この世界においては数多くの海にまつわる怪異が存在しています。
その中でも幽霊船というのは最もメジャーな部類でしょう。
羅針盤の開発とそれに伴う大航海時代の到来以来、数多くの船が海に繰り出し、思い思いの商売や仕事に励みました。
しかし、それはすなわち海難事故の増加も意味していたのです。
大航海時代以降と以前では、驚くべきほどに海難事故の発生件数が異なってきます。
それゆえに、幽霊船の伝説というのも殆どが、大航海時代以降のものであり、恐るべき事に現代と言われる時代になってもなお新たに生み出されています。
しかし、そんな幽霊船の伝説の中でも最も恐ろしく、救いのない伝説があります。
それこそがフライング・ダッチマン号、かつて世界中の海を繋ぎ大帝国を築き上げたオランダの船であり、神の怒りに触れたともされている船です。
神の逆鱗に触れたフライング・ダッチマン号
オランダは18世紀南アフリカ共和国を植民地にしていました。
それ故に、そことオランダ本国を行き来する船は多数存在していました。
しかし、なんたる皮肉と言うべきでしょうか、喜望峰(きぼうほう)と名付けられたアフリカ大陸の南端は難航の場所として有名であり、それまでも多くの船に希望とは逆の絶望を押しつけてきました。
驚くべきことに、フライング・ダッチマン号はそこで神に出くわしたそうなのです。
過酷な航海の中で気の立っていた船長は、神を自称するそれを信じることが出来ずに、ひどく野蛮な罵倒を浴びせかけたそうです。
それは許されざる行為でした。
神は怒り狂い、船員を全員殺してしまうと、ひどく残酷な事に船長だけを生かしてしまったのです。
それも普通の生などではありません。
神より与えられたその呪いによって、船長は決して死ぬことも出来ず、丘にあがることも出来ずに永遠と海をさまよい続けているそうなのです。
フライング・ダッチマン号を目撃すれば呪われるという伝説と共に・・・・・
フライング・ダッチマン号は200年経った現代でも目撃されていた!
ここまでならばよくある救いのない昔話なのですが、恐ろしいことはこのフライング・ダッチマン号、遭難から200年以上が経過した時代においても目撃情報が報告されているのです。
いわく、1881年には当時まだ皇太子だった後のイギリス王チャールズ5世が喜望峰沖合で、えらく場違いな数百年も前の古い木造船を見かけたそうです。
それは近づくことが出来ずに、ふっと消えていったそうです。
1959年にはオランダの船がひどく古い船と、喜望峰沖合で衝突しかけたそうです。
そして衝突する寸前に、その船は消えてしまったそうです。それこそ幽霊のように・・・・・
それ故に今日でも喜望峰を通る船乗りたちは皆、フライング・ダッチマン号を恐れているのです。
世界の終わりなど、いつ訪れると言うのでしょうか、
フライング・ダッチマン号はそれこそ人類が滅びるその直前まで、喜望峰沖合で目撃情報が確認され続けるのかもしれません。
神というのはひどく残酷で恐ろしい一面を持ち合わせているのですね・・・・・
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