語られた未来は、多くの人間それもアメリカ人からすれば信じられないような世界でした。
ジョン・タイターが語った未来の姿とは?
いわく、彼の誕生は1998年、2000年ならばまだ2歳です。生まれはアメリカなのですが、彼は自分自身をアメリカ人と名乗ることはできませんでした。
2000年問題、そう呼ばれるコンピューター問題が発生したことにより世界中のコンピューターが機能停止してしまい、世界の経済は崩壊へと向かってしまう。
そしてそれは、世界の経済の中核を担っていたアメリカの崩壊を意味していました。
彼が生きていた未来において、アメリカはすでに存在していません。
それ故に彼は自分自身をアメリカ人と名乗らなかったのです。
そして彼は、インターネットの中で次々と衝撃的な話を述べていくのです。
ジョン・タイターが現在に来た目的は「IBM5100」を入手すること
いわく、彼の時代においてはすでにタイムマシンが完成しており、彼はそれを利用して2000年へとやってきたそうです。
目的は、今後さらに起きることが予見されているコンピューター問題、2038年問題を回避するため。
そのためにはIBM5100というコンピューターに搭載されているプログラミング機能が必要であり、それを入手するために2000年にやってきたのだと、ジョン・タイターは述べています。
この時に登場したコンピューター、IBM5100は実際に存在しています。
また、そのコンピューター独自のプログラミング機能が搭載されており、ジョン・タイターの言う話にはリアリティがあったのです。
彼のいた時代においては、2000年問題が起きた後の混乱で、そのコンピューターは失われているそうです。
2000年にやってきたのも、その問題が起きる前の時代で、尚且つ彼のタイムマシンが移動できる上限の時代だからだと、彼は述べていました。
さらに彼は、自分が利用しているタイムマシンについての詳しい説明を行って、設計図をインターネットに公開することまで行ったのです。
2036年の未来の技術によって作られたタイムマシンを、その設計図だけで再現することなど不可能ですが、それでもあまりにも精巧なその設計図が、ジョン・タイターという人物に高い説得力を持たせています。
ジョン・タイターが語ったタイムマシンの詳細とパラレルワールドの概念
そんな彼が語った、タイムトラベルとタイムマシンの詳細は次のようなものでした。
一度に移動できるのは36年が限界であること、また、アニメに登場するように中に人間が乗り込んで利用するようなものではなく、車に搭載して利用する装置であり、それを起点にして特殊な磁場を発生させることによって、タイムトラベルを行うそうです。
また、タイムトラベルを行うたびに僅かに世界線が移動してしまうそうです。
つまり、パラレルワールドへと移動してしまうそうなのです。しかし、元いた時代に戻るのならば、同じ世界に戻れる可能性が高いそうです。
彼は、2000年からさらに過去に飛んで、自分の家族とも会ってきたそうです。
しかし、その時代にはまだIBM5100が存在してませんでした。
タイムトラベルを繰り返すと、それだけ元いた世界からは遠のいてしまうので、2000年に戻ってきてIBM5100を探していたそうなのです。
そして彼は自分自身の存在を、2000年にいる家族にも明かして、家族とともに暮らしていました。
ジョン・タイターがいた世界「2036年」の詳細
パラレルワールドという彼が示した概念、それが真実であるかはわかりませんが、彼がいた世界と、今我々が生きている世界は、大きな違いが既に存在しています。
2000年問題はジョン・タイターが言ったような大きな問題にはならずに解決し、アメリカが崩壊する兆しもありません。
我々がが生きている世界はすでに2020年を迎えようとしていますが、ジョン・タイターがいた世界では2011年に内戦が起きてアメリカが崩壊、2015年には核兵器すら用いられるほどの大戦争が勃発して、世界の覇権はロシアが握るようになったそうです。
丁度2017年にその戦争は終わり、世界は30億の人口を失ったそうです。
非常に残念な話ですが、ジョン・タイターの世界においては中国の海洋進出が進んでおり、日本は三分割されてしまっているそうです。
ジョン・タイターはそうした未来の世界地図も公開しています。
彼の語る未来は、今自分たちが生きている世界と比べても、決して明るいものではありません。
勃発した核戦争を原因に世界の環境は荒廃し、中でも飲料水の問題が深刻だそうです。
国と国とはお互いの関係に疲れ果てて、それぞれを行き来する航空便の数はとても少ないそうです。
平均寿命も大きく低下しているそうです。それでも、そんな世界に残してきた仲間たちのために、ジョン・タイターは未来へと帰ることを選びました。
2001年3月、ジョン・タイターは未来へ帰還した
2001年3月に彼は自身の任務の成功を書き込みました。
そしてそれを最後に、ジョン・タイターによる書き込みは、ピタリと止まってしまいました。
今日に至るまで、彼の話の続きは一切語られてはいません。
しかし、ジョン・タイターという未来人を自称した彼は、世界に確かな影響を残していきました。
彼に関わるインターネットの書き込みは後に書籍として出版されて、大ヒットしたのです。
彼にまつわる映画も作られました。
日本においても、シュタインズ・ゲートというゲームに彼の名前が登場しており、物語の重要な要素を占めています。
彼が本当に未来から来たタイムトラベラーだったのか、夢想を語ったペテン師だったのか、その事実はタイムマシンが現実に作られるまでわかりません。
そのどちらだとしても、彼が世界に与えた影響は驚くほど大きいと言えるでしょう。
はたしてジョン・タイターは本物のタイムトラベラーだったのか
彼がいた時代は2036年。あと十数年で、ジョン・タイターという人物が本物のタイムトラベラーであったのかどうか、ある程度の結論が出るのかもしれません。
しかし、望めるのであるならば、我々の世界がたどる未来は2038年問題も、核戦争も勃発しない2036年であることを祈ります。
タイムマシーンは、ぜひ実現してほしいですけどね。
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