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【ゾッとする話】声が聞こえ続ける恐怖

【投稿者:しろくまっ子さん】

小学3年生の男の子は、友達には見えないものが見えることを気にしていました。

寝ているときに部屋に誰かがいる、教室の端に誰かが立っているといった経験は多々あるものの、何かされるってことはなかったので見てみないフリをしていると消えていくためだんだんと自分の体質に慣れてきました。

そんな時、男の子の祖父が病気で亡くなってしまいました。

小さな頃にはおじいちゃん子だったものの、彼が小学生になると同時に祖父は入院していて弱っていく祖父にどう接したらよいのか分からなくなっていたのです。

そのまま亡くなってしまった祖父に何も声をかけられなかったのが彼には心残りだったのです。

しかし、祖父の葬儀が終わった頃から男の子にちょっと不思議なことが起こるようになりました。

それは、度々男の人の声が聞こえるようになったのです。それはぼそぼそと何か語りかけているような感じだったのですが、ある日学校から帰宅している時、「危ない!」という声がしてハッとして体をすくめると、すぐ隣にダンプが走り去って行ったのです。

危ないという声がしなかったら、ダンプに轢かれてしまったかもしれないとゾッとしながら帰宅。

すると今度は階段をあがっている時に「危ない!」と声がしてとっさに手すりを掴むと、同時に階段から足を踏み外してしまい手すりに掴まっていなかったら階段から転げ落ちてしまうところだったんです。

その男の声は、きっと亡くなった祖父の声で自分のことを守ってくれているんだとうれしさと力強さも感じ始めたのです。

その後も、横断歩道で危ないという声が聞こえて渡るのを躊躇していると、暴走した車が通り過ぎていき、ぞっとしたり、声がした後に立てかけてあった看板が目の前で落ちたりといったことが多くなっていき、助けてもらっているとは言え、危機的な状況が多くなっていることに恐怖を感じずにはいられません。

そのうち、外を歩くのが怖くなっていき、学校もずる休みをするようになったのですが、家の中でも危険なことが続いていたのです。

用心して階段を上っているのになにかに引っ張られたような感覚で転げ落ちそうになってしまったり、冷蔵庫を開けた瞬間「危ない!」という声が聞こえると、大きな瓶が落ちてきて頭への直撃を免れたりといったことが多くなったのです。

一人で悩んでいたものの、学校に行かなくなったことで両親にも教えなくてはならないと思い、祖父が助けてくれるけど怖い思いをするから動くことが怖いと伝えました。

前々から男の子が普通ではないことを知っていたので、その話もすぐに信用してくれて、お払いに行くことになりました。

何度もお払いに行ったことがある寺だったので、すぐにお払いをしてもらうことが出来、ようやく安心した生活が取り戻せると思った少年だったのですが、その日の次の日、少年は事故に遭ってしまい病院に運ばれてしまったのです。

命に別状はなく、しばらく入院することになったのですが、入院中の少年の夢に祖父が出てくるようになったのです。祖父は何も言わずにじっと見ているだけ。

それが何日も続いたものだから怖くなってしまった少年は祖父に「もう出てこないで!」と伝えました。すると、これまで無表情だった祖父の顔がにやっと笑い、「邪魔させない!邪魔させないからなぁぁ」「ギャハハハハ!」っと、高笑いをしたのです。

そこで目を覚ました少年は祖父が怒ってると思い、退院したらお墓参りに行くからと何度も何度も祖父に謝ったのですが、それでも夢に出続けて邪魔させないと笑うのです。

入院中、その夢は続いていき眠ることが怖くなりましたが、寝ないわけにはいきません。両親に相談しても、考えすぎだと言われてしまう始末。

ある夜、いつものように夢の中に祖父が出てきました。

祖父は大笑いに少年は「もうやめて、もうやめて!」と泣き崩れてしまったのですが、笑い声は止まりません。そしてその笑い声は祖父の声からだんだんと甲高いものをなっていき、完全に女性のものになったのです。顔を上げた少年はその声の主を見てギョッとしました。

それは祖父の姿ではなく、知らない女性だったのです。

女性は「邪魔させないからなぁぁ!」と笑い続け「無駄だ!お払いなんてしても無駄だぁ!」と笑い続けたのです。

それからというもの、夢に出てくるのは知らない女性になり、邪魔させないからと笑うばかり。

退院した少年は一番にお払いに連れて行ってくれることを願ったのですが、住職さんは運悪く体調不良で入院してるらしくお払いしてくれるところがみつかりません。

両親が必死になって、ようやく探しだした住職さんにお払いをしてもらうというその時、「なぜお払いなんてしたんだね?!」と問い詰められました。

両親は少年の命の危機を感じたことを伝えると、「この世には払いきれない霊もいる」と言われ、「おじいさんが守っていてくれたから助かったのに……」と言葉を詰まらせたのです。

少年にはずっと同じ霊が憑いていて、その女性は子供を亡くしたショックで精神に異常をきたして亡くなったということ。

息子に似ていて波長があった少年を女性が気に入って連れて行こうと考えていると言い、その霊はとても強力な力を持っていて簡単にはお祓いすることができない。これまでは別の霊が守っていてくれたのに、その霊だけをお祓いしてしまったため、少年を助ける霊がいなくなったと言うのです。

その後、少年はそのお寺に入り修行などをしながら何度も何度もお祓いをしてもらっているようなのですが、知らない女性は邪魔させないと高笑いはまだ続いているのです。