一代で国家を作り上げた男、ティムール
14世紀の中央アジアの大地、そこにティムールという男がいました。
彼は世界最大の帝国を打ち立てたチンギスハンの子孫を自称し、かつての彼のように大帝国を作り出そうと侵略行為を繰り返していました。
北はロシアから南はインド、西はアラビアから東は中国の西部に至るまで、彼は数え切れぬほどの死体の山を築き上げ、それと共に強大な大帝国を打ち立てていきます。
ティムール帝国、そう呼ばれている帝国は一人の男が侵略して生み出した国家としては、歴史上第3位の面積を有しています。
しかし、彼の際限なき欲望はそれでも終わりませんでした。
かつてのチンギスハンが支配した全ての領域を支配するために、当時明と呼ばれていた中国東部へと侵略の矛先を向けたのです。
しかし、彼の志はかないませんでした。ティムール程の侵略者も、寿命からは逃れられなかったのです。中国へと攻め込む直前に、彼はその血にまみれた生涯を終えました。
しかし、志半ばに死した彼の無念は計り知れないものがとあったのでしょう。
棺に入る直前に、恐ろしい遺言を残してティムールは死んだのです。
もしも今後、自分が眠る棺を開けるものがいるならば、その時には恐ろしい災厄に見舞われるだろう。
その遺言はティムールが棺に残した呪いの伝説となりました。
時代が流れ彼の打ち立てた帝国が崩壊した後も、みなティムールの呪いを恐れ、長い間棺が開かれることはありませんでした。
そして、ティムールの棺は開かれた
しかし、1939年、第2次世界大戦の最中に棺は開かれることになります。
当時その地を支配していた、ソビエト連邦が調査のために棺を開いてしまったのです。
そして呪いはソビエト連邦を襲いました。
直後にナチスドイツがソビエト連邦へと侵攻、世界の歴史上最も悲惨といわれる戦争が勃発します。
ソビエト連邦は連戦連敗を繰り返し、2000万人を優に超えるとさえ言われる、余りにも多くの命が奪われることになりました。
慌ててティムールに対して手厚い葬儀を行い、棺を閉めて溶接まで行ったために一度は呪いは収まりました。
棺を溶接した翌日に反撃に移ることができ、最終的には戦争に勝つことが出来たのです。
しかし、一度失われた命は二度と戻っては来ません。
ソビエト連邦は余りにも多くの血を流しすぎ、犠牲になった一つの世代が消えてしまったのです。
・・・・・・今もなお、呪いの棺はウズベキスタンという国に眠っています。
そして呪いもまだ生き続けています。
もしももう一度開かれることになれば、どれ程恐ろしい事態になるかなど、想像もできません・・・・・・
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