超兵器、それはその時代の基準となる科学技術を大きく上回ったとんでもない兵器を呼ぶ総称です。
今では当たり前のように多くの国が保有している大陸間弾道ミサイルやジェット戦闘機なども、登場した当初は超兵器として扱われていました。
超兵器と呼ばれるものは近代の産業革命の後に、工業技術が大きく発展してから生まれたものばかりではなく、それよりも遙か昔の時代から存在していました。
中には長い戦乱の歴史において、その情報の一切が失われてしまい現在でも再現不可能な超兵器も存在します。
そんな失われた超兵器の中でも、最も強力にして猛威を振るったとされるものこそが、ギリシャの火です。
ギリシャの火とは
いわく、水のような形状を利用して巨大な筒より放たれたギリシャの火は、空気と交わると共に燃えだして、多くの敵を焼き払った。
まるで現代の火炎放射器のようなこの超兵器が、8世紀のまだ銃器が存在していない時代に戦争に用いられたのですから敵からすればひとたまりもありませんでした。
これを用いていた国は、東ローマ帝国とも言われたビザンツ帝国なのですが、驚くべきことにこの国はギリシャを拠点として1000年以上にわたって、存続していました。
その1000年の歴史を支えた超兵器こそが、ギリシャの火だとされているのです。
ギリシャの火によってビザンツ帝国は700年もの繁栄を築き続けた
ビザンツ帝国が8世紀にイスラム教徒たちの侵攻に襲われた際にも、ギリシャの火を用いることによって迫り来るイスラム教徒の艦隊を焼き払ったそうです。
その後もたびたびビザンツ帝国はイスラム教徒や騎馬民族、ヨーロッパの諸民族などによる侵攻を受けるのですが、ギリシャの火によって国を守り続けました。
結局イスラム教徒たちがビザンツ帝国を滅ぼしてヨーロッパに進出するためにはそこから700年近い年月を要しました。
その時代には大砲や鉄砲などの火器が登場しており、ギリシャの火の優位性が失われかけていたのです。
そしてビザンツ帝国の崩壊と共に、ギリシャの火もまた歴史の中に消えていきました。
ギリシャの火の製法は今日でも謎とされている
その製法は国家機密とされており、代々の皇帝のみがそれを受け継いできたとされているからです。
最後の皇帝がイスラム教徒のオスマン・トルコ帝国によって殺されたことによって、ギリシャの火は生み出すことが出来なくなったのです。
その製法は今日でも謎のままです。
しかし、燃える水などというアニメや漫画に出てくるような代物が、千数百年も前から実際に存在していたのですから、それこそ本当に魔法のような話ですね。
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