近年、新聞やテレビなどメディアに対する一般市民の信頼度が低下していると言われます。メディアが流す情報を、一般市民が信用していないというわけです。
このメディアに対する一般市民の不信の裏側には、「メディアは情報操作されているのでは?」という疑念があるようです。
果たしてメディアはどこまで、情報操作がされているのでしょうか。お金の流れから検証してみましょう。
ネットの普及がメディアの信頼度を低下させた
新聞やテレビなどに代表されるメディアが、信用に値しないと考える一般市民が増えている大きな原因のひとつに、ネットの普及が関係しているのは間違いないでしょう。メディアとネットでは、どのような違いがあるのでしょう。
情報に対する責任の所在
メディアとネットの最大の違いは、匿名性の高低と言えるでしょう。
簡単に言えば、メディアの情報は匿名性が低く(誰が発信した情報なのかが明白)、ネットの情報は匿名性が高い(誰が発信した情報なのかが不明確)、という事です。
メディアの発信する情報は、例えば新聞の場合、文責(文章を書いた人間の署名)があるので誰が書いた記事なのか一目瞭然であり、その情報の真偽に対して執筆者は責任を負います。
通常ですとこのシステムは情報の信頼性を上げるのですが、そもそも記事の執筆者が真実を発信するのではなく、誰かにとって都合のいい情報を流しているのでは?という根本的な疑念が生じている場合、その信頼性は大きく揺らぎます。
お金が支配する上下関係
メディアにとって「スポンサー(広告主)」の存在は非常に重要です。最も重要と言っても過言ではないのかもしれません。自社に広告を載せてくれる企業や組織の存在なくして、今や会社の経営は成り立ちません。
お金を出資してくれる人間には逆らえない
メディアに限らず社会全般に共通して言える事ですが、「お金を出資してくれる人間には逆らえない」のです。
学生さんなら小遣いや学費を出してくれる親に、基本的には逆らえないでしょうし、サラリーマンなら雇用主である社長の意向に、基本的には逆らえないのではないでしょうか? 逆らった結果お金を出してもらえなくなったら、死活問題に直結するためです。
このお金が仲立ちとなる上下関係は、メディアとスポンサーの間においても、そっくりそのままあてはまります。
非常に重要な事なのでもう一度繰り返しますが、個人も組織も原則として「お金を出資してくれる人間には逆らえない」のです。
メディアとスポンサーの関係を簡単な例で考える
例えば、お酒が大好きな方にとっては耳の痛い話かもしれませんが、飲酒についての害は近年広く知られるようになりました。
一昔前なら「酒は百薬の長」と言われた時代もありましたが、近年では信頼のおける研究のほとんどが、「お酒はわずか少量飲んだだけでも体には有害である」との結論を出しています。
お酒が人間の健康にとって有益であると発表する学者も確かに存在しますが、そのような学者の論文は自分の論理を整合させるために都合のよいデータのみを採用しているケースがほとんどです。
極端な例をあげると、タバコも一部分のみのデータを見れば、「体に取って有益な存在である」と言い切ることも可能ですからね。
メディアも当然このような事実(お酒=体にとって有害)は知っていますが、表立って大々的に「お酒は有害である」「規制すべきである」と主張する新聞やテレビはほとんど現れません。なぜなら新聞やテレビにとって、例えばサントリーのような酒造メーカーは大スポンサーなので、大スポンサーにとって不利になるような情報を大々的に垂れ流すと、広告契約を打ち切られる恐れがあるからです。
大企業のスポンサー(株主)
このようにメディアのスポンサーには、先程の例で言えばサントリーのように、その国を代表するような大企業が付きますが、そんな大企業も多くの場合、株主から資金提供を受けるのが資本主義社会の通例です。
日本を代表するような大企業の株主には、どのような組織があるのでしょう。
トヨタの例はとても参考になるので見てみましょう。
2020年3月時点でのトヨタの株主上位10社は以下の通りです。
1位:日本トラスティ・サービス信託銀行(株)
2位:(株)豊田自動織機
3位:日本マスタートラスト信託銀行(株)
4位:日本生命保険(相)
5位:ジェーピー モルガン チェース バンク
6位:(株)デンソー
7位:ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー
8位:三井住友海上火災保険(株)
9位:資産管理サービス信託銀行(株)
10位:東京海上日動火災保険(株)
トヨタのホームページより引用
2位はトヨタの自社組織、6位にデンソーが入っている以外、銀行業と保険業が多くを占めるのは一見して明らかです。
株式会社において株主の存在は絶対であり、その意向に逆らう事は企業としての自殺行為なので、決してそのような事はしません。
(株主からの資本提供が無くなれば、企業として存亡の危機に立たされるのは明白です)
自社の作る新聞やテレビ番組のスポンサーにサントリーがある場合、お酒の害を声高には主張できないのと同じ理屈で、トヨタは銀行や保険会社の意向に基本的には逆らえないであろう事が容易に想像されます。
蛇足ながらサントリーは意外な事に、非上場(株式を市場に上場していない)企業です。なぜサントリーほどの大企業が株式を上場しないのかは憶測でしか測れませんが、これまでのお金が支配する力関係のお話を踏まえれば、株主から経営方針に口を出して欲しくないなど、株式を上場するメリットよりもデメリットの方が大きいと判断しているのかもしれません。
大企業のスポンサー(株主)の、さらに上に位置する巨大スポンサー
次にトヨタの大株主である銀行のスポンサー(巨大スポンサー)は、どのような組織なのか見てみましょう。
トヨタの株主にも名を連ねている、日本最大の銀行である三井住友銀行の2020年3月時点での大株主は以下の通りです。
1位:日本マスタートラスト信託銀行株式会社
2位:日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社
3位:日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社
4位:日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社
5位:NATSCUMCO
6位:日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社
7位:JP MORGAN CHASE BANK 385151
8位:SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT
9位:STATE STREET BANK WEST CLIENT
10位:バークレイズ証券株式会社
三井住友フィナンシャルグループのホームページより引用
一見してハッキリと、信託銀行が名を連ねている事がわかります。
信託銀行とは通常の銀行業務に加えて、「信託業務(財産の管理運営業務)」と「併営業務(色々な業務を同時にこなす事)」を行っている銀行を指しますが、ここでは業務内容よりも、信託銀行がどのような性格の組織なのか注目します。
簡単に言うと信託銀行とは、「複数の銀行が共同経営している銀行」です。なぜそんな面倒くさい事をする必要があるのかというと、複数の銀行が集まり経験やノウハウを共有する事で、共に発展できるようにというのが建前になっています。
しかし現実には信託銀行を設立・運営する事で、「資本の経路を不明瞭にできる」という側面があります。つまり複数の銀行が信託銀行の経営に名を連ねる事で、どこの誰が大株主なのかわかりづらくできるという事です。
あくまで信託銀行には現実として、上記のような側面があるというだけの話です
資本経路が明確だと目立つので、その分何かにつけて叩かれやすく、企業として行動するには色々と不都合が生じる事があります。信託銀行を大株主に据える事で、そういった不都合を回避している側面があるのだろうと推測できます。
そういった点を踏まえた上で、もう一度三井住友銀行の大株主上位10選を眺めると、信託銀行が並ぶ中、明らかに他の組織とは毛色の違う名称が見えてきます。
JP MORGANです。
JP MORGAN~世界最大級の金融サービス会社~
JP MORGAN(以下JPモルガン)はアメリカ・ニューヨークに本社がある、世界最大級の金融サービス会社で、言うまでもなく世界最大級の強大な財力を誇ります。お金の流れが示す力関係から考えて、日本最大級の三井住友グループでさえも、JPモルガンの影響力を強く受けるであろう事は容易に推測できます。
そしてそれほど強大な財力を誇るJPモルガンは、ロスチャイルド家の流れを汲んでいる事は注目に値するでしょう。
ロスチャイルド家~世界最強の大富豪一族~
ロスチャイルド家とは簡単に言えば、ヨーロッパが誇る世界的なスーパー大貴族であり、そのファミリーはユダヤの一族で占められる事は有名です。
世界の金融資産はユダヤによって占められるとまで言われる由縁です。現実問題として世界中の富をユダヤが独占しているかどうかは別として、相当な財力を保有する事は間違いないので、ユダヤの意向が世界の金融情勢に相当な影響を及ぼしているのも間違いないでしょう。
お金が支配するヒエラルキー(上下関係)をまとめる
これまでのお話を総合すると、以下のような不等式が成立します。
※左に行くほどお金持ちなので、強い権力を持つ
ロスチャイルド家(ユダヤ一族) >>> JPモルガン >>> 三井住友グループ >>> トヨタ
つまりトヨタは三井住友グループに強い態度で接する事はできないが、そんな三井住友グループもユダヤ系の金融一族には逆らえないという事です。
メディアを牛耳る存在=ユダヤ系財閥の陰
そして、メディアの位置づけを振り返った上で先程の不等式を完成させると、以下の通りになるでしょう。
ロスチャイルド家(ユダヤの一族) >>> JPモルガン >>> 三井住友グループ >>> トヨタ >>> メディア
トヨタは国内・海外の金融一族には逆らえないが、メディアはそんなトヨタにすら逆らえない。つまり金銭的な力関係において、メディアの位置づけは非常に低い(弱い)という事です。
そのため、いかに取材により真実に辿り着いたとしても、それが大企業や大銀行などのスポンサーにとって不利益な情報である場合、メディアが掴んだ真実が表沙汰になる事は少ないと推測できます。
これは、メディアが情報操作されている事とほぼ同義です。
話はメディア関連から少し逸れますが、アメリカの政治家の主要なロビイスト(≒支援者)にはユダヤ系財閥の息のかかった人物が多く、結果としてアメリカが親イスラエル政策(ユダヤ人の国家であるイスラエルにとって都合のよい政策)を取らざるを得ない理由の1つにもなっています。ユダヤ系の財閥の力の強大さが窺えるエピソードです。
【まとめ】メディアはどこまで情報操作がされているのか?
これまでのお話を総合すると、「メディアはどこまで情報操作がされているのか?」という問いに対しては、「スポンサーにとって不利な情報は隠ぺいされている可能性が高い」と答える事が出来るでしょう。
冒頭、近年メディアに対する不信が増幅している背景にネットの存在を上げました。ネットに掲載されている情報が真実なのかどうかは多くの場合疑わしいのに、一定程度の信頼性を得ている背景には、ネットの匿名性に対する信頼、つまり、「誰が書いたのかわからない情報=誰にも気を遣うことなく(スポンサーの顔色をうかがう事なく)書いた情報」に対する信頼がある、という側面があるのかもしれません。
少なくとも、メディアは常に真実のみを発信していると考えるのは、非常に難しいのではないでしょうか。
詰まる所、メディアは相当程度に情報操作がされていると考えても、それはある程度の妥当性がある推測となるでしょう。
生まれて来てから現在までの、自分の過去を、振り返ってみる、上記の意見との、すり合わせが、感慨深い・・。