【投稿者:半田ふみさん】
私は古いゲームが好きで、今でも時々中古ゲームショップで何か買ってきては、20年モノのゲーム機に入れて遊んでいます。
特に好きなジャンルはホラーのノベルゲーム。
古い分、最近のゲームに比べて不便が多く、画像もかなり粗いですが、それが逆に、ホラーゲームというモノが持つ味を一層引き立ててくれます。
しかしゲームソフト自体はもちろんのこと、我が家のゲーム機も相当の年代物ですから、最近はまともにゲームをプレイできることが少なくなってきました。
プレイ中にプチン、と電源が切れてしまうのは日常茶飯事。画面がフリーズしてにっちもさっちもいかなくなったり、そもそも電源が付かなかったり、といったことがだんだん増えてきたのです。
それが普通のゲームならまだしも、ホラーゲームのプレイ中に起こるのだからたまったものではありません。私はホラー好きではありますが、怖がりでもあるのです。
ゲーム内で殺人事件が起こった直後に、画面が真っ赤になり、画面の文字が何重にもブレる…という(明らかにゲーム本来の演出ではない)症状が発生した時には、怖すぎて電源から引っこ抜いてしまいました。
それでも面白いゲームだったので、なんとか最後までプレイしたかったのですが…。
ある日、いつものようにホラーノベルゲームをプレイしていると、またしても画面がフリーズしてしまいました。
私はビクッとはしたものの、多少はその症状に慣れてきていたため、ボタンを連打してなんとかセーブだけでもできないかと頑張りました。
その甲斐あってか数分がかりでなんとかゲームは少しだけ動き、幸いにもセーブに成功しました。
私は一旦ゲーム機の電源を切ると、線を抜き差ししたり、ディスクをはめ直してみたり、ゲーム機を置く場所を変えてみたり、これまでゲーム機の状態を改善させたあらゆる方法を試しました。
そして電源を入れると…テレビに映ったのはセーブ直前の画面。
「あれ?」と私は思いました。
普通、電源を入れた後にはゲーム機のメーカー名が出たり、ゲームソフトの会社名が出たり…それからゲームタイトルが出て、データを選んで…とにかく、ゲームを再開するまでには数々の段階があるはずなのに、それがなかったのです。
どういうことだろう?と思いながらメニュー画面を開くと…テレビから「ンーーーー」という人の声が!!
私はワァッと叫び、画面も見ずにゲーム機の電源を引っこ抜いてしまいました。
今思えば、私の思い込み、もしくは聞き間違いだったのかもしれません。でも、私には人の声に聞こえたのです。そのノベルゲームには、主題歌にも本編にも、人の声は一切使われていなかったのに…。
それ以来、ホラーゲームはゲーム機ごと、棚の奥に押し込めてあります。