「天空の城ラピュタには真のエンディングがあるってホント?」
「そもそもラピュタに都市伝説なんかあったっけ?」
この記事では、そんな方に向けてお送りしたいと思います。
「天空の城ラピュタ」はスタジオジブリ長編アニメーション第一作品として、公開から30年以上経った今なお愛され続けている作品です。また宮崎駿監督がはじめて制作した、『原作のないオリジナルアニメ映画』となります。
本記事は、テレビで放映されるたびに話題となる都市伝説や意外と知られていない裏設定やトリビアなどを解説していきます。
この記事を読んでおくと本作がさらに違った視点や面白さが見えてくると思います!
ぜひ、最後までご覧くださいね。
「天空の城ラピュタ」の都市伝説「幻のエンディング」とは?
とにもかくにも、「天空の城ラピュタ」の中で一番有名な都市伝説と言えば、この『幻のエンディング』ではないでしょうか?
実際のエンディングというと、ラピュタ崩壊後ドーラ家と合流しそれぞれの場所へ戻っていきラピュタが天に昇っていきエンドロールへ入っていきます。
ですが、金曜ロードショーでラピュタが放映されたある日のこと、ネット上で「幻のエンディング」の噂が瞬く間に広がったのです。
気になる噂のエンディングというのが、ドーラ一家と別れた後パズーがシータをゴンドラまで送ってから別れるという結末だと言われています。
しかし実際のところ、スタジオジブリ側は「そのような事実はありません」と完全否定しています。
では、なぜこのような噂が広まったのでしょうか。その真相は以下のようになります。
金曜ロードショーで「天空の城ラピュタ」が放送された際、テレビの尺の問題で映画版のエンドロールをそのまま流すことが難しかったため、イラストや映画のワンシーンを切り取った一部を『挿絵』としてエンドロール時に流しました。
そして、その放送を見ていた視聴者が勘違いしてしまい、これって「幻のエンディングなんじゃないの!?」という噂が拡散してしまったのが真相のようです。
問題となるイラストの挿絵ですが、シータの家に飛行機で訪れるというシーンを宮崎駿監督がイメージボードとして描いたものを挿絵として放送されたようです。
↓パズーがシータを迎えに来る挿絵
勘違いからとはいえ観た人の主観でここまで事実が変わってしまうと、記憶というものは観た人の都合のいいように作られてしまうものなのだなと考えてしまいますね。
ドーラとシータの関係性、実は○○だった!?
ドーラというのは劇中で登場する女海賊の頭領です。
大柄でピンク色の髪の毛に三つ編みをしているかなりインパクトのある見た目をしています。
シータとは似ても似つかないのですが二人の関係性についてある噂が出ているのです。
それが、「ドーラとシータは親子だった」というものです。
なぜこのような噂が出たのかというと、劇中でドーラがシータに対して「アタシの若い頃にそっくりだよ」と話しています。
また、ドーラの部屋でシータに着せる服を探しているシーンで若い女性の肖像画がでてくるのですがそれがシータにそっくりなのです。
もしかするとその肖像画の女性がドーラの若いころの姿なのではないかと噂されているのです。
こうして見てみると、確かに似ていますよね。
当初、ドーラとシータを親子にするという設定があったという話もあるので、この都市伝説はかなり信憑性が高いとも言われています。真実のほどはいかに。
ラピュタの元ネタは○○だった!?
ラピュタの元ネタはアイルランドの作家、ジョナサン・スイフトの小説「ガリバー旅行記」と言われています。
宮崎駿監督が新しい作品の構想を考えている中、子供のころに読んでいた「ガリバー旅行記」を思い出し「天空の城ラピュタ」の企画案が出来たそうです。
ラピュタの元ネタとなった小説「ガリバー旅行記」の作中には「ラピュータ」という天空の城が登場します。
ラピュータは数学者・天文学者たちにより治めている浮島で、地上の人たちを知恵の力で支配していました。
また、ラピュータの人々は科学の進歩を優先するため言語を全て単語化するようにします。
「天空の城ラピュタ」の企画会議にて「ラピュータ」→「ラピュタ」となり、つまり先ほどの作中内で言語の単語化をラピュタ語として作品に展開していくことでうまく世界観を作ることができたのではないでしょうか。
これは噂ですが、宮崎駿監督は「ガリバー旅行記」に幼少期から強く刺激を受けていたとされており、「あの雲の上にはどんな世界が広がっているんだろう」、と思い馳せ続けた結果、「天空の城ラピュタ」が生まれたとも言われています。
ラピュタの舞台とモデルとなった場所
ラピュタの舞台となった世界ですが、劇中でパズーの父親が撮影した写真に1868と記されています。
となると、本作の舞台が1868年前後として描かれていることが考えられます。
そうなると、劇中の建造物が1869年頃のどこかの街をモデルとして描かれているのではないかと、考えられているわけです。
「天空の城ラピュタ」には様々な舞台背景や印象的な風景が描かれています。
そのモデルとなった場所ですが、世界各地に数多く存在していると言われていて、中には自称 ”モデルと言われている” 場所などたくさんの都市伝説モデルがあります。
その中で実際に宮崎駿監督が訪れた場所があります。
それがイギリスのウェールズです。
この街こそが、パズーとシータが出会った街のモデルとなっていると言われています。
当時のインタビューでも宮崎駿監督自身がウェールズがモデルであると名言してますので、この点は確実のようですね。
で、劇中に映画で描かれている炭鉱街はこんな感じ。ウェールズの街も炭鉱が盛んな地域でもあります。
またウェールズには他にもモデルとなった場所があり、シータが捕らわれた要塞のモデルとなった「カーナヴォン城」も存在します。
その他には都市伝説ではありますが、ペルーにある世界遺産「マチュピチュ」やカンボジアにある巨大熱帯林に覆われた「ベンメリア遺跡」、フランスにある「モンサミッシェル」などもモデルになったのではないかと言われています。
お金と時間に余裕がある方は、是非一度ラピュタのモデルとなった場所の聖地巡りをしてみてはいかがでしょうか。
ラピュタの末裔の正体と『ある作品』との繋がり
作中に登場するシータとムスカはラピュタの末裔であることがわかっています。
シータの本名が「リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ」と言われており
ムスカの本名も「ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ」となっています。
二人の共通点となる部分が「ウル・ラピュタ」となりますが、「ウル」がラピュタ語で「王」という意味が込められております。
となると、二人とも王の継承者ということになるのですが、シータの名前に「トエル」という名がついており、こちらが「真」という意味となっています。
シータには「ラピュタの正統な王位継承者であるリュシータ」という意味が込められていると言われています。
つまり、ラピュタ一族には分家というものがありそれがムスカなのではないかとも言われています。
次にこちらもムスカについての都市伝説ですが、ムスカには先祖が存在しており
それが宮崎駿監督が務めたアニメ「未来少年コナン」で登場した悪役のレプカです。
この逸話は書籍のほうでも記述があるためかなり信憑性の高い事実となっております。
同じ悪役という立ち位置や顔立ちや性格の悪さも似ているため「天空の城ラピュタ」と「未来少年コナン」の世界線は繋がっているのではないかという都市伝説も存在します。
滅びの呪文「バルス」の本当の意味
バルスは劇中で登場する天空の城ラピュタを崩壊させる滅びの呪文です。
また、最近ではテレビ放映時ツイッターで視聴者が「バルス」とつぶやきネットサーバーをダウンさせ「現実世界でも滅ぼす呪文」なんて噂が流れるほど有名な言葉です。
バルスはラピュタ語で「閉じよ」を意味しているのですが実際にこの言葉がどのようにして生まれたのかはわかっていません。
しかし、都市伝説として二つの有力な説がありますのでそちらを紹介します。
1.「バルスの語源はトルコ語」
トルコ語には「bans(バルシェ)」という言葉があり意味は「平和」となっており
バルスを唱え天空の城ラピュタが崩壊すると同時に平和が訪れたのでここからきたのではないかと言われています。
2.「バルスの元ネタは『マッドメン』からきている」
この「マッドメン」とは、諸星大二郎先生の漫画「マッドメン」から引用したのではないかというものです。
もともと宮崎駿監督は諸星先生にナウシカの絵を描いてほしかったと公言するほどの大ファンだったようで「マッドメン」の作中に「バルス」という楽園崩壊という意味を持つ言葉も登場していることから同じ意味を持つこの言葉を劇中に登場させたのかもしれません。
どちらの説も有り得そうな話ですが、やはり宮崎駿監督は自身の好きなものからインスピレーションを受けて作品に表現していく方と言われているので、2の説が有力ではないかと個人的には思います。
マッドメンでは「バルス=楽園崩壊」という意味ですから、まんまそのままアイデアを流用している感じですもんね。
飛行石の能力と誕生秘話
飛行石の性質として、地中から掘り起し空気に触れると劣化しただの石に変わってしまうのですがラピュタ人だけが飛行石の能力を維持したまま使用できるものとなっています。
そして、その能力を使い浮遊させる島、「天空の城ラピュタ」を作り出しました。
実は、こちらも元ネタが存在しており、昭和20年代末頃に「少年少女冒険王」という雑誌に連載していた「砂漠の魔王」という作品に登場するアイテムに飛行石に似たものが登場します。
宮崎駿監督はこの話が大好きでよく空想で飛行石で空を飛んでいたそうです。(どこまで本当かは定かではありませんが笑)
少年時代によく読んでいた「砂漠の魔王」が強く印象として残っていたため「天空の城ラピュタ」に登場させたのではないかと。
先の都市伝説でご紹介した「ガリバー旅行記」に登場するラピュータは島の底部に磁石があり、陸地には磁鉄鉱が多くあり磁石の反発力で浮遊している設定です。
一方、「天空の城ラピュタ」では巨大な飛行石がありその飛行石の結晶の力で浮遊している設定になっていおります。
「天空の城ラピュタ」英語版での変更点」
こちらは小ネタとなりますが、海外でも人気を誇るジブリ作品ですが「天空の城ラピュタ」に関しては海外で放映されるにあたっていくつかの変更点が存在します。
1.タイトルにラピュタが入っていない
英語版でのタイトルが「Castle in the Sky」となっておりラピュタは入っていませんでした。
というのも、「ラピュタ」という単語はスペイン語で「売春婦」という意味となってしまうためあえて使わなかったという配慮だったようです
2.登場人物たちのセリフによる時間変更
まずは、ラピュタでパズーとムスカが対峙した時にパズーが「シータと話がしたい」と申し出るとムスカが「3分間だけ待ってやる」という名シーンです。
しかし、英語版では「1分間だけ待ってやる」と変更されたのです。
別のシーンではパズーがドーラに対して「僕も連れて行って」と懇願するシーンでは
「40秒で支度しな」というセリフが「1分で支度しな」と変更されています。
どちらも、なぜか1分に変更されています。
その理由ですが、英語の語呂の良さから「1分」に変更されたのではないか、、と言われていますが、真相はいかに。
パズーの父の死の真相
パズーの父の亡くなった理由についてですが、これ、映画版ではあまり詳細は語られないためしばし謎とされていました。
ですが、1986年に発行された小説版で、パズーの父の死の真相について次のように語られています。
「スラッグ渓谷に母親と来る前にパズーが住んでいた町で冒険家の父親は、新飛行船建造のためのスポンサー探しに出かけた際に不慮の事故で亡くなった」となっています。
伝説の空中要塞ラピュタを目撃し写真を撮っていましたが、彼の言葉を信じる者はいないまま亡くなってしまいました。
パズーがあれほどまでにラピュタにこだわっていたのは亡き父親の無念を晴らすためだったのかもしれません。
ロボット兵は2種類存在する
劇中に登場する「天空の城ラピュタ」の象徴的な存在である守護兵のロボットですが、実は2種類存在しているのはご存知でしょうか。
一つは、戦闘用で腕にトゲ状の突起があり膜のような羽で飛ぶことができビームを発射する能力も備わっています。
もう一つは、腕にトゲがないものでラピュタの庭の手入れをしたり鳥の巣を作ったりと戦闘用とは違いやさしく争いを好まないラピュタの庭園を守る番人です。
まあこれは都市伝説というよりは、「天空の城ラピュタ」の豆知識、程度のものでしょうか。
ロボット兵はあの作品に登場していた!?
実はこのロボット兵ですが、1977~1980年に放送していたアニメ「ルパン三世」の2ndシーズンに登場していたのです。
話数でいうと、第155話「さらば愛しきルパンよ」になります。
この話は宮崎駿監督が手掛けたお話で、ルパン三世2ndシーズンの最終回となり
ここで「ラムダ」という名で登場しています。
「天空の城ラピュタ」制作時にロボットというのが見た目でわかればいいということで
同じデザインのロボット兵を使用したそうです。
こうして見てみると、確かに『まんま同じ』ですね!笑
まとめ
いかがでしたでしょうか。「天空の城ラピュタ」の都市伝説・裏話などをまとめ記事として紹介させていただきました。
本作は、現実世界がモデルとなっていたり、他作品とリンクしていたりと、ネタの数は思った以上に多かったのではないでしょうか。
原作がない作品なだけに、宮崎駿監督の経験などを通して、様々な作品の要素が凝縮された壮大な世界観で描かれた作品なんだなあと感じることができました。
「天空の城ラピュタ」に関しては今なお定期的にテレビ放映がなされていて、沢山の人たちに愛されている作品です。
どの世代にも影響を与えた唯一無二の作品でありこれからも愛され続けていく作品だなと思います。