日本だけではなく、世界規模で猛威を振るう新型コロナウィルス。
行楽地では自粛要請が届き多くの人が不便を被っていますが、もはや「不便」というレベルではなく、様々な面で影響が出ています。
そんな新型コロナウィルスですが、2020年4月5日の時点で日本で感染が確認されたのは3,689人。
最も多いのは東京都で1,034人。東京都に隣接する県も比較的感染者が多い傾向にあります。
一方で、感染者が出ていない県もいくつかあります。それは、鳥取県と島根県。
なかでも、鳥取県は土地柄的に新型コロナウィルスが拡散しないであろう様々な仮説要因があることが分かりました。
このページでは、鳥取県に感染者が出ていない理由を考察するとともに、今後の鳥取・島根両県の感染者数の推移についても考えてみたいと思います。
鳥取県に感染者が出ていない理由を考察する
あくまでも2020年4月5日時点での話ではありますが、鳥取県では新型コロナウィルスの感染者が出ていません。
北は北海道、南は沖縄まで日本全国を網羅している新型コロナウィルスですが、なぜ鳥取だけ※に出ていないのか、その理由をいくつか探ってみると、鳥取県に存在するいくつかの興味深い特徴が浮かび上がってきました。
※2020年4月5日時点では鳥取県だけでなく島根県にも感染者が出ていない
【考察01】そもそもの人口が少ない
鳥取県に感染者が出ていない要因ですが、まず大前提として人口が少ない点が挙げられます。
新型コロナウィルスの怖い点は「発症率の低さと潜伏期間の長さ」。
例えば風邪や発熱であれば、誰もがすぐに自分の体の異変に気付きますよね。しかし、新型コロナウィルスの場合はそうもいきません。
自分がコロナウィルスに感染しているのかすぐには分かりませんから、「自分は大丈夫だろう」との気持ちから様々な場所に出かけてしまい、結果ウィルスを広げてしまうことにつながります。
つまり、人の往来が活発であればあるほど、新型コロナウィルスの感染率は高くなることは間違いないでしょう。
逆を言えば、人口が少ない県は単純に「感染が広がるリスクが少ない」ことが予想できます。
鳥取県の人口数は47都道府県中最下位の47位、人口は555,663人※です。
ちなみにもう一つの感染者0人の県である島根県の人口は47都道府県中46位です。(数値は2020年4月1日時点)
【考察02】観光地としての魅力がない
2つ目の特徴ですが、(誤解を恐れずに言わせていただくと)鳥取県が持つ観光地が海外旅行者にとって魅力がないという点があげられます。
日本を訪れる海外旅行者の多くが「日本らしさ」を楽しみたいと考えています。その点では松江城という日本古来の文化がある島根県はともかく、鳥取砂丘という大自然は、決して「日本ならでは」とは言い難いです。
新型コロナウィルスの発症は中国・武漢。そこから海外旅行等、人の行き来がウィルスを広めたのですが、皮肉にも中国人にとって「是が非でも見てみたい日本文化」ではない鳥取砂丘の存在が、結果的に鳥取での飛散を防いでる可能性は十分に考えられます。
データ面を見ても、鳥取砂丘の不人気さを垣間見ることができます。
新型コロナウィルスがにわかに注目を集めるようになったのは2020年1月の末でしたが、それまで日本国内ではインバウンド(外国人の訪日)優先の政策が執り続けられており、各観光地では総じて好調をキープしていました。
場所によっては前年比で数十%もの増加率を見せています。
一方、鳥取に関してはというとインバウンド効果で大きな成果をあげれていません。
鳥取県が発表した観光データを見ると、平成30年のデータでは鳥取県最大の観光地である鳥取砂丘でさえ、前年比で2.1%の増加率です。
他県の観光名所が軒並み大幅UPをしている時期にこの数値ですから、鳥取県の観光地は海外旅行者にとっては魅力に欠けるという一定の評価が下されていると推測できます。
そして、この不人気ぶりが人の往来を減らすことにつながり、新型コロナウィルス感染の防止に役立っていると見ることが出来るのではないでしょうか。
【考察03】新幹線が通ってない
3つ目の特徴は、新幹線が通っていない点があげられます。
新幹線は長時間密閉された空間になりますし、換気機能が飛行機ほど万全ではありません。
そのため、万が一感染者といあわせてしまった場合、感染リスクは相当高いとも囁かれています。
新幹線が通っていないという点も、鳥取県に未だ感染者が出ていない理由の大きなポイントであると考えられます。
【考察04】保守的な民族性
鳥取県の感染者が0人の理由をもう少し掘り下げてみると、県民性が関連している可能性があります。
鳥取は比較的保守的な土地柄とされています。心を許していない人間に対してある程度の警戒心を抱くことが多く、コロナの注意喚起とされている「3つの密」を自然と解決している可能性があります。
不用意に人に近付かず、適度な距離を保つ。
また、鳥取の繁華街の規模が小さい点も挙げられます。中心地はある程度賑わいを見せていますが、東京や大阪といった大都市と比較すると比べものにならいないほど小規模です。
他県とは人口密度そのものが大きく異なるため、もともとの人の少なさ+保守的な気質が、自ずと3密を回避しているのかもしれません。
鳥取県・島根県の今後の感染者数の推移を考える
上記の理由から、鳥取県は感染者が増えづらい環境が自然と確立されている可能性が高いと推測することができます。
このことから、今後についても、鳥取県で感染者が極端に増える可能性はかなり低いと考えます。
懸念点としては、現在都心部に住んでいる鳥取県出身者が「大変なことになってきたから」と実家にUターン避難をすることです。
本人が気づかないうちに、新型コロナウィルスを外部から持ち帰る可能性がありますからね。
一方の島根県はどうでしょうか。
島根県の人口は47都道府県中46位の673,891人。新幹線も通っていませんし保守的な民族性も鳥取県と共通する部分も多いため、以下の3点はクリアしていると言えるでしょう。
・人口が少ない
・新幹線が通っていない
・保守的な民族性
ただし、島根県と鳥取県で大きく異なる点が一つあります。それは国内有数の観光名所があるという点。
先に挙げた松江城だけではなく、まさに「日本を代表する日本文化の象徴」と言っても過言ではない出雲大社の存在です。
出雲大社は中国人だけではなく、全ての海外旅行者にとって間違いなく魅力的な日本の観光名所。
現在は海外旅行者の規制がかかっているためおいそれと訪れることはできませんが、今後規制が緩和されたタイミングで観光客が戻ってくるのは間違いありません。
そういう意味では、「外部からの人の往来」という点で島根県は鳥取県より今後感染者が増加するリスクは高いと考えます。
結論
新型コロナの感染者数が0人である鳥取と島根について、その理由を考察してきました。
結論としては、日本国内において今後新型コロナウィルスの感染リスクが最も低いと考えられる都道府県の一つが鳥取県であるということです。
もちろん、今後の状況次第で動向が大きく変わる可能性は否定できない点、付け加えさせて頂きます。
新型コロナウィルスに関して、今我々にできる事は限られているかもしれません。ですが皆さんで力を合わせ、なんとかこの局面を乗り越えたいと切に願います。
・人口が少ない
・観光地としての魅力がない(外国人の往来が少ない)
・新幹線が通っていない
・保守的な民族性