【投稿者:りなさん】
これは今から2年前、私が24歳だった春のことです。
マッチングアプリで出会った同い年の男性と会うことになりました。
場所は私の最寄駅からすぐ近くにあるショッピングモール。
カフェでお茶をして、買い物をしたらすぐに帰る予定でした。
しかし、当日会った彼はどこか寂し気な表情でこう言います。
「できれば夜ご飯までご一緒させてもらえたら嬉しいな…」
彼は一人暮らしをしていると聞いていたので、寂しいのかなと思い、晩ご飯も一緒に食べることに。
なぜか、彼とショッピングモールにいる間、少し変なことが起こるのです。
私たちが歩いている真正面から、電動シルバーカーに乗ったおじいさんがものすごい勢いで彼に追突。
しかし、おじいさんは素知らぬ顔のまま、謝罪の一言もなく去って行きます。
カフェに行っても、居酒屋に行っても、店員には必ず「おひとりさまですか?」と言われます。
まるで、他の人からは彼の姿が見えていないような感じです。
帰り際、少し怖くなった私は、早めに切り上げて帰ろうとしましたが、なかなか話が終わりません。
話の内容はあまり覚えていませんが、「今日は楽しかったね」「また会いたいね」など。
そんな言葉の繰り返しをしているうち、ようやく話が途切れ、帰れたのは夜の21時過ぎ。
家に帰ると、母がこんなことを言うのです。
「さっき家の前にいたでしょ?」
母の話では、若い男女の話し声がするため外を見ると、家の近くにある電柱に私と男性の姿が見えたとのこと。
しかし、私はさっきまで最寄り駅で彼と話し、最寄駅から1人で徒歩で帰って来たのです。
一体何がなんやら分からないまま。
疲れていたので風呂に入り、寝る前にネットニュースを見ていた時、こんな記事を見つけました。
「JR〇〇駅で人身事故発生」
20代の男性が、ホームから落ちた80代の高齢者を助けるためにホームに降り、そのまま電車にはねられたとのこと。
事故が起きたのは、偶然にも彼との待ち合わせ時間から30分ほど前の時間でした。
ふと、私は彼とのデートを思い返しました。
電動シルバーカーに乗ったおじいさんが彼にぶつかったにもかかわらず、謝りもしない。
カフェや居酒屋では、店員に必ず「おひとりさまですか?」と尋ねられる。
そして、母が見たという私と男性の姿って…?
私は一気に怖くなり、布団をかぶったまま一睡もできず、そのまま朝を迎えました。
彼からはその後一切連絡がなかったため、私からブロックしておきました。
もしかして、彼は亡くなった後も私との初デートに来てくれていたのでしょうか?
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