【投稿者:峠の体験者さん】
今回は、鹿児島に御座います、幽霊トンネルのお話をさせて頂きたいと思います。
それでは早速・・・・・・。
あれは、まだ私が、18〜19歳くらいの頃の出来事です。
まったく幽霊とかの類をまったく信じていない時期でした。
その関係で、面白半分で深夜になると仲間と共に、よく心霊スポット巡りをしていたものです。
その中の一つ、鹿児島県指宿市にある『開聞トンネル(かいもんトンネル)』のお話をさせて頂きたく思います。
メンバーは全員同級生の、仮にH(男性)、F(男性)、O(女性)、自分という四人で怖い話をしながら、わくわくしながら現場に向かいました。
当時はナビなんてものもはなく、駐在所で聞いてどうにか現場へ到着致しました。
駐在さんには、『あそこはいかないほうがいい』と忠告を受けましたが、いくなといわれると、どうしても行きたくないのが人の心情だと思います。
で、どうにかトンネル前に到着致しました。
入口に一旦停車し、そのトンネルを見た率直な感想は・・・不気味・・・入るのを躊躇するほどの不気味さを感じた事を覚えております。
しかし、若気の至りと申しましょうか、そこで怖がると仲間に小馬鹿にされるかもという変なプライドがあり、平静を装っておりました。
すると、一緒にきていたFが、突然、
『俺、後ろのトランクに乗って写真撮るからさ、そのまま車をゆっくり走らせてトンネルを通過してくれ』
と言い出したのです。
私からしたら、「こいつ正気か?」と思えるようなことさらっと言います笑
一応全員快諾し、Fはトランクに移動し、半開きにした状態でカメラを構えます。
運転手のH、後部座席にOと私が乗り、ゆっくりと車を走らせました。
ここでトンネルの特殊?な構造をお話させて頂きます。
このトンネルは、車が1台やっと通れるようなトンネルで、天井にところどころ人工的な穴があいており、途中、トンネルが終わったと見せかけ、そのまま第2のトンネルがあるという構造です。
話は戻ります・・・。怖さを演出するつもりでしょうか?運転手のHは、めちゃめちゃゆっくりとトンネル内を走行します。
みんな『こわー』とか『全然なんもないやんけ』とかワーワー言いながらトンネルを走行し、無事出口まで到着しました。
その時は特に何もありませんでした。あくまでその時は・・・。
「なんだ、つまんねー」
と言いながら、
「このあとどうする?」
「誰かん家にでもいってお酒でも飲もうよ」
そんな会話を交わしつつ、結局、私の部屋でお酒を飲もうということになりました。
帰りも特に何かが起きるわけでもなく、無事私の家に到着しました。
お酒を4人で飲みつつ、
「トンネル大した事なかったた」
などと談笑をしながら、まったりと飲んでおりました。
すると、トランクで写真をとっていたFが突然、「背中がかゆいと」言い出しました。
当時は夏でしたので、私たちは、『どうせ蚊にでも刺されたんでしょ?』とか笑いながら背中を見たのですが・・・。
一同絶句
その後に出た言葉がたしか・・・
『なにこれ?!』
『きもっ!』
という言葉だった様に覚えています。
何があったかと、言いますと、背中に明らかに手が届かないであろう場所を中心に、ひっかき傷とでもいいましょうか、みみず腫れとでもいいましょうか・・。
真っ赤に線状の傷の様なものが無数にできていたのです。
みんな気持ち悪がり、一同後ずさり・・。
Fは
『ちょっとまてよ!どうなってんだよっ!?』
と若干取り乱していたのを覚えております。
結局原因は分からずで、その日はそれで解散。
翌日学校で4人が集まり、Fに例の背中の様子を聞いてみました。
すると、「もう全然痒く無い」との事でした。
念のため背中を確認しましたが、あんな真っ赤に腫れあがっていた傷が跡形もなく消えていたのです。
結局の所、あれがなんだったのかは、未だに不明ですが、少し不気味な体験でした。
後日談ですが、皆様、例のFが撮ったカメラに何が写っていたか、気になりませんか?
当時はデジカメなんてものもちろん無く、インスタントカメラ、いわゆる写ルンです、のようなカメラで撮影し、現像に出し、1週間程経った後、出来上がった写真を学校で4人で一緒に見ました。
ほとんどの物が、ただのトンネル内部の普通の写真でした。ただし・・・。
一枚だけ・・・・Fいわく、「写真屋さんから『これは写真にはできない』と言われた」というものがあり、Fがしつこく写真屋さんに理由を聞き食い下がるも、「出来ない!」の一点張りだったようなんです。
ネガは撮影したすべての写真分がありますので、もちろんそのネガを見てみましたが、、、他の写真はトンネル内が写っているのにも関わらず、その「現像出来ない」、と言われた写真のネガのみ真っ黒のように見えました。
当時は、自宅でネガをパソコンに取り込んだり、、なんて事ができる時代ではありませんから、ネガだけが手元にあっても学生である私達にはどうしようもありません。
あの、真っ黒のネガに何が写っていたのか・・・。今となっては分かりませんが、(記憶からも消えておりましたが)思い返すと、不思議な出来事だったなあと思います。