【投稿者:よりのつさん】
その日、部屋の照明をつけたまま寝落ちし、起きた時は深夜0時を回っていました。
「寝てもスッキリしないな」と思っていたら、天井から人の気配がしてきます。
「う、なんだか気持ち悪いな。部屋から出た方がよさそう」と思った私は立ち上がろうとしました。
しかし、全身が固まったように動かず、仰向けになったまま動けません。
「これはマズいな」と思っていると「フフフフフッ」と天井の方から女性の声が聞こえてきます。
目を凝らして天井を見てみれば、灰色のようなモヤが浮かんでいてパニックに。
「灰色のモヤッてなに!?」天井に出てきたモヤは、しだいに大きくなってきます。
「な、なに!!」そう思って見ていると、枕が左右にユサユサッと揺れるではないですか!
まるで人の手で揺さぶっているかのように。
「こ、怖いよ!」と叫んだ瞬間、足先も動かせず、手先も動かなくなります。
「なんとか我慢していれば、枕の揺れも止まるだろう」そう思っていたのですが、どんどん揺れが酷くなり、とうとう私は気分が悪くなってしまいました。
「う、吐きそう…」と思った時、こんどは足が左右に揺れ出します。
「うわ、足が揺れて止まらない!」パニックに陥っていると、天井からスーッと冷たい風が吹いてきました。
窓も開いてないし、部屋のドアも開いていないというのに。
冷凍庫を開けた時に出るヒヤッとする冷たい風が。
「さ、寒い。凍えちゃうよ」これからどんなことが起きるかと考えると、怖くて硬直してしまう私。
冷たい風はやまず、さらに吹き付けてきます。
全身には鳥肌、唇はプルプル震えてきました。
その時です。
天井の灰色のモヤがスーッと私の横に落ちてきて、白い着物を着た女性の姿が薄っすらと浮かび上がるではないですか。
初めてこんなにはっきりと幽霊を見てしまった自分が恐ろしいと思った私は、気を失いそうになります。
その時、白い着物を着た女性の青白い手がフッと私の腕を掴み、引っ張ってきました。
「わ、引っ張らないで!!やだ」と叫ぶのですが、叫べば叫ぶほど引っ張る力が強くなってくるのです。
「ああ、やだ!嫌だ!」と叫ぶ私と、幽霊との格闘が続きます。
10分、20分とかなり長く感じる幽霊との引っ張り合いが続き、私は気を失いそうに。
すると、天井からガタガタッと震えるような音が聞こえてきて、天井全体が迫ってくるように感じるのですから恐怖もマックス!!
とうとう気を失ってしまいました。
次の日。
私はお父さんに昨日の出来事を話しました。
「よし、天井を見てきてやろう」と腕まくりをして、私の部屋の天井裏に懐中電灯を持って入った後、慌てて天井裏から出てきました。
そして、「これ、こんなものがあったよ!」とお父さんが持っているものを見れば…白い着物を着た日本人形でした。
まったく初めてみる人形。
人形には人の魂が乗り移るといいますが、この家に住んでいた人の魂が乗り移ったのでしょうか。