【投稿者:たけさん】
オレが小学生の頃に実際に体験した、近所の友達が神隠しのあった話をしようと思う。
少し長いがよかったら最後まで聞いてくれ。
昭和60年ごろ、東大阪市にある石切(いしきり)・枚岡(ひらおか)周辺で大人が口を揃えて子供に言い聞かせていた怖い話があった。
それは「あんまり遅くまで遊んでたら、子取りのおっちゃんが生駒山(いこまやま)から降りてきて山に連れて行かれるで。」
と言うもの。
とはいえまだ幼かったオレはその話に背筋が凍るような恐怖心を覚えたのを覚えている。
夕方遅くなるとみんな慌てて帰宅していた。
そんなある日、家の近所に2人の兄弟が引っ越して来た。
その2人は両親が離婚し、母親が祖母の実家に出戻りした形になり、家庭環境は最悪だったみたい。
2人はその当時の不良のような存在で、オレや友達は、2人から無理やり子分のような扱いをされていた。
そしていつものように遊んでいたある日、気が付けば夕方6時になっていた。
オレ:「子取りのおっちゃん来るから早く帰ろ!」
不良の兄弟:「なんや子取りのおっちゃんて!小鳥の間違いちゃうか?そんなんおるわけないやろ。まだ帰るのは早いわ。帰さへんで!」
と言われ帰宅させてもらえずw
オレ達は恐怖におののきながらも、7時くらいまで無理矢理遊ばされるようになった。
帰りの道中も「子取りのおっちゃんが来るかも知れへん」と恐怖しながら必死に家に逃げ帰っていた。
そして家に帰ると待っていたのは母親からの説教。
「あほ!いつまで遊んどるんや!子取りのおっちゃんに連れていかれてもええんか!」と怒られていた。
その後も2人の不良から遅くまで遊ばされるようになったが、子取りのおっちゃんらしき人物は現れず。
オレ達も「あれは親が僕らを怖がらせる為に作った話や。」と思うようになっていた。
そうなると遅くに帰って説教されても「子取りのおっちゃん出たら俺らが退治したるわ!」と調子に乗って逆に親をからかうようになっていた。
そんな日々が続いたある秋の日。
夕方6時になると辺りはすっかり暗くなる時期。
オレ達はもう子取りのおっちゃんの事を忘れて、街灯を頼りに遊んでいた。
すると遠くの方から人が歩いてくる姿が見えた。
その人は、笠(かさ)でできた帽子を深く被り、ボロボロの黒いコートを見にまとっていて、一目で異様な姿だと分かった。
オレ達は思わず「子取りのおっちゃんや!!!」と叫び、一目散に各々の家に逃げ帰った。
その日は怖くて夜眠れなかったと思う。
次の日、怖いからしばらく遊びに行くのはやめようと思っていたが、不良の兄弟に呼び出され嫌々ながら遊ぶ事になった。
2人は「昨日はお前らが騒ぐから付き合ったけど、俺らはほんまは怖くなかったんや。もし今日、子取りのおっちゃん出たらやっつけたる。」と言いだした。
そしてその日の夕方、再び同じ道から、笠の帽子を被った男が現れた!
オレ達は不良から逃げないように言われていたが、たまらず逃げ出してしまったwww
逃げながら振り返ってみると、不良の2人は、逃げずに腕組みをしたまま立ち尽くしていたように記憶している。
そして次の日。
いつものように遊び場で遊んでいたが、不良の2人は現れなかった。
オレ達は「もしかしたら子取りのおっちゃんに連れていかれたんかも?」と噂していたが、不良からいじめられないからラッキーくらいにしか思っていなかった。
ただ、それから1週間くらい経過しても2人は現れない。
さすがに大丈夫かと気になり、みんなで不良の家を訪ねる事にした。
しかし呼び鈴を押しても返事はない。
そして数日後…
不良の家は、いつの間にか空き家になっていた。
近所の人に聞いても「いつの間に出て行ったんだろう?夜逃げかな?」と首をかしげるばかり。
オレ達は「きっとあの時、何かあったんや。この話は俺らだけの秘密にしよう。」とオレと友達2人の間の心の中だけで留めるようにした。
それからは、夕方6時前にはきっちりと家に帰るようになり、その後、あの男は2度と現れなかった。
あの男は一体何者だったんだろう?
もしかして、不良の家族ごとさらっていったのかもしれないと今でも時々考える。
子取りのおっちゃんってw
ネーミングは可愛らしいけど結構破壊力ある話でしたね。これは面白いなあ。星4で。
でもこの話の真相ってどんな可能性が考えられるんだろ。
傘を被った男は離婚してた父親とか?でも傘って流石に被らないですよね今時。
一家揃っていなくなってるからマジもんの事件だろうし、夜逃げか拉致系か、はたまた、、子取りのおっちゃんかw