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【怖い話】吸い寄せられる

【投稿者:Aquaさん】

小学生の頃、町内の催し物で旅行に参加したときのことです。みんなでキャンプファイヤーなどをして楽しんだ後、宿に帰る道を大人を含めて数人で歩いていました。
すると、右側を歩いていた友達にぶつかってしまい、謝ってまっすぐ歩こうとするのですが、またぶつかってしまうのです。何度も謝り、左側に体重をかけて歩くようにしたのですが、どうしても右側に寄ってしまう。
ぶつかりそうになる度に立ち止まり、もう一度左側に進むことを意識して歩き始めますが、いつの間にか右側に寄っていきます。左が車道側なので、無意識に危なくないように右側に寄っているのかな、それともこの道は少し右側に傾いているのかな、などと色々な可能性を考えましたが、どう頑張っても右に寄るようなこの状態になったのは初めてだったので、とても不思議でした。
引率してくれている大人の方に話してみようとも思いましたが、単なる気のせいとして真に受けられないか、変なやつだと思われるかだろうと、話すことができませんでした。
もう迷惑をかけないようにしようと、友達と場所を入れ替えてもらい、私が右側を歩くことにしました。すると、友達は右に寄ることなく、他の友達と楽しそうに話しながら、普通にまっすぐ歩いています。
やっぱり自分だけ…と、少し怖くなりました。場所を入れ替えても右側に体が傾く感じは変わらず、塀などにぶつかりそうになりながら必死で左側に重心をかけて歩きましたが、どんどん体の右側が重くなっていく感じがしました。まるで強い力で吸い寄せられているようにも感じます。友達の会話はまるで聞こえず、とにかくみんなに着いていくので必死でした。
すると、右側の塀がなくなり、少し開けた場所に来ました。
その奥に見えたのは……不気味に並ぶ古い墓。
一瞬でその墓に吸い寄せられていると分かりました。恐怖で身がすくむ思いでしたが、友達との会話に混ざり、右側の空気を断ち切るように力強く歩きました。
すると、ふっと糸が切れたように、右側から引っ張る力が消えたのです。安心しましたが、とても怖い思い出として残りました。あのとき、吸い寄せられるままに墓に入って行ったら、どうなっていたのでしょうか。

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